楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

漬物の秋 - ニシン漬け -

2024年10月27日 | 日記

2024.10.26


「ニシン漬け」は北海道の冬を生きた先人の知恵の詰まった漬物であり、文化だと思う。

大根、キャベツ、ニンジンという日持ちがして栄養バランスの取れた野菜類と〝身欠きにしん〟というたんぱく質の保存食をショウガ、南蛮という血流を良くするような香辛料とともに麹で漬け込み発酵させる。

まだ小学校に上がる前、母親が台所で漬け込む様子を横で見ていた。ある年のこと、母親が漬け込まない様子を見て、「どうして。作って。」とせがんだそうだ。成長してから聞かされたことがあった。

多分、ニシンや野菜を樽の上に渡したまな板で切ったり、麹を振りかけている姿が流れ作業のようで面白かったのだと思う。


結婚してから記憶を辿り、毎年、漬けるようにしている。消費者はほぼ私である。九州で育った妻には麹文化が無い。(笑)





身欠きにしんはコメのとぎ汁に漬けて置くというのがレシピだが、私はヌカを使う。一晩経ったら水洗いしてぶつ切りにする。





野菜類は記憶を頼りに適当に切る。ユーチューブは見ない。(笑)




塩を混ぜた麹を振りかけ、手でまんべんなく混ぜて仕込み終了。

重しをかけ、物置に置いて10日ほどで食べれるようになる。

今年は失敗したことがあった。
樽の中のが大きすぎて重石がかかっていないことに翌日気が付いた。
緊張感が抜けていた。さて、この結果はどうなるか・・・。

漬物の秋 - 沢庵漬け -

2024年10月27日 | 日記

2024.10.24

JAの農作業で大根の出荷作業に出掛けたO農場さんから規格外の大根を40本ほど貰い、ベランダに干しておいた。1週間ほど経って、半月状に曲がるようになったので、35本を「沢庵漬け」にし、残りを「ニシン漬け」にした。

漬物は北海道の冬の貴重な保存食だった。小学生の頃、風が冷たくなる今頃は母親から大根の水洗いを手伝わされ、兄たちから縄で編んで吊るす仕事を手伝わされた。寒くて早く終わらないかといつも思っていた。


九州育ちの妻は北海道の漬物を作ることは苦手で全て私の仕事である。
母のやっていたことの記憶で適当にやるが、あれだけイヤだった沢庵漬けの手伝いが今では幼いころの家族の残像を思い出す楽しみとなって生きている。




用意するのは極めてシンプル。
米ぬか、塩、南蛮だけである。量は全くの目分量。母もそうしていた。


 





塩と南蛮を混ぜ米ぬかを大根と大根の間に隙間のないよう塗して交互につみ重ねてゆくだけ。








最後に大根のヘタを乗せ、ぬかをびっしりかぶせてガッチリ重石をかけ、気温の上がらない物置に保管する。

沢庵漬けは通常の野菜の漬物のように水は上がってこない。1ヵ月ほど経つとぬかが水分でしっとりしてきて食べ頃になる。

沢庵の無くなる3月上旬、春の兆しが見え始める。

(「ニシン漬け」につづく)