旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

アジアの人への”Omotenashi"

2016年08月19日 | 旅行一般
 タイをはじめとする東南アジアの国々の人達に観光査証を日本が免除したのは2013年の事だったようなのでもう4年を経過したことになります。2013年にスーパーカブで旅するタイ北部で渡航した際にはタイの各地で出会う人達が口々に”日本にビザが要らなくなったネ”と興奮気味に話しかけてきた事を思い出しますが、今では渡航中に”娘が昨年日本へ行ってきた”とか、”弟が日本へ行ってきた”という話が聞こえてくるようになりました。あるいは、”来年日本へ行く航空券を予約したんだ”といった話も耳にすることがあります。

 ビザ免除は確実に活用されている事を実感します。

 スーパーカブで旅するタイ北部をはじめとする本当の旅企画では、移動先で十分に時間がある事も多いですし、食事に出かける先も屋台や町の食堂なので、地元の人達に話しかけられる事も多々あります。昨年11月のスーパーカブで旅するタイ北部はロイクラトーン祭りと日程が重なっていた事もあって、地元のお祭りムードの酒盛りに毎晩のように加えてもらって楽しんだりしていたのですが、そんな時の会話にも、親戚や友人など身近な人が日本に行ったという話題を耳にする事が多くなりました。

 ”このまえ、私の姪が日本に行ったんだよ”そんな話が飛び出せば、話の流れ的に、日本の感想をたずねたくなるわけですが、実はここで良い反応があまり帰って来ないのです。

 ”日本はどうだったって?”
 尋ねた途端、この話題を持ちだしたことをむしろ後悔しているような、少し気まずい空気になることもあるのです。

 少し意外です。

 タイは日本人にとって意外と違和感の少ない国だと私は思いますし、一緒に旅したお客様たちの多くも同じ意見です。仏教を土壌にした文化の上に成り立っていることから人の感じ方などに共通点が多く、なんとなく人当たりが柔らかい点は日本と似ていると思っていたのですが、タイの人達からはそうは感じないようです。

 韓国や台湾との組み合わせで日本へ渡航した人からは、韓国の方がリラックスできたとか、台湾の方がリラックスできたという話を聞いたこともあります。理由を尋ねると、”日本は違いすぎる”と。まあ、タイ料理の値段に驚いたという話も必ず耳にしますが...。

 タイの人達は妙に正直なところがあるので、お世辞で”日本は素晴らしかった”とは言わない点は”日本と違う”と思いますが、それにしてもコンビニの商品のラベルには日本語が溢れ、ドラえもんが大好きで、味の素が大好きなタイの人達、きっと楽しみにして日本に来て、思いの外がっかりして帰っているのかもしれないと心配になりますね。

 日本に居る間もたまにタイの人達の反応が頭をよぎります。E&Gは東京の中心には無いので外国からの旅行者を見かけることはないので、あれこれ想像してみるしかありません。

 タイへ行く度に日本へ行った人の話を耳にし、そしてあまり嬉しい評価を耳にすることはなく、理由も見えない。そんなある日、ふと思ったのは、日本人の欧米人に対する態度とアジア人に対する態度の違い。

 一言で言ってしまえば、正直、日本人はどこかで”アジア人蔑視”してる事を感じることがないでしょうか。どこか上から目線。

 今のところ毎年増え続けている訪日旅行者。帰国してから周囲の人達に”日本にはぜひ行ったほうが良いよ”と言ってくれている人がどれだけいるのでしょうか。今まで渡航しづらかった行き先としての日本へはしばらくは渡航者が増え続けることでしょうが、いずれ相手にされない時が来るのではないかと少し心配になるのです。


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