マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

永青文庫で「春画展」を観る

2015年12月01日 | 映画・美術・芝居・落語

 11月24日(火)、永青文庫で「春画展」を観て来た。
 浮世絵春画は言うまでもなく人間(主として男女)の性愛を大胆に描写した浮世絵(肉筆画、版画、版本)の総称。この展示は大英博物館からの特別出品で、日本での初展示打診には多くの美術館が二の足を踏み、結局永青文庫が、それではと手を挙げたという経緯があるらしい。さすが永青文庫というべきか、さすがここの理事長にして元総理の細川護煕というべきか。

 開催期間は9月19日~12月23日。期間はまだ終了していないが、入場者は既に14万人に達し、この文庫の一年間の累計入場者数7万人の2倍、もの凄い入場者である。その辺の事情を聞いていたので、24日は朝9時15分には会場前に到着した。意外にも数人の待ち人がいるのみ。前日までが3連休で、普通その翌日は休館が多いという事情も幸いしたか。開場10分前から整列が始まり、前から7番目。前に並んだ人達は皆ロッカー利用だったので、4階の順路入口には何と私達が一番乗りとなってしまった。






 日本人は、古来セックスに対してははなはだ寛容で、大らかな(時にはおおらかすぎる)文化が形成されてきたらしい。その典型の一つが春画。江戸時代を通じて制作されたそれは、2000点~3000点にのぼるとされ、大名から庶民まで貴賤を問わず、老若男女に愛好されてきたと言われているから凄い。
 
人間の自然な営みである性を絵画とする浮世絵は世界で質量とも群を抜いているそうで、今回はそれらの中から「春画の名品」を集めての展示で、渓斎英泉・歌川国貞・月岡雪鼎・鈴木春信・鳥居清長・喜多川歌麿・葛飾北斎など、浮世絵大家の作品が勢揃いしたのだ。(写真:喜多川歌麿の「歌まくら」)
 春画は「嫁入り前の性教育」の教材としても活用されて来たらしい。しかし、その春画、多分明治時代以降、影の世界へ閉じ込められてしまった。ものは秘すれば秘するほど見たくなるもの。人目を逃れるように私も鑑賞して来た。それが陰から陽へと、再び陽の当たる場所に登場して来たのだからこれは是非と、妻をも誘ってやってきたのだ。熱心に鑑賞している若い女性も見受けられた。




 淫乱で隠微な感じのする絵画は少ない。男女の性器の結合場面も興味深いが、これはと思える二つ肉筆画に巡り合った。一つは右写真に見る「狐忠信と初音図」(春画屏風)。一見、男女の鎧武者が組み合っているかと見えるが、男の草摺(くさずり)を取り外した、もう一枚の春画も用意されていて、こちらは交合部が露わになるという趣向。
 もう一つが「小柴垣草子絵巻」で、物語に沿って展開する肉筆春画絵巻。史書にも登場する、野々宮で起こったスキャンダルを基にした絵巻。交合露わな場面が中心の展示だったが、絵巻には発端から結合に至るまでがあるはず。全画面が観られないのが残念で、全てを観るのは図録購入しかない思い、グッズ販売所にも足を運んだ。妻に図録購入を勧めたが、今回は買う気全くなし。そこで私が大枚4000円をも捻出し購入してしまった。帰宅して、まずは件の絵巻物語から図録を鑑賞した。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。