季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

対談

2013年04月14日 | その他
小林秀雄と河上徹太郎の最後の対談、ずっと前に読んで感銘を受けたが、その対談テープが見つかった。偶然宣伝を見つけ発売日に購入した。

河上さんの肉声は初めて聞いたが、およそ想像していた通りだった。小林さんは始終楽しそうに、もしかしてもう河上さんに会うことがないかもしれない、という気持ちもあるのだろうか、元気を振り絞る感じの声に聞こえる。

でも、河上さんと話すのがもともと楽しかったのだとよく伝わる声でもある。声は不思議である。目以上に嘘をつかない。つけない。

iphoneに入れてヘッドホンで聞いてみようとしたら、まあ出来たけれど、同じトラックが10余り入ってしまっていて、途中からまた元に戻る。それも良い。酒が入った小林さんの話ぶりみたいでね。

音楽、それも演奏をする人たちはこういったものを聞いてもらいたい。河上さんがお祖父さんのことを書いたことを言う。難しい話の文脈の中であるが、ほんとうはちっとも難しい話ではない。小林さんが「お前さんは、もちろんお祖父さんになることはできないが、書いているとやっぱりお祖父さんになっているんだよ」と言う。

いや、僕は簡単に書きすぎている。ぜひ聞いてごらんなさい。対談がどのように校正されて活字になるか、それも面白い。何せ、河上さん、急に「オレ帰る」といって料亭を出て行ってしまうのだから。病後で疲れたのである。

見送る小林さんの大きな声も入っている。