茅野市には国宝が2つもある。1986年に発見され、1995(平成7)年に国宝指定を受けた「縄文のビーナス」と、2000年に発見され、2014(平成26)年に国宝指定を受けた「仮面の女神」で、いずれも「尖石遺跡 縄文考古館」に所蔵されている。長野県には国宝が8つあり、昨年訪れた富山県には国宝が1つであったことなどと比較すると、その凄さが分かる。
「仮面の女神」は見たことがなかった。今回の旅行の最終日には「縄文考古館」と、「女神」が出土した「中ッ原遺跡」を訪れようと決めていた。数ヶ月前に見たNHKスペシャル“御柱”では、御柱を立てたと思われる穴に柱が立てられているとも放映されていた。(写真:「仮面の女神」と名付けられた)
今回の旅の最終日の8月26日(金) ビーナスラインには「中ッ原遺跡公園」入口と書かれた看板が出ていた。何度もこの前を車で通ったが気が付いたことは無かった。多分「仮面の女神」の国宝指定以降に看板も作られたのだろうと思いながら進むこと僅か1分で公園到着。やや離れた駐車場から8本の柱が見渡せた。(写真:8本の柱が長方形状の建てられている)
立看板から以下のことを学んだ。
≪中ッ原縄文公園は、茅野市湖東山口に位置する中ッ原遺跡の一部を保存し、特に土偶「仮面の女神」の出土状態を現地に再現するために2002年に作られた。
中ッ原遺跡は縄文時代の、大規模な集落址として昭和初期より調査が行われ、現在までに竪穴住居約200軒、土抗約3400ヵ所が発見され、この地域の中心的なムラであったこともわかっている。
ムラは中央の土抗群を囲むように竪穴住居址が配された環状集落の構成をとり、土偶「仮面の女神」も 竪穴住居址に囲まれ墓などが作られる中央部の杭に横たえたような状態で発見された。
この遺跡は縄文時代中期から後期の長期にわたり、多くの住居が作られていることや、土偶、ヒスイ飾り玉を副葬する墓などが作られていることを考えると、この地域に中心的なムラであったことがうかがえる。≫
まずは8本の柱を見た。4本は御柱のような高さで、他の4本はその1/3くらいの高さしか無かった。説明板には“8本柱方形柱穴列”と書かれていた。8ヵ所が長方形に並ぶ大型土抗に、柱を発掘調査の成果をもとに復元。上部構造は不明だが「おんばしら」等のモニュメントや高床建物等さまざまな構造が考えられる、とも書かれていた。
高い方の4本はすっくと立っていて気高ささえ感じられた。 その隣に「仮面の女神」出土を復元したものが作られていて、女神は土の中に横たわるように埋められていたことを知った。これらを見学した後に考古館へと向かった。(写真:出土状況が復元されている)