ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

手術を希望される方はこちらをご覧ください。

医療相談、ご質問にはお答えしませんのでご了承ください。

おすすめの本はこちら?ブックス・ラパロスコピスト

a lady's hand

2005-10-29 | 腹腔鏡
a lady's handは貴婦人のような繊細な手をもつということである。たぶん、単に器用なという意味ではなさそうだ。おおざっぱで雑なという意味ではなく、丁寧で細かな手術操作ということだろう。腹腔鏡下手術では鉗子を通してしか手術操作ができないので、開腹手術よりもおおざっぱな手術操作しかできない人が多い。パワーソースに頼りすぎて他臓器損傷を引き起こす場合もある。しかし、腹腔鏡では拡大して見ることができるので逆に開腹手術よりもはるかに細かい手術操作ができるのだ。

何故、多くの術者にはそれができないのだろうか?何が必要なのか?

たぶん意志だと思う。より安全で美しい手術をしたいという気持ちがあるかどうかが大事だ。はじめは不器用かもしれないがそういう意欲を持って手術を続け、術者を目指すうちにlady's handは身に付いてくるものだと思う。

次に、身体の柔らかさを身につけること。必要以上に硬直した身体ではよい手術はできない。腹腔鏡の場合、なおさらだ。いかに身体をゆるめるかが大事ではないかと思う。腹腔鏡下手術は開腹手術より時間がかかるし難易度もはるかに高いので、ガチガチの身体では緊張が続かないし細かな手術操作ができなくなる。

a lady's handとは繊細なだけではない、強い意志と柔らかさがその繊細さを支えている。
コメント
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