橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

冷蔵庫刷新事業・調味料仕分けで考えた日本経済とか    その1

2010-05-30 13:49:06 | 日々のつぶやき
普天間移設問題に対する政府の方針が発表された日のこと。
朝からテレビは、社民党が政権を離脱するのかどうかばかりを嬉しそうにつついていて、私はというと、官僚とメディアの半年がかりの執拗なる鳩山政権おとしいれ作戦によって、鳩山さんがとうとう辺野古移設を日米共同声明に入れるのかと思うと、もう情けなくて、国民の政治不信はさらに進むだろうなと脱力していた。

気分を変えたいな~と思って台所に行ったら、ふと「仕分け作業」でもやってみようかと思いついた。仕分けと言っても、冷蔵庫に眠る莫大な「調味料瓶の仕分け作業」だ。


<賞味期限切れゾンビーズ>

もう何年、冷蔵庫の抜本改革を怠っていただろうか。
長年の自堕落が祟って、冷蔵庫には瓶のラベルから目を背けたくなる(賞味期限が切れている)年季の入った調味料瓶がゴロゴロしている。ゴロゴロしてるなんて表現は甘いな。そうした調味料に占拠されてるといったほうがいい。他の食品はそうした調味料瓶の脇に差し込まれたり、上に乗っかったりしている始末だ。他人様に見られたら嫁に行けねえ(すでに嫁に行けない歴は長いが)。現在使用中の調味料4、5種類は、賞味期限の切れた膨大なゾンビたちに囲まれて、自らもゾンビとなる日が来ることに怯えているのだ。
どうか最後まで使って我を成仏させたまえ・・。
 しかし、一人暮らしの食卓では、賞味期限内に使い切る事はほとんどない。私の場合、仕事を辞める3月末までの最後の1年間、シフトの都合で、平日の夕食は全て職場で出るお弁当だったため、自炊することが本当に少なかった。
それに、賞味期限が切れて、新しいのを買ってきても、古いのを捨てるのをつい忘れてしまう。中身を瓶から出して、瓶を洗うのが面倒だからだ。それで、ただ奥に奥に追いやられてゆく。
そんなこんなでゾンビは増えに増え続け、近頃では、冷蔵庫を開けるたびにどよーんとした気分になっていた。
テレビを見てもどよーん、冷蔵庫開けてもどよーんだ。
せめて自分の努力で解決できる問題だけでも解決すべきだ!そう一念発起して冷蔵庫からありとあらゆる調味料を取り出し、仕分けにかけたのだった。

うち賞味期限切れの調味料の数はなんと39本!!!
よく冷蔵庫の中に入ってたよなあ・・・しみじみ。

この写真は、39本全部は映ってません。
最初は本数数えようと思ってなかったんです!


そこで改めて認識したのだが、調味料って美味しく食べられる期限である「賞味期限」は書いてあるけど、食用可能期限である「消費期限」というのは書かれてないのね。調べてみたら、消費期限というのは、だいたい5日程度で劣化する長期保存できない食品の食用可能期限のこと。開封さえしなければ長期に保存できる調味料類には書かれていないのだ。
でも、最も問題なのは、調味料に書かれている賞味期限って開封していない場合の賞味期限だけだということだ(つうか、これが冷蔵庫に調味料ゾンビが貯まって行く原因にもなっているのだが、)。一旦開封してしまった場合は、「冷蔵庫に保管してお早めにお使いください」としか書いていない。この「お早めに」っていうのが、どの位を指すのかが最も知りたい事なんだよーーー。
でも、分かんないもんだから、これまでの知識を総動員して考える。酢は腐らないから、ドレッシングって結構大丈夫なんじゃない?とか、塩や砂糖が結構入ってて煮詰めてあるソースってのもかなり平気なんじゃない?とか、でも、乳製品の入ってるドレッシングはヤバそう、え?でもマヨネーズは腐んないよねとか。で、実際に、どろソースなんて開封したまま賞味期限を1年以上過ぎたやつを使ったことあるけど、お腹壊したりはしなかった。そんな経験もあるもんだから、半分以上中身が残ってる調味料はなかなか捨てる踏ん切りがつかなくて、とはいえ、やっぱり使う度胸もなくて(たま~には使ったけど)、もうだめなのかな?どうかな?と日々考えるだけで、今日に至ってしまったのだ。そして、ゾンビは39本にも増えてしまった。

しつこいようだけど、賞味期限の話をもう少しする。
そもそも私は開封後も「開封前賞味期限」を基準に考えていた。
一応、某調味料会社のホームページを見てみたところ、使い切りの目安はドレッシングなら開封後1ヶ月、マヨネーズも1ヶ月。味噌系のペースト状の調味料に関しては、メーカーHPには記載がなかった。
ネット上では、以下のようなページも存在してだいたいの目安を掲載している。

『開封後の「食べ物」賞味期限ナビ』というサイト

しかし、私の持っているゾンビたちは当然のごとく、上記のHPに書かれた期限を大幅に過ぎているもの揃いだし、開封前賞味期限をも大幅に過ぎているものも多い。
例えばペースト状のものなら開封前賞味期限って年単位だ。私は開封後もそれにのっとって、年単位で保存していたし、使ってた。そしてお腹壊した事はない。開封前期限を過ぎて使った事もあるが、大丈夫だ。
年単位の賞味期限が付く味噌系のペースト状の調味料は、発酵食品だし、多分開封後も冷暗所においとけば、実際大丈夫なんだろう。
昔の人は賞味期限なんかに頼らず、野生の勘と生活の知恵で判断してたのだ。
(とはいえ、賞味期限を過ぎて使う事はお勧めはしません)。

そんなことを考えながら、調味料瓶一つ一つから、残りの調味料を出しては捨て、瓶を一つ一つ洗った。


<中身はいつ腐る?>

中身を出しながら、ふと気付いたのは、賞味期限を2年も3年も過ぎているのに、中には5年も6年も経っているものがあるにもかかわらず、カビが生えたものはなかったし、腐った匂いなどは全くしなかった事だ。
これって防腐剤の力なのだろうか。だとしたらちょっと怖いが、もしかして調味料ってこういうもんなのだろうか?
だからといって、買ってから3年も4年もたったものを食べる勇気はない。

こうして大量のゾンビを片付けながら、またまた、ふと気付いた。
なんで私は、目の前の調味料がまだ食えるか食えないかということをこんなにごちゃごちゃ考えてんだろ、ということだ。よーく考えてみたら、そんな古いもの無理して使う事もないのだよな。すぐ捨てちゃえという意味ではなく、一人暮らしならマヨネーズは小さいの買ってくればいいし、ドレッシングにしても、自炊をしてこまめに使ってれば、そんなにゾンビ化するはずはないのだ。サラダ作るの面倒ならきゅうり1本切っただけでもいいし、使い道はある。ゾンビが発生するのは、そのちょっとした手間を厭うているだけなのだ。
その手間を厭うた分がどこに行ってるかというと、コンビニや外食産業にお金として落ちている。そして、調味料に投下した資金は無駄になる。
今の日本経済、GDPはこうした無駄に支えられてるのかもしれない。無駄をやめたら経済規模が小さくなるのかも・・・。
いやいや、今の日本は無駄をやめて、その分、本当に必要とされる新しい産業を生み出さねばならない時期に来ているのだと思う。なのにそれを厭うているから、衰退し始めてるんだよな・・・。

賞味期限過ぎて5年も経ってるのに、まったく変な匂いもしない、ぱっと見大丈夫だとしか思えない調味料群は、まるで日本の重厚長大産業のようにも思える。何を使って寿命を延ばしているのだろうか、早く刷新した方がいいのに・・・。
ゾンビ調味料をまだ使えるかどうかぐちゃぐちゃ考えていた私は、まるで日本のゾンビ経済を無理矢理長らえさせようとしてる人と変わらないのかもしれない。「もったいない」と言う前に、無駄にならない方法を遂行すべきなのだ。
なんて、考えてたら、瓶を洗う手元にも、思わず力が入った。
が、いろいろ考えてた分、作業時間が倍かかってしまった。

>>>その2「分別リサイクル作業編」に続く
世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか
野口 悠紀雄
ダイヤモンド社

このアイテムの詳細を見る

賞味期限がわかる本―冷蔵庫の中の「まだ食べられる?」を完全解決!

宝島社

このアイテムの詳細を見る

食品のカラクリ9 賞味期限のヒミツ-食べ物の「寿命」を知る (別冊宝島 1491 ノンフィクション)

宝島社

このアイテムの詳細を見る


最新の画像もっと見る

コメントを投稿