普及されてる液晶TVですが、仕組みが解らないと、
試験問題では引っかかる!?
サンドイッチのような構造
カラー液晶ディスプレイの構造は、それぞれの構成要素がサンドイッチのように層状になっています。
出入りする光をコントロールする。
電極部からの電気がほかの部分に漏れないようにする。
液晶ディスプレイを駆動するための電極。表示の妨げにならないよう透明度の高い材料を使う。
液晶の分子を一定方向に並べるための膜。
液晶物質をはさむ2枚のガラス基板に、均一なスペースを確保する。
RGBのそれぞれのフィルターをかけ、色を表示する。
ディスプレイの背後から光を当て、画面を明るくする。
モノクロ表示の液晶ディスプレイでは、これの代わりに「反射板」を使い、自然光で見えるようにしてあるものもある。
“蛾の目”が大画面テレビを進化させる、映り込みを抑えるシャープの「モスアイパネル」とは?
コントラスト性能の上がる光沢処理が主流になる中、頑なに低反射パネルを使ってきたシャープが動いた。大画面テレビの天敵ともいえる映り込みを抑えつつ、光沢処理並みの沈んだ黒を実現できるという。
モスアイとは、その名の通り“蛾の目”の構造を研究したネイチャーテクノロジーの1つで、今回はシャープと大日本印刷が開発した技術を採用している。その表面には約200ナノメートルピッチ(間隔)で、高さ200ナノメートルほどの透明な突起が無数に並んでいるらしい(もちろん見えません)。
「水面などを考えると分かりやすいが、光の反射は屈折率が急激に変わる“界面”で起こる。光の波長(380ナノメートル)より短い間隔で透明な突起が並んでいると、ゆるやかに反射率が変わっていくために反射しにくい」(シャープ)。
逆にいえば、外光を反射させずに無駄なく取り込める仕組みといえる。このため、蛾は夜中でも空を飛べるのだという。
液晶テレビの場合は、表面のガラスだけではなく、その奥にも液晶パネルなどの“界面”が存在するため、完全に外光反射を排除することはできない。しかし、表面だけをモスアイにしただけでも効果は歴然。展示機では、3等分した画面の右側に従来の低反射処理、中央にモスアイ、左側にグレア処理を施していたが、中央だけは映り込みが少なく、黒も沈んで見えた。映り込みはないが黒が締まらない右側、黒は沈み込んでいるが外の景色が映り込んでいる左側と比べると、違いは一目瞭然(りょうぜん)だろう。
ガラスケースの半分だけにモスアイ処理を施した展示では、中にあるグラスの見え方が違うことに加え、半分だけに自分の姿が映り込んで見えるのが面白い。なお、このケースはガラスの裏と表の両方にモスアイ処理を施し、効果をさらにアップしたもの。博物館や美術館での採用も期待される。
大画面テレビにとって、映り込みは画面を見にくくする最大の敵だ。他社がコントラスト性能重視でグレアパネルの採用を広げていく中、シャープだけは頑なに低反射パネルを使ってきた理由は、「テレビは視聴環境に依存しないようにするべき。明るい部屋でも安心して見られなければならない」から。そのため他社製品より不利に見られることも多かったのだが、映り込みが少なくコントラスト性能も高くなるモスアイパネルは大きな武器になりそうだ。