八(はち)に拘るエコグリーン石井光暢のブログ

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貧困とエネルギー

2006年12月13日 | My mind
今回はちょっと真面目に。

サトウキビや大麦、トウモロコシなどの植物資源からエタノール(以下バイオエタノールといいます)を作りガソリンに代わるエネルギー源として普及させようという動きが世界中で高まっています。何日か前も日本経済新聞にバイオエタノール最大の生産国であるブラジルが、日本にバイオエタノールの輸出を決めたと掲載されていました。

この流れを加速させているのは色んな理由があるのですが、一番にあげられるのはやはり地球温暖化の問題が大きいようです。化石燃料であるガソリンに比べ硫黄酸化物(SOx)の排出がゼロ、一酸化炭素・炭化水素(すすや黒煙)が少ないなどの特徴があるからです。尚且つ、バイオエタノールにはカーボンニュートラルが適用され二酸化炭素(CO2)の発生はゼロ(これにはカラクリがあるのですが、今回は説明を省略させていただきます)とカウントされます。

ここまでのお話ですといいことばかりのバイオエタノールですが、私は「ちょっと待った」と言いたいのです。

世界では飢餓のために子供が3秒に1人死んでいるとの統計もあるように、貧困からくる食糧不足はオール人類で捉えたら大変重要な問題なのです。

もし、世界の人口が100人で世界の食糧全体を100㎏としたら、15人の人で80㎏の食糧を消費し、85人で20㎏の食糧を分け合っているそうです。そして15人の人々は80㎏の食糧の相当量を食べ残し捨てているという現実があります。

そんな現実があるにもかかわらず、食糧として利用できる穀物をエネルギー利用するというのはいかがなものでしょう。

地球温暖化、脱化石燃料は人類にとって死活問題であるのは私も同じ認識ですし、既に事業としてやられている方もいらっしゃいますので、専門でない私があまり偉そうなことは書けないのですが、「食べられるものまで燃料に」というのは是正すべきではないでしょうか。ホンダがサトウキビ(だったと思います)の非食用部を使ってエタノールを作る実験に成功したという記事を何ヶ月か前に読みましたが、今後はそのような流れ、世論、風潮を形成していく必要があると個人的には感じています。

そんな私も車を所有し、ガソリンを使っているのですが。

画像は先般ドイツにいったときのものですが、ドイツという国は路面電車が非常に活躍していて、日本では考えられないのですが路面電車の線路がどんどん延伸しています。路面電車1台は乗用車8台分のスペースと同じらしいのですが、乗車可能な人数は乗用車8台とは比べ物にならないし環境負荷も段違いというキャッチコピーが路面電車の乗り場に掲示してありました。

究極はエネルギーを転換することではなく、エネルギーを使わないことですね。