“栄養治療”とはあらゆる治療の基礎となるものです。いわば、どんな病気でもどんな病期でもどんな場所でもどんな人にも必要となる治療であります。
世の中には数多の専門的な学会がある中で、この学会は非常に幅広い医療従事者が関わる学会であり、10000人以上参加するとても規模の大きな学会として知られています。
今回私も“回復期脳卒中患者に対する栄養療法”における評価法についての口演を行ってきました。“脳血管障害”というたった1つのセッションの中でも、栄養士のほか、リハビリテーション科医、脳神経外科医、看護師、薬剤師・・・と多くの職種が発表していました。同じ“脳血管障害”に関する報告でも、それぞれの立場からそれぞれの向き合っている病態に対し様々な見解が報告され、普段私が関わっている回復期という限られた病期以外では何をされているのかを知り、改めて相互理解の場となりました。
その他、集中治療室での栄養管理、周術期に関する栄養管理から、緩和治療、在宅栄養まで周りを見渡すほど様々な分野での議論が活発になされており、毎回出席するたびに栄養治療学の興味深さを思い知ります。
我々が関与しているリハビリテーション治療には、運動療法をはじめとした体づくりを大きな軸としていますが、いうまでもなく、“体を作る”ためには、よく食べてよく運動することが必要です。ゆえに、リハビリテーションを行うためには栄養療法の併用が必須と考えて過言ではありません。栄養と運動のバランスを上手に管理することを目標としています。まだまだエビデンスを積み重ねていかなくてはならない分野ではありますが、その一端に寄与できればと、今後もclinical questionに対する答えを見出していきたいと思います。
G7(Ⅾr)