旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

第5回スーパーカブでタイ第5日=ボーダー(国境)

2010年11月24日 | 旅の風景
目を覚まして部屋から出てみると、お客様のうちお二人は既にメコン川の朝の風景を眺めに散歩に出かけた様子です。着替えようと思ったのですが、昨日洗濯した服は全く乾いておらず、長ズボンを一着しか持っていない私にはズボンは濡れたまま履く以外に選択肢がありません。Tシャツは着替えがありますが、濡れたまま荷造りするか、着て乾かすか、数分悩んだ結果、着て乾かす事に決定。全身ずぶ濡れで座る場所も選ぶ必要がある状況。

 散歩に出かけていた方々が帰ってきたところで皆で朝食に出かけます。朝食の席で昨日先頭を走ったT君に今日も先頭を走るかどうか尋ねてみると、昨日すっかり慣れたようで、今日も先頭を走る事に決定。

 地図では判別しにくい、チェンコンを出る道の分岐を間違ってしまいましたが、あとはそれほど複雑な道でもありません。メコンに沿った道に出ると、分岐もなくなるので風景と運転に集中できるようになり、スーパーカブとはいえ、やはりバイク特有の運転中の奇妙で心地よい集中した感覚を味わうことが出来る事を改めて確認しながら走る事できました。

 今日の最初の目的地はチェンセンです。チェンコンからチェンセンは距離的にもあっという間ですが、チェンセンの手前に少しわかりにくい分岐があります。ここで先頭を走るT君は判断が付かず停車。すぐに村の人に声をかけて道を確認しています。昨日から考えれば格段に逞しくなったものです。吸収する早さはさすがに若さなのかもしれません。

 チェンセンのバザールでしばらく時間を過ごし、恒例の買い食いを楽しんだ後、ここからはルートは簡単ですが、停車場所が決断しにくいので先頭を交代。次の目的地、ゴールデントライアングルへ向かいます。これもあっという間の距離。ゴールデントライアングルのタイ側を一通り見て回った後、前回同様遊覧船に乗り込みます。雨期で水嵩がかなり増したメコン川は今年3月には河川敷だった場所もすべて川底になっていて、水流も早く若干の恐怖を感じます。まあ、ライフジャケットもある事ですし、”転覆したら、ベトナムあたりに流れ着くでしょうから、もう1か国入国できますね”などと適当な会話で気を紛らわせてみます。

 小舟は転覆することもなく、無事ラオス側のトンサオ島へ上陸。ラオスの入国税を支払って、一大土産物屋地帯を見て回ります。こちら、ラオス側は今年3月までとは打って変わって商売を覚えたらしく、いつの間にかトイレがタイ同様、有料化。品物の価格も軒並みタイ側の価格と一致していて、店の売り子達もやる気をみなぎらせています。とはいえ、特に真新しいものがあるわけでもないので、すぐに飽きてしまって船頭にタイ側へ戻してもらいます。

 船を降りるとちょうど昼時です。ゴールデントライアングルで昼食というのも、なんとなく観光地でカレーライスを食べるようなひねりの無い行動のようにも思えたので、少し空腹に耐えてもらって、もう少し先へ進んで屋台を探す事にしたのでした。

 ところが、走り始めてみると、メーサイへ向かう道路が工事中。幸い、本日は天気が良いので未舗装となっているのは問題ないのですが、道路の路肩に排水用と思われる溝が掘られていて、そのため道路際に今まであった屋台がすべてなくなってしまっています。屋台や食堂を探しながら、そして路面の悪さに気をつかいながら走っているうちにメーサイのすぐ手前まで来てしまいました。もう、メーサイで食事をした方が早そうです。

 メーサイに入ってガソリンを給油していると、お祭りのパレードがやってきました。山車を引っ張りながらのパレードがちょうどガソリンスタンドの出入り口をふさぐ形で止まってしまい、しばしお祭りを眺めます。

警官の誘導でガソリンスタンドから出してもらい、ゲストハウスへ。荷物を置いてから遅めの昼食。少し昼寝をしてから、ミャンマー国境を眺めに行き、日暮れとともに出店を始めた屋台の1軒で夕食。そのあとは、いくつかの屋台で少しずつ買い食いをして、飲み屋でしばらくビールを飲みます。

メニューを見せてもらうと、Archaという見知らぬビールが、圧倒的な安さで売られています。注文を取りに来た少年に聞いてみると、ミャンマーのビールだとのこと。Archaビールの存在に国境の町である事を実感しながらほろ酔い気分を楽しんでいると、またまた雨が降り始めました。小雨の中、少し千鳥足になりながらゲストハウスへ帰ってベッドに入ったのですが、その頃には雨は本降りになっていたのでした。


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