みなさんこんにちは。リハビリテーション科の作業療法士です。
今年も梅雨の時期に入りましたが、天然パーマの私は髪の乱れに翻弄されることが多いので、
梅雨入り前には必ず縮毛矯正をかけて朝時間をスムーズに行えるようにしています。
さて、国立東埼玉病院に異動してから10年足らずで回復期病棟を数回担当させて頂きましたが、
自宅退院予定の多くの患者様は御自宅に戻ってからの生活に支障をきたさないように
主治医、看護師、理学療法士、作業療法士が実際に御自宅に行き、御自宅内の段差や手摺の有無
などを確認させて頂くための家屋調査(正しくは退院前訪問指導)を行っています。
家屋調査を行う中で実際に不足している手すり、バリアとなる段差解消、そして扉の種類、
ベッド使用の有無等によって家族の介助量や負担は大きく変わることを経験しました。
そこで気付いたことを自身の家を建てる際に役立てた箇所が幾つかあったので紹介しようと思います。
〈写真1〉和室から見た洗面・トイレ 〈写真2〉トイレから見た玄関・和室
左扉:浴室(洗面) 右扉:トイレ 正面扉:和室 右扉:居間
私の場合、自宅を5年前に建てたのですが、その際に一人暮らしの父親が居て同居することを考慮して
1階の畳部屋を居室とするなら動線をコンパクトにしたいと考え、写真のように居室から1,2歩で
玄関・トイレ・洗面・浴室に行けるように玄関ホールにそれらを集め、更に忍者屋敷のように扉を多くして
屋内の扉も開閉が楽な引き戸にしました。他にもトイレは便利なL字手摺りや自動開閉便座、浴室出入りの際
に間口が広い3枚扉や浴室暖房、滑りにくい洗い場など各所に工夫をこらしました。
〈写真3〉玄関ポーチ 〈写真4〉玄関ホール1(上がり框~式台)
正面扉:洗面浴室(浴室出入口は3枚扉)、右扉:トイレ
道路から玄関ポーチまでのアプローチはスロープもつけ段差解消しましたが、残念ながら玄関扉は
防犯性の低い引き戸には出来ず、上がり框は外玄関のスロープの傾斜角度が高くなるという理由で
20cm以下にはできませんでした。その分、靴の脱ぎ履きをするタタキは奥行き150㎝と広めにして
10㎝台の段差を置いても邪魔にならないように工夫しました。
〈写真5〉玄関ホール2(式台)
さあ、これで同居の準備は概ね整ったと家を建て始めたのですが、家が完成した時点で父親の体調不良
と視力低下等が重なり自宅退院できるレベルではなくなり現在は退院の見込みも薄く施設で生活している
状況です。
ただ、これらの工夫した点は自身の年齢も考えるといつか役に立つものと考えて無駄にはならなかった
と感じています。
現在、コロナ禍で小学生の子どものお家時間が長いこともあり忍者屋敷のように各所に作った引き戸を
出入りして鬼ごっこなどをしていますが、引き戸には難点がありレールの溝はゴミが溜まりやすく、
我が家のように猫を飼っているお家は猫砂なども入り込んでしまい掃除が頻繁に必要になる煩わしさがある
のでご注意ください。
東埼玉病院リハビリテーション科ホームページはこちらをクリック
【注意】
本ブログの掲載記事は,個人的な見解を含んでおり正確性を保証するものではなく,当院および当科の総意でもありません.引用や臨床実践等は各自の判断と責任において行うようお願いいたします。