「脱原発」「卒原発」論を唱える国会議員への反駁シリーズ続編となるとは思いますが、まあとにかく、このままの感情論が優先する「脱原発」「卒原発」論が平気で、さも正当な政策のように街頭で語られる不毛な選挙戦を終焉させたいので、以下の記事を紹介したいと思います。
これは昨年3月の東日本大震災を受けて、「新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた論点整理」とされる平成23年12月20日に、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会が作成した資料となります。
まず一部を抜粋します。
**************
(中略)
① 需要家の行動様式や社会インフラの変革をも視野に入れ、省エネルギー・節
電対策を抜本的に強化すること
② 再生可能エネルギーの開発・利用を最大限加速化させること
③ 天然ガスシフトを始め、環境負荷に最大限配慮しながら、化石燃料を有効活用すること(化石燃料のクリーン利用)
④ 原子力発電への依存度をできる限り低減させること
(中略)
一方で、原子力政策は抜本的見直しが必要であるものの、エネルギー安全保障の観点並びに原子力平和利用国としての国際的責任を果たすための技術基盤と専門人材の維持、さらには技術とともに進化してきた人類としての文明史的自覚の観点から、我が国の安全にも直結する他国での原子力発電の安全性確保に貢献するためにもやはり戦略的判断として一定比重維持すべきという意見も少なからず出された。
資源小国の日本としてエネルギーの選択肢を安易に放棄してよいのかという問題提起もあった。
さらに原子力発電への依存度については、「上記の①、②及び③の可能性を最大限検証した上で決めるべき」といった意見が少なくなかったが、「まずは④の原子力発電の依存度低減のあり方から考えるべき」という主張もあった。
加えて、「社会的費用を算定し、事業者が負担する仕組みを作った上で事業者の判断に委ねるべき」、「安全性確保についての対策とこれを前提としたリスク評価と国民の信頼回復にかかっている」、「安全規制等の進捗を見極めるべきで、性急にどちらかの結論を出す必要はない」といった意見も出た。
この他、核燃料サイクルについては、度重なるトラブルや計画変更、コスト拡大、未だに決まっていない高レベル放射性廃棄物の最終処分地といった実態を直視し、サイクル路線は放棄すべきとの意見が出た一方で、ウラン資源の有効活用、廃棄物の削減効果、世界の技術や核セキュリティ等への貢献の観点から、核燃料サイクルは推進すべきとの意見も出た。
**************
とあります。
極めて有意義で現実的な意見がそろっているのではないでしょうか?
この平成23年12月20日に、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会での議論を踏まえた時に、いかに現在の総選挙での各政党の政策が、感情的な「脱原発」「卒原発」論であるかがわかります。
こういう過去にあった冷静な論点がまったく整理されないまま、政局的に追いこまれた野田首相が衆院解散そして、今回の総選挙になだれ込んだ責任は極めて重いと言わざるを得ません。ぜひ御参考にどうぞ!
【関連資料】
新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた論点整理
http://www.meti.go.jp/press/2011/12/20111220012/20111220012-2.pdf
これは昨年3月の東日本大震災を受けて、「新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた論点整理」とされる平成23年12月20日に、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会が作成した資料となります。
まず一部を抜粋します。
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(中略)
① 需要家の行動様式や社会インフラの変革をも視野に入れ、省エネルギー・節
電対策を抜本的に強化すること
② 再生可能エネルギーの開発・利用を最大限加速化させること
③ 天然ガスシフトを始め、環境負荷に最大限配慮しながら、化石燃料を有効活用すること(化石燃料のクリーン利用)
④ 原子力発電への依存度をできる限り低減させること
(中略)
一方で、原子力政策は抜本的見直しが必要であるものの、エネルギー安全保障の観点並びに原子力平和利用国としての国際的責任を果たすための技術基盤と専門人材の維持、さらには技術とともに進化してきた人類としての文明史的自覚の観点から、我が国の安全にも直結する他国での原子力発電の安全性確保に貢献するためにもやはり戦略的判断として一定比重維持すべきという意見も少なからず出された。
資源小国の日本としてエネルギーの選択肢を安易に放棄してよいのかという問題提起もあった。
さらに原子力発電への依存度については、「上記の①、②及び③の可能性を最大限検証した上で決めるべき」といった意見が少なくなかったが、「まずは④の原子力発電の依存度低減のあり方から考えるべき」という主張もあった。
加えて、「社会的費用を算定し、事業者が負担する仕組みを作った上で事業者の判断に委ねるべき」、「安全性確保についての対策とこれを前提としたリスク評価と国民の信頼回復にかかっている」、「安全規制等の進捗を見極めるべきで、性急にどちらかの結論を出す必要はない」といった意見も出た。
この他、核燃料サイクルについては、度重なるトラブルや計画変更、コスト拡大、未だに決まっていない高レベル放射性廃棄物の最終処分地といった実態を直視し、サイクル路線は放棄すべきとの意見が出た一方で、ウラン資源の有効活用、廃棄物の削減効果、世界の技術や核セキュリティ等への貢献の観点から、核燃料サイクルは推進すべきとの意見も出た。
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とあります。
極めて有意義で現実的な意見がそろっているのではないでしょうか?
この平成23年12月20日に、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会での議論を踏まえた時に、いかに現在の総選挙での各政党の政策が、感情的な「脱原発」「卒原発」論であるかがわかります。
こういう過去にあった冷静な論点がまったく整理されないまま、政局的に追いこまれた野田首相が衆院解散そして、今回の総選挙になだれ込んだ責任は極めて重いと言わざるを得ません。ぜひ御参考にどうぞ!
【関連資料】
新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた論点整理
http://www.meti.go.jp/press/2011/12/20111220012/20111220012-2.pdf