季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

2016年05月04日 | 音楽
質問サイトでとてもよく見かけるのである。ツェルニーをやると上手くなりますか?ハノんを弾くと上手になりますか?

こういう質問やそれに対する回答?を読んでいると、次のような気分になる。バファリンは体に良いのでしょうか?正露丸は体に効くのでしょうか?

ツェルニーを上手に練習すれば上手になる。30番、40番はきわめて優れた練習曲集だ。僕自身は子供の頃大嫌いだったからあまり威張った口をきけないのであるが。

上手に弾けば、と断り入れた、そこが一番大切なのである。とにかく弾きまくる、完成?する、次の曲に進む。これでは上手にはならない。他の曲を気分よく弾いていた方がよほどましだ。では上手に弾くとは?

ハノンに至っては劇薬であろう。だれでも簡単に譜面が読めるのでとにかく弾いてみる。すると悪い癖までもが増強?されてしまう。効き目は、と問われれば注意深く練習すればある、と答えるしかあるまい。では注意深くとは?ここから先はブログの短文で言えるようなものではない。といって大論文を書き上げても理解出来る性質でもない。

質問者は無邪気なものだ。それはまあ仕方ないだろう。無責任な回答なぞするものではなかろう、あなたはいったい誰だい?と画面に向かって訊ねたくなる。

講座の詳細はこちら

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
脱力について (ひろちゃん)
2016-05-05 07:05:57
以前にもコメントさせて頂いたような気がするのですが・・。
この「脱力奏法」に関しても、「いかに脱力するか?}というようないろいろなブログ記事があり、見るたびにとても複雑な気持ちになります。
(もはや細部まで読みこむ気力はないのですが)

「脱力」という言葉に敏感に反応してしまう私は、中学高校と「脱力奏法」をみっちり厳しく躾けられました。
今思い返せば笑止千万なことですが、先生も大真面目だったのでしょう。
でも同じく大真面目な子どもにとっては、過酷で罪深いことだったのでは?と思います。

今でも心のどこかで先生を恨む気持ちと反対に先生を憐れむ気持ちとが合わさっていて、複雑な気持ちです。




返信する
Unknown (重松)
2016-05-05 18:33:01
ひろちゃんさん
コメントをありがとうございます。

大抵の生徒が、真面目な生徒と言われる生徒でさえ、注意されたことをある程度「いい加減に守る」のです。本人は忠実に守っているつもりですけれどね。

同じように、教える側も厳密に観察し考察したとは言えない教えを強調しているものです。その限りにおいては恙無く物事は進んでいくとも言えますね。

ところがひろちゃんさんのような大真面目な生徒は一定数出るのです。その人たちは一心に教えを守ろうと努力し、泥沼に入り込んでしまう。

その人たちはでは才能が不足しているのでしょうか。違うでしょう。不足する人も当然いますが、むしろ注意力や誠意は人一倍ある場合が多い。

そこで僕はHPのタイトルを「誤解が多いピアノのテクニック」と書く必要があったのです。

あまりに楽天的に無反省に書かれたものが多くて、心ある被害者を何とか救済できないかと思ったのです。

それでも音や動きを文字で表現し、理解するのはほぼ不可能なのです。

新たな誤解を生じさせないように細心の注意を払っているつもりではありますが。もしお読み下さって疑問点があるならば、連絡欄から質問して下さって構いません。当コメント欄を通じてでも結構です。
返信する
大真面目ではないですが・・ (ひろちゃん)
2016-05-11 11:06:05
ありがとうございます。
しかし、大真面目ではないと思います。
それこそ、あの頃夢中になっていた少女漫画雑誌(週刊」マーガレット)を譜面台に置いて、ハノンをソラで弾きながら読んでいたのですから!
でもって、母の足音が聞こえると、譜面の裏に隠すわけです。
全く練習になっていません! 
●時間練習しています、みたいな時間稼ぎだけでした。

それでも、専業主婦の母がやりくりをして、高いレッスン代や交通費を捻出してくれるのを知っていましたから、それなりの覚悟はあったと思います。
社会全体がそういう時代だったのかなぁとも思います。
返信する
Re:大真面目ではないですが・・ (重松)
2016-05-12 01:54:36
おや、僕と同じような練習をなさっていらしたのですね(笑)
しかし必死にハノンを練習するよりは、マーガレットを隠し見ながらの方が「被害」が少なかったかもしれないですね。と言うのも、上の空で弾くと、多少なりとも人間本来の自然な動きが入る可能性がありますから。
もちろんこれは良い練習から遥かにかけ離れていますけれど。
返信する

コメントを投稿