岩手日報(7月4日)に、介護施設におけるセミナーの内容が掲載されました。
・なぜ、生活から死が隠されるようになってしまったか?
・それによって、死への準備や、死に直面した時の心情はどのように変わってきたか?
・国はこれから病院のベッド数を15万も減らすというが、それによって地域や施設はどうなるか?
・年間130万人が死にゆく多死社会で、死に対する考え方を今後どのように捉えていくか?
・臨床宗教的には「あの世の存在」を肯定したほうが、死に逝く人も、生きる人も安らかになれるのではないか?
・震災で突然大切な人を亡くした場合、あの人は今どうしているかと聞かれたらどのように答えるか?
・民族宗教や民間信仰が、突然の死に対し、心を穏やかにしてくれる(グリーフケア的効果)場合がある。
・仏教のあの世の世界が、今を生きることに役立つのではないか?
・死は異常な現象、わからない世界、非日常だろうか(医学的死と仏教的死)
・世界的に確認されているお迎え現象は、安らかな死を迎える導きである。
・ビハーラ(仏教的ホスピス)の大切さ。死を前提にした、穏やかな医療と宗教的看取り。
これらが、震災後、感じたり考えていることです。
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宗教者が、これらの問題に係わる一番大きな点は「あの世」のことです。
この分野は、医療や精神科医なども踏み込めない領域でしょう。
この方々があの世のことを説いたら、霊能者かオカルトになってしまいますので(笑)
死後の仏教の世界観があることで、日本人は昔から悲しみ苦しみを乗り越え、深く豊かな生活を築き上げてきました。
臨床宗教師は宗旨宗派にとらわれず、布教もしません。
ですから、公共の施設や病院などの受け入れも可能なのです。
そして、臨床宗教と組み合わせると良いと思うのが「マインドフルネス」です。
もともとはブッダの瞑想法から発達したものですが、宗教色を取り去っていますので、
企業教育や学校教育、精神医療にも活用されています。
マインドフルネスを実践すると、ストレスを低減し、穏やかになります。
そして、心の奥の何か尊いもの、暖かなエネルギーのようなものが感じられるようになります。
私はマインドフルネスを、座禅とヨーガを取り入れながらエクササイズしていきます。
実は一番ストレスを貯めこんでいるのは、介護の職員さんであったり、震災に係わる
自治体の職員であったりします。
そのような方々に、マインドフスネスを体験して頂きたいと思っています。