将棋のビッグタイトルは7つある。その中でも名人位は歴史と伝統と格式のある最高峰の位。その挑戦権を巡るA級順位戦は10人によって争われ、一昨日にその全5局が同時開催された。挑戦権を懸けては行方8段対佐藤天彦8段の直接対決。B1級への降格の可能性のある棋士は、広瀬・郷田・森内・久保の4名。残り4名のみが挑戦権にも降級にも関係しないという混戦状況だった。主催の朝日新聞・毎日新聞のみならずマスコミの関心も高く、多くのファンの注目も浴びていた。壮絶な戦いが予想される「将棋界の一番長い日」の対局は2月27日(土)に9時に幕を開けた。
私は小学生の頃から将棋を指すのが好きだった。大学時代には一応将棋部に所属していた。しかしアルバイトに忙しい一方、一つのことに集中出来ない性格が災いしたか、それほど実力は伸びなかった。良くて1級どまり。最近は殆ど指していないが、プロが指した棋譜をパソコンソフトで再現したり、テレビで観戦したりして楽しんでいる。棋譜を並べるのみならず観戦記などを読むと、そこには多くのドラマがある。それも劇的ともいえるドラマを味わい、興奮もする。「観る将棋ファン」の一員にはなりつつあった。
一昨日は「ニコニコ生放送」でA級順位戦を観た。プレミアム会員でなくても観戦出来る。ただしプレミアム会員が“入室”してくると席がなくなり”退室”させられることがある。一度だけ退出させられたが、午後から再度観戦を始めると追い出されることは無く、夜11時まで観戦出来た。
多くの棋士が好きだ。その中でも特に渡辺竜王・広瀬8段・佐藤天彦8段を贔屓にしている。今回は佐藤天彦8段は勝てばA級在籍1期目で名人への初の挑戦権を得るという、森内永世名人以来20年振りの快挙。又広瀬8段は勝てば残留、敗れれば降級という位置にいた。
最終結果は佐藤天彦が勝って、8勝1敗で挑戦権を得て、降級は郷田王将と久保9段。郷田は最終戦に勝利したものの、順位の関係で降級。昨年渡辺を下し王将に着いたばかりの好調を維持していたのに降級という、A級の厳しさをモロに味わった。贔屓の三人はともに勝利し、広瀬は残留、この日は心地よい思いで床に着いた。
将棋のことはあまりブログに書いてこなかったが、今後書き綴りたい。
今日は佐藤天彦について。過去に新人賞2回獲得の28歳。順位戦の勝率8割の伸び盛りの棋士で、趣味はクラッシック。オシャレでもあり愛称は”貴族”。今年度は対局数・勝利数ともに第1位。昨年は羽生王座との5番勝負に挑戦し、2勝3敗の惜敗。現在は渡辺棋王との5番勝負を闘い1勝1敗といい勝負を展開中である。それ故、名人戦では王者羽生との熱戦が期待されている。毎日読む渡辺のブログでは「名人戦は何かしらの解説で出ると思いますが、羽生さんと天彦が2日制でぶつかるのは楽しみです」とあった。渡辺と天彦は長年の盟友でもある。
広瀬のブログも毎日読んでいるが、こう書かれていた「名人戦の挑戦者は既報の通り佐藤天彦八段に決まりました。最終盤自分の背中越しに秒読みの声が響いていて盤上を見ていなくてもぎりぎりの勝負が続いているのがわかりました。8勝1敗は文句のつけようのない成績で七番勝負も目の離せない内容になりそうです」
今日決めたことがある。渡辺棋王に対佐藤天彦が挑戦する棋王戦5番勝負は第4局まで戦われることが確実となり、第4局の対戦会場は宇都宮グランドホテル。中学時代のクラスメイト北田君の駒が使われ、彼は検分に立ち会う。そこで私も前日に「宇都宮スーパーホテル」に宿泊し、21日の対局を現地観戦することにした。前夜祭にも参加したい。北田君と相談し、20日は彼と同じ湘南新宿ラインで宇都宮へ行くことにした。
観る将棋は息長く楽しめそうだ。