旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

旅の荷物=その2

2018年12月11日 | 旅行一般
 1か所に滞在する旅の場合を除いて、荷物は必ず行動の障害になってきます。前回触れたようにバッグの形態一つで行動が規制されてしまう事もありますし、荷物が多ければ乗り物も選ばなければなりません。

 そして、荷物が旅先での行動に制約をもたらすもう1つの側面は”荷造り”です。

 宿でバッグから必要な荷物を取り出したら、出かける際にはまたパッキングしなおさなければなりません。場合によっては移動中にバッグに入れたものの一つを取り出す必要がある事もあります。

 荷造りを容易にする一つの単純明快な解決方法は荷物を極力少なくする事です。詰めるものが少なければ再パッキングはすぐに済みますし、中身が少なければ旅先で忘れ物をすることも少なくなります。忘れ物チェックも容易です。

 荷物を少なくするための考え方などは過去にも触れた事がありますし、今後もまた折に触れて取り上げてみようと思います。今回はパッキングを容易にするもう一つの方法をご紹介したいと思います。これはおそらくバックパッカーからスーツケースで旅する方まで広く応用できるアイデアだと思います。

 例えば、私の場合。夜行便で移動する場合を除いて、基本的に毎朝髭をそります。つまり髭剃りのための持ち物は朝必ず必要な一方、朝一度必要なだけで、その後は翌日まで必要ありません。ですから、荷造りする際にはバッグの一番底に入っていてもかまわないわけです。一方、ファーストエイドキットは行動中に必要になる場合がほとんどなので、宿ではバッグから取り出す必要すらないにもかかわらず、パッキングする際には一番上になるように入れておきたい荷物です。

 私の荷物では髭剃りの道具を荷物の底に入れたいばかりに髭剃りが終わるまでパッキングが全く進まず、部屋に荷物を広げておく必要が発生するわけです。宿では必要のないファーストエイドキットも片付けるわけにいきません。

 翌朝、サクッと荷造りをして行動に移りたい場合、大きな足かせになりかねません。

 つまり、荷物の一つ一つはいつ、どこで必要になるかが違ってくるものだという事です。その事から導き出せる事は、いつどこで必要になるものなのかを考えてグループ分けにしておくことが荷物をうまく整理する第一歩であるという事です。

 私の場合、”着替え””洗面具””ファーストエイドキット””カメラと充電関係””文房具””地図類””雨具類””貴重品類”にグループ分けしています。そして、それぞれを小型のポーチやジッパーバッグなどに分けて収納しています。貴重品類は常に身に着けているので荷造りは必要ありません。荷造りする際にはまずかさばる着替え類をバッグの一番底に入れて、隙間に洗面具を押し込み、その上にファーストエイドキット、そしてその上にカメラ関係を入れて、文房具と地図は行動中も取り出せるようにバッグのサイドポケットに。雨具はバッグを開けなくても取り出せるようにトップポケットに入れています。別格はファーストエイドキットのうち、CPR用のマウスピースで、万が一これを使う時は一刻を争う状況なので単独でサイドポケットに入れています。

 私は朝夕歯磨きする習慣ですが、昼食後も歯磨きする方であれば、歯磨きセットは取り出しやすい所に入れておくのが良いでしょう。各自のライフスタイルでどのように分けるか変わってくると思いますが基本はいつ必要になるかで分けるのが良いと思います。

 ある程度の単位で小分けにしておけば、例えばファーストエイドキットなどは宿では必要ないので一時的バッグの一番下へ放り込んでおくという事もできます。安宿にはクローゼットなどない場合がほとんどなので、宿についたらバッグがクローゼット替わりです。使わない物はどんどんバッグに放り込んでおけば、いたずらに荷物が散らかることも防げます。荷造りする際にはバッグ内での順番を入れ替えるだけで荷造りは完成です。

 あまり細かく小分けにしすぎると今度は複雑になりすぎますし、大括りすぎると必要なものが取り出しづらくなってしまうので、そのあたりは経験に照らし合わせて少しずつ工夫と調整をしてみてください。


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