ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩するのか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

手術を希望される方はこちらをご覧ください。

医療相談、ご質問にはお答えしませんのでご了承ください。

おすすめの本はこちら?ブックス・ラパロスコピスト

an eagle's eye

2005-10-27 | 腹腔鏡
eagle's eyeは鋭い観察眼のことである。腹腔鏡の場合は画面に映る情報が全てである。術者は、助手にスコープを近づけてさせて拡大視したり、離させて全体視しながら手術を進めていく。このとき、慣れない助手は画面全体を見ていることはない。中央しか見ていないのだ。(中には何がなんやらわかっていないのもいるが)画面の端で起こっていることには気が付いていないことが多い。せっかく腹腔鏡を使うのなら画面に映る情報は最大限利用したものだ。

画面に映るものが全てではない。画面に映らないところで何かトラブルが起こっていることだってあるのだ。たとえば、婦人科の腹腔鏡下手術では骨盤高位にするので出血が多いときには、上腹部に血液が貯まっていることがある。(上腹部が低くなるので血液が貯まり、放置しておけば術後の発熱の原因になる。)吸引をくり返すと知らないうちに結構出血していることもある。(一番まずいのはモニター画面に映らないところで出血していたりすることだ)術者はその時点での術中出血量を推測できていなければならない。

画面を見ながら、画面に映らないところの情報にも気を使いながらオペを進める。イマジネーションあふれる手術とはそういうものではないかと思う。
コメント
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