私が謝礼についての記事を書いてから、かなり反響があったようで、感謝のコメントもいただき、ありがとうございます。
しかしながら、一つ忘れていただきたくないことがあります。
手術は一人でできるものではありません。手術室内では、術者の他、助手、麻酔科医、直接介助と間接介助の看護師が一人ずつ(手術が長くなれば交代も必要)、の少なくとも5名が手術に携わっています。
また、術前に合併症が見つかった場合には内科へコンサルトしますし、直腸や膀胱、尿管の子宮内膜症では外科や泌尿器科、皮膚の子宮内膜症では形成外科の医師も加わり、婦人科の診療は他科の医師にも支えられています。
もちろん、それだけではなく、病棟や外来の看護師、臨床検査技師、放射線技師、薬剤師、事務や受付の職員など、病院のスタッフに支えられて、やっと業務を遂行することができます。(なかには、自分一人が偉いとか、頑張っているとか思っている医師もいるかもしれませんが)
ですから、、、
私に感謝する暇があったら、まずは、
大阪中央病院に向かって毎晩拝んでください。(はぁ?)
それから、
大阪中央病院に足を向けて眠らないように。(なんやて・・・?)
(非常に稀ではありますが、看護師や事務員に向かって大変横柄な態度をとっている方もいらっしゃるようです。うちの職員が燃え尽きてしまったら困りますので、お行儀よくお願いいたします。)
それでも足りませんよ。過去に内視鏡を開発、発展させてきた人々。腹腔鏡システムや鉗子、手術器具などの医療機器メーカーや卸売業者、製薬会社の人々。当院に電気を供給している関西電力。うちの職員の通勤の足となっている鉄道会社などなど。こんなことを言っていたらキリがありませんが、高度な手術も社会によって支えられているのではないでしょうか。
(もし、私が江戸時代にタイムスリップしても、南方仁先生のようには活躍できません。腹腔鏡システムがなければ、ただのおっさんです。)
そうやって、感謝の連鎖が広がれば、世の中もっと住みやすくなるかもしれないよね。