今回は、夏に付きものの炭酸飲料のお話をしたいと思います。
我々言語聴覚士は、嚥下機能を評価したのち、必要に応じ、患者さんに食形態や
飲料にとろみをつける指導を行います。
その際、「炭酸飲料を飲みたい」との要望をいただくことがあります。
以前はお勧めできる手軽な方法がなかったのですが、
ここ数年、ペットボトルのまま炭酸飲料にとろみをつける方法が、メーカーや現場の
先生方から紹介されるようになりました。
そこで、遅ればせながら、先日、コーラを使ってとろみ付け実験と試飲を行ってみました。
手順については検索して頂くとわかりやすいものが動画付きで沢山ヒットしますので、
そちらを参考にして頂くとして、実際やってみた感想、味をお伝えしたいと思います。
どのやり方も基本的には手順は一緒で、とろみ剤をペットボトルに素早く入れて蓋をし、
しっかり振ってまぜ冷蔵庫で一晩置くだけ、といった簡単なものでした。
混ぜる際のボトルの振り方がそれぞれの動画で指定があり、興味深かったです。
翌日、ボトルを開けてみると、しっかりとろみがついているものもありますが、とろみ剤が
沈殿してダマになっているものもあり、安定してとろみを付けるには何回か練習が必要そうです。
炭酸の強さは2日目のコーラ、といった感じで、振った割に炭酸は残っているな、と思いました。
飲んでみると、とろみがついていた方がコーラの香りを強く感じる気がしました。
それほど違和感なく飲めるかと思います。
また、ダマになった部分は、昭和世代には懐かしいお菓子、『コーラ〇〇〇』(裏側にオブラートが
付いてるやつです)になんとなく似ていて、これはこれで美味しかったです(嚥下障害のない方がお楽しみ下さい)。
何はともあれ、冷たい物の飲み過ぎに気をつけて頂き、暑い夏をなんとか乗り切りましょう。
最後に、適切なとろみの濃さは人によって異なりますので、専門家の指導を受けた上で、
とろみをつけて下さい。
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【注意】
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当院および当科の総意でもありません.引用や臨床実践等は各自の判断と責任において
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