東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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二度目の春

2021年05月20日 | その他

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に終わりが見えない中、2度目の春を迎えました。感染者数は何回か波のように高まっては減ってを繰り返しています。リハビリテーション医療もさまざまなフェースで新型コロナウイルス感染症患者に対応するようになってきていると思います。陽性患者を受け入れている急性期病院においては、急性期からの呼吸リハビリテーションの有用性が指摘されて、リハビリテーションスタッフがTVでよく見るような重装備をしてベッドサイドでリハビリテーションを行う病院もでてきました。回復期病院においては急性期から回復した患者の廃用に対する、一部では酸素療法を併用しながらの回復期リハビリテーションを行う病院もでてきました。昨年の春の何もかも手探り状態だったところからは少しずつ知見が集まってきているように思います。

 当院は、新型コロナウイルス感染症患者のうち軽症・中等症患者を呼吸器科が受け入れをしています。また、回復期リハビリテーション病棟での新型コロナウイルス感染症回復期患者の受け入れ体制も整えました。現在の有症状者の急性期病院の退院基準は、(1)発症日から10日以上経過し、かつ、症状軽快後72時間経過、(2)症状軽快後24時間経過した後、24時間以上間隔をあけ、2回のPCR検査で陰性を確認となっており、前者の基準を当てはめると必ずしもPCR検査で陰性が確認されなくても退院あるいは転院となりえます。そのような状況で転院となった場合、受け入れる側の回復期病院は、呼吸器感染症専門医がいるわけでもないため、受け入れに二の足を踏んでしまうケースも多いようです。入院病床の逼迫が言われていますが、そうした病院間の連携がもう少し円滑に進めばリハビリテーション医療も貢献できるのではないでしょうか。(もちろん地域によっては優れた連携が取れているとも聞き及びます。)

 さて、当院でリハビリテーション医療を継続して行うために以下の点に注意していることを昨年本ブログで紹介しました。
(1) 標準感染予防策の実施・徹底


(2) スタッフの健康観察の実施・徹底

(3) 3蜜(密閉・密集・密接)を避けるための対応(時間的・空間的ソーシャルディスタンスの確保)

(4) 患者さんへの来院時のお願い(発熱・体調不良時の休止)

(5) 外出・外泊訓練について(回数・移動先の制限)

以上のような対応で、幸いなことに新型コロナウイルス感染症の院内発生はありません。どれも基本的な事柄ですが、基本は事態の長期化でおろそかになりがちです。基本的な事柄に手を抜かず、不断の見直しをすることでこれからも安全なリハビリテーション医療を提供していきたいと思います。

 


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