東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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作業療法のいろいろ ①作業療法ってどんな仕事?【一般の方向け】

2016年11月22日 | 紹介
リハビリテーションの分野では、現在4つの療法が国家資格として認められていることをご存知でしょうか?
理学療法、作業療法、言語聴覚療法そして、視能訓練と実はそれぞれの役割で細分化されています。

今回は、作業療法(Occupational Therapy:OT)について少し説明したいと思います。
OTを説明するときによく聞くのは「手のリハビリです」や「身の回りのことができるようにリハビリします」などでしょうか?
ここでは、もうちょっとだけ踏み込んでOTについて知っていただけると嬉しいです。

OTでいう作業とは「人の生活に関わる全ての活動」のことを言います。
つまり、食事やトイレなどのセルフケア、家事、仕事、余暇、地域活動すべて作業に含まれています。
そんなOTの対象は病気やけが、先天的な障害などからだの問題やこころの病気も含め、年齢に関わらず日常生活に支援が必要な方となります。

では、OTでの目標は何でしょうか? 大きく3つ挙げられます。
一つは、運動や感覚など機能面での改善を図りながら対応する基本的動作能力。
二つ目は、食事やトイレ、家事など日常で必要な活動である応用的動作能力。
最後に地域活動への参加や、就労・就学など社会的適応能力です。
これらの能力の維持、改善を図り「その人らしい」生活の獲得を目標にしていきます。

私たち作業療法士は、当院のような医療現場はもちろん、福祉・介護、保健、教育、職業領域など社会活動の分野でも働いています。


片手での調理練習


手指の促通練習

また、私たちOTでは今、生活行為向上マネジメントというツールの使用が推奨されています。
これは、OTの包括的な思考過程をわかりやすく表したもので、本人のしたい生活行為に行動計画の焦点が当たるように作られています。
このツールを活用して、患者さんの生活を医師、看護師、理学療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカーなどたくさんの職種、家族の方と一緒に支えていく。
それをマネジメントするのも作業療法の一つの役割なのです。

いかかでしょう?
OTについてちょっとだけ深く知ることができたでしょうか?
今後もOTのいろいろを発信していきたいと思います。

参考:一般社団法人 日本作業療法士協会HP

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