今日は私が今まで活動してきたICLS(Immediate Cardiac Life Support)ついてお話ししたいと思います。ICLSとは日本救急医学会が主催する医療従事者の為の蘇生トレーニングコースです。「特に心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」のスキルを習得する事を目標にしています。
具体的には、心停止している人に対しての心臓マッサージ、薬剤や除細動・挿管手技、心停止となった原因と原因に対しての治療などを学びます。学ぶといっても座学はほとんどなく実技がメインです。受講者は蘇生チームのリーダーとなり、チームのメンバーへ指示出しをしていく練習を積む事で実際の臨床場面での急変に即座に対応できるスキルを身につけていきます。
そしてインストラクター業務は医師や看護師・コメディカルなどの受講生に対して蘇生スキルや知識を指導していきます。受講生は職種だけでなく年齢もバラバラ、自信満々な人もいれば不安が強く声もか細い方など様々な方がいらっしゃいます。インストラクターに求められるのはどんなタイプの人にも気付きや学び・成功体験(時には失敗体験)を与え受講生を成長させていくスキルです。
もちろん私も最初からできた訳ではなく何度もインストラクターを行っていく事で、少しずつ出来る様になりました。その方の性格や到達度などに合わせた指導の与え方、声かけの仕方、適切な課題の与え方などを考える訓練はICLS 内だけでなくリハビリテーション科内での新人教育などに生かされていった気がします。
またインストラクターとして国立病院機構の他病院や民間病院へ派遣されるうちに、色々な施設の方との繋がりができた事も本当によかったと思います。
そのような経験が現在では当科の急変対応訓練や、院内の医療安全に関する業務に生かす事が出来ていると思います。当院は全職員が一次救命救急であるBLS(Basic Life Support)を受講していますが、さらに上級コースであるICLSなどで急変対応スキルを磨いていく事でより安全な医療を提供する事ができると考えております。
今年度は当院からもICLSを受講するスタッフもいますので、今後もリハビリテーション科の医療安全の質を高めていければと思います。
写真はICLSインストラクターのスクラブと、認定バッジです。
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