マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

新春浅草歌舞伎を観る

2018年01月22日 | 映画・美術・芝居・落語

 今年も新春浅草歌舞伎を2回観られることになった。東京新聞のチケット申し込みに当選した分は第1部で、やはり当たった方から頂いた分は第2部だった。どちらも3階席からの観劇だが、浅草歌舞伎は浅草の新春の華やかな雰囲気に触れられて、私達の気分も華やいでくるので好きだ。







 11日(木)11時から第1部を観た。
 演目は1.義経千本桜より『鳥居前』 2.元禄忠臣蔵より『御浜御殿綱豊卿』で、義経千本桜は『吉野山』を昨年ここで観ていて、演目の粗筋は知っていた。忠臣蔵は4年前に橋之助の徳川綱豊(後に徳川6代将軍)を観ていたが、やはりプログラムを購入し、開演前にストーリーを読み終えた。

 開演に先立ち《年始ご挨拶》は、この日は坂東新悟。遠目にも細面が良く分かるいい男。浅草歌舞伎は若手の活躍する舞台なのだと改めて思う。
 『御浜・・・』の主人公綱豊を演じるのが、座長役の尾上松也。相対する、富森助左衛門役が巳之助。
 舞台の甲府徳川家の別宅御浜御殿(現浜離宮)からは海が見渡せている。綱豊の寵愛を受けるお喜世(中村米吉)は、今宵の能に吉良が参上することを知り、兄で赤穂浪人助左衛門の
吉良の隙見を願い出ると、綱豊は隙見以上はしないことを条件に浜遊びを許すのだった。綱豊は仇討を志す赤穂浪人に侍心を見出していた。

 夕方、お喜世の酌で杯を重ねる綱豊のもとにやって来た助左衛門。互いの真意を探りながらの会話から、不意打ちにしても吉良を討とうとする助左衛門の思いと、浅野家再興と仇討は両立しないとの綱豊の思いの違いが明らかになって来る。この劇の見所はこの二人の緊迫感みなぎるやりとりにあった。
 「貴方様が遊興に耽るのは六代将軍を望む証し」と負けずに立ち向かう助左衛門。両者は次第に激して来る。前回見た時よりも演じる役者が若い故か、その激し方のテンポが速い。

 夜更けて、『望月』を舞う舞台へと向かう吉良を、助左衛門は不意打に襲うが、面が取れて現れた顔は綱豊だった。驚く助左衛門に「自分だけ吉良を討てば良いのか。全員で至誠を尽くしてこそ真の仇討」と諭す綱豊。

 翌日の12日には芸者衆10人が観客を出迎える”総見”があったそうだが、残念ながら頂くチケットでは、その様なあでやかな瞬間は訪れない。


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