広田さくら vs つぼ原人
【GAEA JAPAN】広田さくら vs つぼ原人 2003年2月11日 東京・後楽園ホール
「あっという間の3年間だった」-。大津市で市立中2年の男子生徒=当時(13)=が自殺してから11日で丸3年を迎え、男子生徒の父親(49)がこう振り返った。男子生徒に対するいじめの問題が発覚して以降、取り組みを続けてきた越直美市長は「3年が過ぎたが、事件のことや男子生徒の無念さを忘れてはならない」と、決意を新たにした。
大津市内で記者会見を開いた男子生徒の父親は、市が進めているいじめ防止に向けた取り組みを評価。第三者調査委員会による真相の究明や、独自のいじめ防止条例に基づく対策などの「大津モデル」を、「全国の自治体や教育委員会でも活用してほしい」と述べた。その一方、「大人からの表面だけの評価ではなく、実際にいじめに遭っている子供がどう感じているかを考えてほしい」と注文もつけ加えた。
また、越市長は定例記者会見の冒頭で、男子生徒の自殺に触れ、市長就任以来、いじめ問題に関わる中で、遺族や男子生徒の無念の思いが支えになっていたことを明かした。
さらに、いじめ問題の対策を推進するよう、遺族から託されたことを紹介。「この信頼を裏切らないよう、責任の重さを感じながら、いじめ対策を進めていきたい」と改めて決意を語った。
一方、市教委の小林典也学校教育課長は「あれから3年になるが、大津市の教員であれば、男子生徒の自殺を忘れることがあってはならない」と強調。今後のいじめ対策については、「さらに一歩を踏み出して前向きに取り組み、安全で安心な学校を作っていきたい」と話した