夜行寝台は朝、チェンマイに到着します。チェンマイ、ここを訪れるたびに私の脳裏には初恋の記憶にも似た甘酸っぱい記憶がよみがえります。
19歳の頃、初めての一人旅でタイを訪れた私は目的地への鉄道の切符も買えず、屋台で食事をする事もできず、当時、あまり英語も通じなかったバンコクで、打ちひしがれていました。そこに怪しげな客引きが現れ、チェンマイ行きのバスツアーに勧誘されました。不安だらけの私は、とにかく2泊3日は宿泊や食事が確保される事にすがりつきたい気持ちとなって、そのオファーに飛びついたのでした。
そのツアーはバンコク-チェンマイの長距離バスと宿泊、そして滞在中の各種オプションツアーが組み合わされていました。アジア各地のツアーにありがちなように、オプショナルツアーには必ずおみやげ物を買う時間がとられています。
ショッピングの時間、所在無げにしている私をチェンマイの現地ガイドがいつも気遣ってくれて、時々声をかけてくれたり、自分が食べていた果物を分けてくれたり、そんな体験が、それまで”意味もなくカッコをつけて、力んで、そして何もできなかった”私の気持ちを少しずつ開放していってくれたのでした。
チェンマイの過ごしやすい空気がすっかり気に入った私は、バスツアーが終わった後、しばらくバンコクで過ごしてから、今度は夜行列車で再びチェンマイを訪れたのでした。そのときにゲストハウスで出会った先輩旅行者達。彼らとの会話や旅する姿から私は多くの事を学ぶことができました。
あのときのチェンマイでの出会いと体験がなければ、私のその後の旅はなかったかもしれませんし、いま、こうして旅の仕事に関わっている事もなかったのかもしれません。
今回この旅に参加していただいた紅一点、I田さんがバンコクで、この企画はどういう経緯で思いついたのかを私に尋ねました。私の答えは”原点回帰”。ガイドブックやインターネットで情報を懸命に集めて頭でっかちな旅をする事を一旦止めて、ただ興味本位で身を運んでみるという意味での原点回帰であるのですが、チェンマイに到着する朝は、私個人にとっては特別な意味での原点回帰でもあるわけです。
3月のチェンマイは様々な花が咲くシーズンであるらしく、チェンマイ駅は美しく花で飾られて私達の到着を出迎えてくれました。
さて、いつまでも回想に浸っているわけにはいきません。前半戦はやる事が沢山あります。まず、チェンマイの宿探し。鉄道で来た時は駅にいる客引きから情報を聞き出します。最近は駅に客引き、あまりいなくなったようで、今回も1人しかいませんでした。話を聞いてみると部屋の料金は予算内。そのまま客引きの用意した車で市内へ向かいます。他の町のゲストハウスはだいたいいつも使うところが決まってきているのですが、チェンマイだけは選択肢が多い事もあって、毎回違った所に泊っています。私好みのゲストハウスと出会えていないというのもひとつの理由。今回のLibra Guest Houseは小奇麗でスタッフも良い人ばかりですが、やはり私の好みとは少し違った印象でした。チェンマイの宿選びの旅は今後も続くのであります。
部屋に荷物を下ろしたら、今度は明日からのバイクの確保。もう3回目ともなれば、行きつけのレンタルバイクショップができてしまいます。昨年11月には私の事を忘れていたソムチャイ氏も、今度は遠くから私の事を見つけて歓迎してくれました。
明日からのバイク3台、問題なく確保できたところで、ほぼ本日のやるべき事は終了。非常に順調な滑り出しです。
実はこの企画、毎回出発が土曜日に設定されている事に一つ理由があります。土曜の日本発でチェンマイ着は日曜日。日曜日、晴れていればチェンマイでは夕方からサンデーマーケットという盛大な市が立ちます。このマーケットは旅程に欠かせないと考えているのです。
レンタルバイクショップの隣ののレストランで昼食を食べながら、サンデーマーケットに向けて”サバイバルタイ語講座”を開催してみました。”これ幾らですか?”とか、”まけてよ”とか、そんな事をタイ語で何と言うかを説明する私、熱心にメモするI田さん、静かにシンハビールのグラスを口に運ぶT地さん。
サンデーマーケットが開くまではまだまだ時間があります。ドイステープへお寺参りに行く事にして、ミニバスを捕まえます。昨年に引き続き料金交渉でひと悶着あったものの、山頂へ。展望台から見下ろすチェンマイ市街は野焼きの煙で煙っておりました。
一旦、ゲストハウスに戻ってシャワーを浴びたり少し仮眠したりした後、いよいよサンデーマーケットへ。
こういった露店やバザールの雰囲気は独特です。チェンマイでは旧市街の北東部にソンペットマーケットという食料品市場があるのですが、こういうところでも、飽きもせず時間を過ごせます。それと比べれば、チェンマイのサンデーマーケットは食事もできますし、品物の種類も豊富。そしてものすごい数の人、人、人。
そんな中、昼食時のメモをポケットから取り出して、I田さんは熱心に料金交渉。T地さんは焼き鳥とビールを、私はビールとソムタム(パパイヤサラダ)を捜索です。男性の方が買い物より食べ物(というより飲み物か)なのは共通する性格なのでしょうか。
イチゴやリンチーといった果物で作ったワインを飲んで、少しほろ酔いでマーケットをさまよいます。セミやセミの幼虫を食べてみたり、不思議な店を見つけてみたり、不思議な品物を見つけて驚いたり感心したり、時の経つのも忘れますね。
【昨年の、メーサイの屋台も破壊力ありましたが、チェンマイにも登場。店名は”センマンスシ”串焼と書いてあるのに売っているのは怪しげな寿司、串焼という提灯の後ろには”たこ焼き”というノボリもあがっています。本日特売日というノボリもあがっています。】
サンデーマーケットの人ごみから逃れてゲストハウスへ戻る途中、お寺の縁日にぶつかりました。幼い頃の神社の縁日を思い出すような光景。射的に金魚すくい。少し眺めてから明日に備えて眠りについたのでした。
19歳の頃、初めての一人旅でタイを訪れた私は目的地への鉄道の切符も買えず、屋台で食事をする事もできず、当時、あまり英語も通じなかったバンコクで、打ちひしがれていました。そこに怪しげな客引きが現れ、チェンマイ行きのバスツアーに勧誘されました。不安だらけの私は、とにかく2泊3日は宿泊や食事が確保される事にすがりつきたい気持ちとなって、そのオファーに飛びついたのでした。
そのツアーはバンコク-チェンマイの長距離バスと宿泊、そして滞在中の各種オプションツアーが組み合わされていました。アジア各地のツアーにありがちなように、オプショナルツアーには必ずおみやげ物を買う時間がとられています。
ショッピングの時間、所在無げにしている私をチェンマイの現地ガイドがいつも気遣ってくれて、時々声をかけてくれたり、自分が食べていた果物を分けてくれたり、そんな体験が、それまで”意味もなくカッコをつけて、力んで、そして何もできなかった”私の気持ちを少しずつ開放していってくれたのでした。
チェンマイの過ごしやすい空気がすっかり気に入った私は、バスツアーが終わった後、しばらくバンコクで過ごしてから、今度は夜行列車で再びチェンマイを訪れたのでした。そのときにゲストハウスで出会った先輩旅行者達。彼らとの会話や旅する姿から私は多くの事を学ぶことができました。
あのときのチェンマイでの出会いと体験がなければ、私のその後の旅はなかったかもしれませんし、いま、こうして旅の仕事に関わっている事もなかったのかもしれません。
今回この旅に参加していただいた紅一点、I田さんがバンコクで、この企画はどういう経緯で思いついたのかを私に尋ねました。私の答えは”原点回帰”。ガイドブックやインターネットで情報を懸命に集めて頭でっかちな旅をする事を一旦止めて、ただ興味本位で身を運んでみるという意味での原点回帰であるのですが、チェンマイに到着する朝は、私個人にとっては特別な意味での原点回帰でもあるわけです。
3月のチェンマイは様々な花が咲くシーズンであるらしく、チェンマイ駅は美しく花で飾られて私達の到着を出迎えてくれました。
さて、いつまでも回想に浸っているわけにはいきません。前半戦はやる事が沢山あります。まず、チェンマイの宿探し。鉄道で来た時は駅にいる客引きから情報を聞き出します。最近は駅に客引き、あまりいなくなったようで、今回も1人しかいませんでした。話を聞いてみると部屋の料金は予算内。そのまま客引きの用意した車で市内へ向かいます。他の町のゲストハウスはだいたいいつも使うところが決まってきているのですが、チェンマイだけは選択肢が多い事もあって、毎回違った所に泊っています。私好みのゲストハウスと出会えていないというのもひとつの理由。今回のLibra Guest Houseは小奇麗でスタッフも良い人ばかりですが、やはり私の好みとは少し違った印象でした。チェンマイの宿選びの旅は今後も続くのであります。
部屋に荷物を下ろしたら、今度は明日からのバイクの確保。もう3回目ともなれば、行きつけのレンタルバイクショップができてしまいます。昨年11月には私の事を忘れていたソムチャイ氏も、今度は遠くから私の事を見つけて歓迎してくれました。
明日からのバイク3台、問題なく確保できたところで、ほぼ本日のやるべき事は終了。非常に順調な滑り出しです。
実はこの企画、毎回出発が土曜日に設定されている事に一つ理由があります。土曜の日本発でチェンマイ着は日曜日。日曜日、晴れていればチェンマイでは夕方からサンデーマーケットという盛大な市が立ちます。このマーケットは旅程に欠かせないと考えているのです。
レンタルバイクショップの隣ののレストランで昼食を食べながら、サンデーマーケットに向けて”サバイバルタイ語講座”を開催してみました。”これ幾らですか?”とか、”まけてよ”とか、そんな事をタイ語で何と言うかを説明する私、熱心にメモするI田さん、静かにシンハビールのグラスを口に運ぶT地さん。
サンデーマーケットが開くまではまだまだ時間があります。ドイステープへお寺参りに行く事にして、ミニバスを捕まえます。昨年に引き続き料金交渉でひと悶着あったものの、山頂へ。展望台から見下ろすチェンマイ市街は野焼きの煙で煙っておりました。
一旦、ゲストハウスに戻ってシャワーを浴びたり少し仮眠したりした後、いよいよサンデーマーケットへ。
こういった露店やバザールの雰囲気は独特です。チェンマイでは旧市街の北東部にソンペットマーケットという食料品市場があるのですが、こういうところでも、飽きもせず時間を過ごせます。それと比べれば、チェンマイのサンデーマーケットは食事もできますし、品物の種類も豊富。そしてものすごい数の人、人、人。
そんな中、昼食時のメモをポケットから取り出して、I田さんは熱心に料金交渉。T地さんは焼き鳥とビールを、私はビールとソムタム(パパイヤサラダ)を捜索です。男性の方が買い物より食べ物(というより飲み物か)なのは共通する性格なのでしょうか。
イチゴやリンチーといった果物で作ったワインを飲んで、少しほろ酔いでマーケットをさまよいます。セミやセミの幼虫を食べてみたり、不思議な店を見つけてみたり、不思議な品物を見つけて驚いたり感心したり、時の経つのも忘れますね。
【昨年の、メーサイの屋台も破壊力ありましたが、チェンマイにも登場。店名は”センマンスシ”串焼と書いてあるのに売っているのは怪しげな寿司、串焼という提灯の後ろには”たこ焼き”というノボリもあがっています。本日特売日というノボリもあがっています。】
サンデーマーケットの人ごみから逃れてゲストハウスへ戻る途中、お寺の縁日にぶつかりました。幼い頃の神社の縁日を思い出すような光景。射的に金魚すくい。少し眺めてから明日に備えて眠りについたのでした。
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