桜和尚ブログ

下記に引越しました
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◆震災ストレスを乗り越えるマインドフルネスセミナー

2015年12月12日 | マインドフルネス

石巻でマインドフルネスセミナーを開催しました。

講師の藤田老師は野口整体や鍼灸、合気道・古武道・気功や骨格・筋肉など

あらゆる人間の心と体に精通している方です。

写真は相手の肩と手に触れることによって、こちら側の暖かさや感情を伝え、身体をほぐしリラックスさせるものです。

「手当する」の言葉通り、患部に手を当て癒していくことにつながります。

割り箸を奥歯に挟むワークでは、顔の内側の筋肉(インナーマッスル)の緊張をゆるめ、結果的にたるんだ表面の顎の筋肉が引き締まる効果も。

確かに、右と左では目で見てわかるほどの変化がありました。

高価な化粧品を塗るよりも、たるんだ肌をシェイプアップできるので、参加の中高年の女性に好評のワークでした。

最後に、ゆっくりゆったり座るマインドフルネスを輪になって体験。

身体を整え、呼吸を整えることは坐禅と同じことのようです。

いま、ここを、意識的に、好意を持って注意を傾けることがマインドフルネスの基本。

それによって、過去の不安や未来の憂いがなくなり、クリアな今という一点が浮かび上がってきます。

1時間半の内容でしたが、あっという間で、まだまだ時間が足りないほどに感じられました。

本当に充実した濃い時間でした。

また先生には石巻に来ていただき、被災地のストレスで悩んでいる方に「ホットなケア」を伝授していただければと思います。

 

 


◆鎮魂の桜の森で一泊プチ修行「生と死の体験」

2015年10月10日 | マインドフルネス

    

 

東京のGCストーリー㈱の皆さん6名が、1泊で石巻観音寺(桜の森)にプチ修行(マインドフルネスリトリート)に来ていただきました。

社長の西坂さんとは臨床宗教師でご縁があり、社員の皆さんで「一度来てみませんか」と、私からお誘いしたのがきっかけで実現しました。

慌ただしい都会の喧騒から脱出し、自然の中でストレスフリーになって、普段見えない聞こえない何かに気付き、感じてほしいと思いました。

お寺の生活やマインドフルネスの体験は、きっと仕事や普段の生活にも役に立つのではないかと・・・。

また、この場所は「生と死」をコンセプトとして森づくりを進めていることもあって、死の体験旅行もワークに取り入れました。

以下は、参加者の方々の感想です。


gCストーリー株式会社 高沖さんの感想

今回の旅を受けて、マインドフルネスとは、意識を向ける・集中させることによって、普段認識できていない領域を知覚する・自覚することと理解しました。

何かを新たに生み出すのではなく、既にあるものがあることに気づくことで豊かになることがある、そんな風に感じました。 それは日常の、例えば都会での生活でも同じで、意識を高めることで普段聞こえていない“音”や“声”が聞こえたり、感じていなかったものが感じられたりするのかなと思っています。

東京に戻ってからも、ご飯の際には一口ひとくち、一品いっぴんを噛み締めていただくようにしています。 同時に、人によっては感覚を掴みにくいのではないかと感じました。 例えば、30秒間は味わい続ける、というようなガイドをしてあげると、回数や噛むことそのものに気を取られずに味わうことに集中できるのではないかと思いました。

また、マインドフルネスの実践以外のところでも大変良い経験ができました。 特に印象深かったのが、田園風景を眺めながらの瞑想でした。 日本の美しさを再認識しながら、その感動のうちに心を解放することができました。 (内観よりも、自然とひとつになっていくような、自分が空っぽになる感覚でした)

2日目の朝ご飯も、檀家さんに振る舞っていただいたことで体験の価値が上がりました。 当たり前にある人と人とのつながりを実感できることが重要だと思いますので、その点をもっと強調してもいいように感じました。 (進んでお宅を訪問させていただく、朝ごはんをご用意いただく、という助け合い・お互い様の精神が根底にある) お寺という場の力も大きいと思いますので、死の体験旅行など、より場所を活かした形にしてきけば、よりコンテンツとして魅力のあるものになると思います。 可能ならば、例えば仏様の前で円座したり、“死”を感じるタイミングで音を鳴らしたり、ストーリーを脚本のように固めておくなど、効果を高める方法があるように感じました。


マインドフルネス体験レポート gCストーリー株式会社 高齢者福祉事業部 木塚俊介さんの感想

【参加のきっかけ】 これまでマインドフルネスについての前知識はほとんどありませんでした。

かねてより、瞑想や座禅、滝行、写経などお寺で行うを周りの方にお誘いを受けてはいましたが、なかなか機会に恵まれなかったところ、社内メールで今回のお寺研修の案内があり、今回参加させていただきました。

ただこの度の正直な心持ちとしては、瞑想を通じて何かを得たいというよりも、そもそも瞑想とは何の為にするのだろう?と言う好奇心の方が先に立っていたかも知れません。

【マインドフルネスの感想】 座って目を閉じると、すぐ眠たくなったり、色々余計な事を考えてしまうのではないかと思っていましたが、杞憂でした。

目を閉じ、言われた通りに自分の呼吸に気を使い、手の指先に意識を集中していると、眠気どころか、自分の感覚が鋭敏になっていくのを感じました。 自然の中の、静かな環境でした。静かすぎて「シーーーン…」と音が聞こえ、音楽スタジオの中のようだなと感じました。

次に、その「シーーン」の音がカラスの「カア」で破られ、それからはさっきまで気付かなかった、周りの住民の立てる生活音や、風や虫など自然の音が遠くから聞こえて来るようになりました。 指先に意識を集中する事で、他の感覚が鋭くなる、初めての体験をしました。

マインドフルネスの実践は、座って行うだけでなく、食事や歩行中、色々な場面で行なえるとの事なので、是非生活に取り入れてみたいと思います。

聞こえていなかった音が聞こえ、見えていなかった存在に気付け、より深く生きられる感性が身につくのではないか?と今は感じています。

 

◆田頭和みさんの感想

初めてお目に掛かった時から、いつか訪問させて頂きたかった 後藤さんの桜葬、現場に伺えて光栄でした。

気持ち良い見晴らしで、あそこに入ることができたら どんなに気持ち良いかと思いました。

また、素敵なデザインの慰霊碑も 瓦の重みを感じました。 特別な場所であることを改めて感じました。

私にとっては、桜と檀家さんが振る舞って下さったお食事と あの雰囲気が印象的でご馳走でした。 地域の繋がりの要をお寺が担っている、素敵な形だと思いました。

死体験やマインドフルネスは微妙にかじっている事もあり もう少し集中したかったというのが感想です。 せっかく特別な場所ですので 東京では出来ないことをされると もっと魅力を感じたのではないかと思います。

石巻だからこそ お寺だからこそ 後藤さんだからこそ に価値があるのだと感じました。 素敵な時間をありがとうございました。

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参加の皆様、丁寧な感想を書いていただき、ありがとうございました。

経験不足もあり、指導力不足もありでしたが、幸い天気には恵まれました。

朝、森の中で皆さんと瞑想していると、ちょうど朝日が額に差し込んで来ました。

身体が光りに包まれるような、とても柔らかで温かな初めての感触でした。

前夜死の体験を経て、今朝朝日を浴びて生きていることを実感する。

これが「擬死再生」なのかと思いました。

 

宜しければまた来てください。私も修行させていただき感謝です。ありがとうございました。

 

 



◆グーグル社のマインドフルネス

2015年07月05日 | マインドフルネス

グーグール社員の10人に1人が実践していると言います。

それも会社からの命令でもなく、各自が自発的に行っているというのです。

確かに最初は、アメリカ式のなんでも目的をもって、会社の利益や自己の目標達成のための

メソッドなのかと思って読み始めました。

しかし、思いやり、自己観察、信頼などの気付きが向上し、結果的には

社員の連帯感、最終的に会社の繁栄、さらには人々の平和や幸福、環境保護などにも

発展していくのだと、読み取ることが出来ました。

そして宗教色を取り払ったことが、普及の最大の原因です。

仏教側からすれば、「マインドフルネスも元の始まりはお釈迦様なのですよ」

と、主張したいのですが、仏教も宗教も取り払うことによって、

広く人の垣根を超えて、イスラムにもキリスト教にも、世界中に広がる要因になっています。

なおかつ、無宗教のマインドフルネスから、興味があれば仏教へ入るのもやぶさかでない、

ともいいます。

そこは個人の問題で、仏教的マインドフルネスの指導者に教えを受ければ良いことと

本の中に書いています。

 

何も求めない、目的を求めない、ただひたすらに・・という、禅や仏教の教えは、

高尚で深遠な宗教の枠組みなので、次のステップで、個人的にどうぞ、ということなのかと思います。

なんでも利益追求の、アメリカ式メッソドとしてのマインドフルネスか?という先入観がありましたが、

慈悲、思いやりという言葉もあり、思い込みを少し方向修正しなくてはいけません。

 

それにしても、日本的な日本人向けのマインドフルネスがあっていいと思います。

試行錯誤が必要です。

 

 


◆一片の花となって--鈴木大拙のことば

2015年01月20日 | マインドフルネス
”一片の花となりきって、花となって花を開き、
花となって太陽の光を浴び、花となって雨に打ち濡れる。
そして、花が私に語りかけてくる。私は花の一切を知る。
私は花の一切の神秘を知る。そればかりではない。
花を知り得たこの「知」によって全宇宙の神秘を知る。” 

by 鈴木 大拙

・・・私が勝手に師と煽いでいる禅師、鈴木大拙氏の言葉です。

瞑想時の涅槃(ねはん)の心境を言葉によって顕したものと思われますが、この自然と一体となることによって「体得知」を得るというのは、禅というものに触れた時、カルチャーショックを憶えたものです。
 
この夏、私も座禅を組みに行きたいものです。
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勝手に引用して申し訳ありません。m(_ _)m

 

 


◆痛みを和らげるマインドフルネスの効用

2014年11月06日 | マインドフルネス

11月3日 (社)てあわせ主催、震災の悲しみを乗り越えるマインドフルネス体験を行いました。

第1回が6/9でしたが、今回は第2回目(会場:エルパーク仙台5F和室)となります。

最近、マインドフルネスに関する話題が多くなってきました。

来年来日するティク・ナット・ハン老師のことが少しずつ広まってきたからでしょうか?

ある雑誌に、マインドフルネスに基づいたストレス低減法(MBSR)という内容のものが載っていました。

古代の瞑想修行者がどのように痛みと向き合って行ったか・・。

それは、痛みと戦うものでもなく、逃げ出すものでもなく、痛みを受け入れ、仲良くなることでした。

その知恵を現代医療に取り込む試みが(MBSR)だそうです。(月住2014-11別)

簡単に言うと、出産の時の陣痛を和らげる方法として、呼吸法があります。

痛みに出会うと体を固くしてしまい痛みが倍増しますが、一定の呼吸に合わせると、

痛みが低減していくように感じます。

マインドフルネスによるストレス低減法は、このように医療にも、心理療法にも取り入れられています。

この大本の流れが、お釈迦様の座禅瞑想なのですから、これを多くの方々に知っていただきたいものです。

マインドフルネスの世界的第一人者、ティク・ナット・ハン老師はかなりの高齢です。

最後の来日の可能性大ですが、無事来ていただくことを願う次第です。

そして、願わくは、なるべく薬や注射で痛みを抑えるのではなく、心の痛みとともに生きる術を

マインドフルネスによって気づく事ができればいいと思います。