下馬評ではニュージーランドが優位に立っていたが、イングランドはNZに何もさせなかった。
近代ラグビーは攻めも守りもFWとBacksは協働して事に当たるので見ていて複雑で、どうしてあの場面にこのプレーヤーが居るのかと不思議なことが多い。
セットスクラムではFW8名がフル参加だが、ラックなどの密集プレーやラインアウトからの攻めや守りではFWプレーヤの全員が参加していない。何名を投入するかで状況がめまぐるしく変化する。
エディヘッドコーチは組み合わせが決まってから2年以上をかけてNZとの試合に臨んだという。細かい想定を繰り返し繰り返し練習し、プレーヤーはそれを身体で記憶したことだろう。パスを見ていると正面を見たまま行ったりしている。背後の陣形が頭に入っている証拠だ。
そのことはNZも同様だろう。しかし敗れた。トライ数はひとつずつで変わらない(ともにゴールなる。)。点差は反則による4ペナルティゴールの12点だった。しかも自陣で。
NZともあろうチームが何故そのような初歩的ミスを重ねたか。多くはENGの一歩早いディフェンスによるノットリリース・ザ・ボールだった。
タックルされた選手は自軍FWがサポートに来ていないとボールを離そうとしない心理が働く。Rugbyはやはり〝8エイトの力〟が基礎だ。
敗軍の将は何も語っていない。噂によると来季、日本のトップリーグに参画するとのことだ。何故、NZは何もできなかったのか。その対応策でJAPANがもっと強くなって欲しいものだ。