東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

国立病院機構東埼玉病院リハビリテーション科の公式ブログです

*表示される広告は当院とは一切関係ありません

第37回関東甲信越ブロック理学療法士学会に行ってきました!

2018年10月09日 | 活動報告

9/29(土)・30(日)に栃木県総合文化センターで行われました、第37回関東甲信越ブロック理学療法士学会に行ってまいりました。私は30日のみ、公聴のみでの参加でした。

現在、政策医療に携わる機会が多く特殊な診療を行っている中で、こういった多くの施設に勤めている方々の話を聞けることはとても新鮮であり、よい刺激となりました。

TVや雑誌でよく見かけるようになった「筋膜リリース」や高齢社会を反映した講演や発表も多くありましたが、最近のトピックスとして「ウィメンズヘルス」なるものが多く講演でも聞かれるようになっており、今回の学会でも3人のシンポジストによる講演が行われておりました。

ウィメンズヘルスケアとは各ライフステージにおける女性特有の問題に対してアプローチを行っていくもので、欧米諸外国では1900年代初期にはすでに確立され、理学療法士がアプローチを行う領域としても広く認知されているようです。
しかし日本で理学療法士をしている我々の中では関わることも少なく、認知度としてはまだまだ低いように思います。
具体的には妊娠・出産を機に生じる形態的な変化により生じる身体的トラブルや転倒リスク、骨盤底筋機能不全による尿失禁などが代表的な内容のようです。
こういった自分だけではなかなか知ることのできないトピックスを知ることが出来るのも、こういった学会に参加する大きなメリットであることを改めて感じました。

他にもカフアシストを使用したケーススタディに関する報告などもあり、その報告を聞いてやはりカフアシストが特殊な機械で、使いなれていない施設・スタッフの中では診療報酬を含めた内容をなかなか十分に理解して介入に取り入れていくことが出来ていないのだなと考えさせられる機会にもなりました。


たくさんの興味深い報告がありましたが、中でも北山哲也先生の「脳卒中片麻痺者に対する活動分析 ~社会参加を見据えた分析と介入~」の話はとても面白く、また自身の普段の診療を思い返すいいきっかけとなりました。
視床の役割などの神経生理学的な話からエスカレーターの特殊性などADLに直結する話など、多岐にわたって学術的にもかなり勉強になる内容だったのですが、中でもアクシデントを想定した細かなADLを意識した介入をされていることに感心しました。
例えば杖を落としてしまった時の拾う練習であったり、万が一転倒してしまった際の受け身の指導など、アクシデントやいろいろな環境に適応できるような関わりを最終的にはしていかなくてはいけないし、そういったことを常に想定して介入をしていかなくてはならないと身が引き締まる思いで聞いていました。

当院でも回復期病棟を運営しており、当然必要となる視点であるように感じましたし、回復期以外の病棟でも患者さん一人ひとりのADL・QOLを考えると必要になる点だと思います。自身の介入がそうであるか、他のスタッフの介入がそうであるか、お互いにコミュニケーションを取りながらやっていきたいものですね。



C5(PT)


東埼玉病院リハビリテーション科ホームページはこちらをクリック