演芸見ブんログ

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09/07/18 第81回上原寄席・夏の例会(上原敬老館)

2009-07-18 | 講談会・落語会
一龍斎貞鏡…『源平盛衰記 -扇の的-』

桂文ぶん…『東北の宿』

大空遊平・かほり…「漫才」

《お仲入り》

入船亭扇橋…『茄子娘』


寄席仲間のSさんから教えていただいた「上原寄席」。
28周年・81回という由緒ある寄席のようで、そのような場に貞鏡さんが出演とあっては、是が非でも行っておきたいところ。
ところが、ポスターには“会員募集”とか“会費”という文字が!?
当日行って入場できるのか、半信半疑のまま代々木上原へ。
結論から言えば、住所と名前を書くだけで入場OKでした。
会場は舞台がある大広間。
前方が座布団、後方に椅子席と、お年寄りに優しい造りで、舞台上には「上・原・寄・席」という提灯まで飾られている趣のある会場です。
世話人の方の挨拶の後は貞鏡さん。
この「上原寄席」には初出演ですが、過去のネタ帳を見ていたら第2回の「上原寄席」に師匠である貞山先生が出演されたとのこと!
しかも自分が生まれる2年前ということで、かなり驚き、感激していた様子でした!
年季の入った釈台には貞山先生と貞水先生の千社札が貼られており、この前の「80回例会」では、松鯉先生がこの釈台で『名医と名優』を読んだようです。
さて、涼しげな着物の貞鏡さん。
初の場所、満員の観客を前にしても臆することなく、おなじみの『扇の的』をたっぷりと読み、万来の拍手が送られていました。

文ぶんさん
来春の真打昇進が決まったことを報告。
ちょっと長めのマクラから新作落語の『東北の宿』へ。
「こんな温泉宿には泊まりたくない」というのがコンセプトのようですが、もう少しキレがあると良いのになぁ…と感じた一席でした。

遊平・かほり先生
“夫婦漫才”はちょいと苦手なアタシ。
寄席で10分ほどなら良いのですが、20分はキツかった・・・。

扇橋師匠
子供のころ、近所の図書館で扇橋師匠の落語のレコードを借りては、良く聴いていたものです。それほどに傾倒していた扇橋師匠が目の前に!
幼少時代の話、俳句の話などとにかくマクラが長い、長い。
ただそれも奇を衒っているわけではなく、ただ飄々と色々な方向に話が飛ぶので、「今、聞いた!」という話題が2度、3度…。
確か8時半前に高座に上がったと思うのですが、時計を見たら9時を過ぎてもまだマクラ。
世話人の方もヤキモキしている中、扇橋師匠は悠然と話を続け、ようやく『茄子娘』に入りました。
芸協では栄馬師匠や夏丸さんで何度も聴いた噺ですが、やはり“大本(おおもと)”とも言える扇橋師匠で聴くとまた格別!
蒸し暑さの残る夏の夜に、涼しさを呼び込むような高座でした!