今日、他大学の友達が、僕の大学を訪れてくれたんですが、第一声が「人多いね~」
うちの大学は春学期が始まってから全面対面授業をやってくれているのですが、どうやらほかの大学は必ずしもそうでもないみたいですね。
対面の授業が再開されて、改めて対面の良さを実感しています。
対面の方が学ぶことが多いというのももちろんそうだけれども、友達と駄弁ったりすることで、とても精神的に健康になれる感じがします笑
さて、今日は倍数性カンキツの話です。
このテーマは何回も取り上げているのですが、今まで漠然と感じていた"倍数性カンキツって成長が悪い"という印象を裏付ける論文を見つけたので、うちにある倍数性カンキツの様子を少し紹介しつつ、その論文に書いてあったことを紹介できたらと思っています。(とはいっても、1981年に発行された超古い論文です笑)
さて、今うちには倍数性カンキツと思われる苗が二つあります。
(昔あった苗は留学している間に枯れました笑)
一つは、ブンタンの小粒種子から発芽したもの、もう一つはメロゴールドから発芽したものです。
それぞれ、去年の冬に採種したもので、春にカラタチに寄せ接ぎをし、ちょうど一年目を迎えました。
まず、ブンタン小粒種子から得たものがこちら↓
ちょうど葉が三枚展開したときに接ぎ木をしたのですが、そこからいかに急速に成長したかがこの写真からよくわかります。
吸水能力が若干低いのか、かなりの頻度でしおれるので、寄せ接ぎした苗の根はまだ地面につないでいます。
枝にはところどころしわが見られます。どうも吸水能力が低い気がしてなりません
葉の色はかなり濃い目。この写真の葉は少し面白くて、カラタチのように一つの葉から三枚の葉が出ています。
ブンタンの全体像はこんな感じ。結局寄せ接ぎをして一回伸びたっきり、伸長せずに現在に至ります。
そして、メロゴールドの苗がこっち↓
わかりやすいですね笑
寄せ接ぎをした後、なかなか伸びずにいたのですが、2枚だけ伸長しました。
2枚目はかなりのビックサイズ。倍数性カンキツらしい姿をしています。
この二つが今うちにある倍数性カンキツです.
正確には、倍数性の調査はしていないので、絶対とは言えませんが、葉の感じなどから高い確率で倍数性カンキツだと思っています。
注目すべきは、この成長の遅さです。
寄せ接ぎをしたにもかかわらず、一年でこれだけしか伸びていません。
これまでも、発芽した倍数性カンキツの伸長が途中で止まるという現象は何回か確認していて、おそらく倍数性カンキツは成長が鈍るのだと思っていましたが、確かに先日読んだ論文にそのような趣旨のことが書いてありました。
タイトルは「寄せ接ぎによるカンキツ類の実生及び茎頂接ぎ木苗の成長促進」。
倍数性カンキツや、ウイルスフリー化させた苗への寄せ接ぎ/茎頂接ぎ木の効果を調べた論文です。そこに「カンキツ類の4倍体実生樹は2倍体実生樹に比べ根が粗大で少なく、生育が傲慢で、着花、結実までの期間が長い」とありました。どうやら倍数性カンキツの生育は確かに鈍いようです。
カンキツの台木としては、カラタチ以外にも、矮性カラタチの飛龍や、樹勢の強いレモン、シークワーサーが知られています。カラタチに寄せ接ぎしてもこの程度ですので、倍数性の可能性がある苗に関しては、より樹勢の強いレモンやシークワーサーなどの苗を台木として寄せ接ぎした方がいいのかもしれませんね。