東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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家屋調査を経験して~新人理学療法士が感じたこと~

2020年06月22日 | 紹介
私は今年の4月より機能回復部門リハビリテーション科に入職した理学療法士です。


私の所属する回復期リハビリテーション病棟では、主に脳血管疾患や整形外科疾患の方々が多くいらっしゃいます。

その方々が自宅に戻った際の生活や社会への復帰を目指して、集中的なリハビリテーションを行う病棟です。

集中的なリハビリテーションを行うためには、多職種との連携がカギを握っています。

特に回復期リハビリテーシ病棟では、それぞれ多職種の視点から目標を共有することで、患者様ひとりひとりの目標に沿った治療を行うことができ、より効果的で効率性の高い医療を提供できると考えています。

私は、その多職種との連携の重要性を、カンファレンスや家屋調査を通して実感することができました。


カンファレンスに参加させていただいた際、患者さんを担当する医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の方々から様々な話を聞くことができました。

医師からは患者様の現在の治療内容や状態など全体像を聞き、看護師からは日々の健康状態や病室での様子など詳しく聞くことができました。

また、理学療法としては寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩くなど基本動作に着目して行っているのに対し、作業療法では食事動作やトイレ動作、言語聴覚士では、食べる・飲み込む・話すなど同じ方向性である「在宅復帰」でも自分の視点と他者の視点では全く違うことが分かりました。

他者の視点は違えども、それぞれの治療を最大限に生かすことができ、患者様の具体的なアプローチ方法を再度見出し、多職種との情報共有の重要性を学ぶことができました。


そして、家屋調査に同行させていただいた際には、医師、理学療法士、作業療法士、福祉用具専門の方、ケアマネジャーの的確な意見が重要だと感じました。

例えば、トイレに入る際に段差がある場合、段差に対してどこに手すりを設置するのか、設置部分に適した手すりの選定や手すりを設置するまでの期間どの福祉用具を使って代用するのかなど、手すりの種類だけでなく、細かく患者様と一緒に確認しながら、設置の有無や動作指導を行っていました。

また浴室では、患者様自身の力で自宅の浴槽に入ることが困難な場合や介助者の負担が大きく、自宅での入浴が難しいこともあります。

そのような場合には、介護福祉サービスを利用する方法も一つの手段だとして、ケアマネジャーの方や患者様、患者様ご家族と一緒に考えていました。

介護福祉サービスを利用することで、ご家族の負担も軽減することができ、安全かつ安心して自宅に戻れるような環境作りが行えると思います。

玄関から室内に入る際の動作指導や環境設定など、その場で適切な意見を出しおり、視野を広く持って考えることの大切さがわかりました。

また、家屋調査を行うことで、具体的な退院指導に向けた治療を提供でき、患者様自身の目標意識にも繋げることができると思います。

今回のカンファレンスや家屋調査を通して、チーム医療の重要性を実感し、改めて理学療法士としての意見を述べることができるよう知識を身につけなければならないと実感しました。


1ヶ月経ち、先輩方の治療見学をさせていただく中で,毎日が勉強の日々です。不安でいっぱいな時もありますが、先輩方が優しく話しかけてくださり、良い環境で仕事ができることに感謝しています。

これから、先輩方の知識や技術を吸収しながら、身につけた知識やスキルをしっかりと活かし、どんな場面でも臨機応変に対応できる理学療法士になるため1日1日を大切にしていきたいと思います。

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