桜和尚ブログ

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◆桜散る中の樹木葬納骨式

2015年05月06日 | お墓と終活

  

(写真は遺族の了解を得て撮影しました)

先月、桜散る中でサクラ樹木葬の納骨が行われました。

Kさんは横浜出身で、奥さんと二人で理容を営まれていました。

まだ55歳の若さでしたが、今年の1月にご逝去され、奥さんは茫然自失の毎日だったということです。

やっと落ち着きを取り戻した頃、気づいたのはお墓をどうしたら良いかということでした。

そんな時、思い浮かび上がったのが桜の樹木葬のこと。

早速、息子さんと現地を見学に来て、眺めのいい南側の景色を見ていた時、不思議なことに

太陽の光の筋(柱)が見えたのだとか。

「お父さんはきっとここがいいと言ってくれている」そんな気がしたといいます。

奥さんはひとつのこだわりを持っていました。

それは22という数字です。旦那さんが生まれたのも11月22日。亡くなったのも1月22日。

だから納骨も22日、樹木葬の区画番号も22に。

そして納骨当日の4月の22日は、桜の花が舞い散る穏やかな最高の天気に恵まれました。

二人三脚で仕事を続け、二人の子どもに恵まれ、大津波も家の数メ-トル前まで押し寄せて命拾い。

と思ったら夫の死。まさに、出会いと別れです。

でも、死んでも死なない命に、一年一度巡りあうことができます。

22という数字と、桜の花がいつまでも心に咲き続けることでしょう。

青空に桜の花が舞い昇って行きました。

 

 

 


◆クローズアップ現代:大量の無縁墓投棄

2014年10月09日 | お墓と終活

10月8日のNHKクローズアップ現代で

大量の墓石投棄を問題視していました。

明治以来イエを中心とした民法によって、私たちは先祖代々墓を守って来ました。

ところが、戦後の民法はイエから個人を対象にしていることや、

都会への人口の流入によって、墓を守れない人が急増しました。

そこで最近脚光を浴びているのが、墓じまい。

先祖代々の墓を無縁に放置するより、墓を閉まって合同永代供養墓に収めるということに注目が高まっています。

ちょっと前まで3世代同居が当たり前だった生活が、核家族へ。

そして、結婚しないシングルの増加へ。

墓も先祖代々から家族墓へ、そして個人墓へと向かって行くことでしょう。

LEDが100年に1度の発明なら、お墓の変化も100年に一度の大変革だと思います。

先祖代々の墓に変わる新しいお墓のカタチは何?と尋ねられたら、樹木葬永代供養墓と答えるでしょう。

はっきりと断言できます。

ピンチはチャンス。この現象をどうとらえるか、これが布教に活かされるかと思います。

ある方は、永代供養墓が現代の一番の布教と言うのはこのことです。

日本仏教は葬儀やお墓と切り離せません。

曹洞宗はお葬式を一般庶民に導入した事によって、江戸時代以降教線を拡大してきたと言われています。

今の時代、イエから個人へと、墓が先細りするのであれば、個人がどのようなお墓が求められているのかを考える。

ここに教線拡大の大転換が潜んでいるのではないかと思うのです。

ただ、仏教は変わるのが苦手でゆっくりが好きなのですが、時代はそれ以上のスピードで進んでいます。

最後にTVのコメンテーターは、こういっていました。

散骨は亡くなった人と対峙できない。

その人が散骨を希望しても、残された人は決してそうとは考えない。想いは異なる。

とコメントしていたように、散骨はおすすめできません。

本来土葬であったように、樹木葬(土に還る葬法)が一番日本仏教合ったお墓かと思います。

この問題は地方も都会もすべての人に関わる大問題ですので、

一緒に今後も考えていきましょう。

 

 


◆夫と一緒のお墓はイヤ、でもペットはOK?

2014年09月04日 | お墓と終活

これも少し前のあるテレビ番組でのこと。

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埼玉県に女性だけの共同墓が建設中で、まもなく完成だといいます。

この女性だけの共同墓に入りたいという人は、夫と一緒のお墓を希望しない奥様方。

理由はというと、

「死んでまで縛られたくない」

「死んでまで一緒はイヤ、もうたくさん」

「気が合わない、土に帰りたいから・・今尽くしているからもう十分」

世の旦那様方、これを聞いてどう思いますか?

はたまた、このようなご意見もあります。

「犬とは一緒に入りたいが、夫はイヤ!」

夫より犬を選ぶのか~ということです。あぁ悲しいかな。

でも、このような夫と一緒はイヤ派は、

アンケートの全体の3割で、7割はやっぱり旦那様と一緒がいいという奥様方。

理由は

「夫あっての今、愛してるから、覚悟の上!?、そういうもんだと思っているから」

このように思っていた方が、かつてはほとんどでした。

いつの頃から、夫と一緒はイヤになったのでしょう?

「夫の姑(しゅうとめ)と一緒はイヤ」は以前からありました。

女性は、あの世を想像する能力が男性より優れているので、

現在の姑関係や夫との関係が、リアルにお墓の中まで想像してしまうのでしょう。

そして、なんといっても男性の寿命が短いこともあるので、

夫を見送ったあと、妻が別のお墓を購入して入るということも大いにあり得ることです。

夫は死んだ後のことですので、生きている時この事実は確認できません。

女性の立場が強くなったこともあるでしょうが、今後「夫とはイヤ派」が少しずつ増殖していくことでしょう。

あぁ悲しいかな・・

 

 

 

 

 


◆お墓と樹木葬のこわい話

2014年08月27日 | お墓と終活

お盆の月ももう残り僅かですが、TV局もお盆に関係した内容を企画するようです。

今まで何本か見逃しましたが、今月14日朝、羽鳥アナのモーニングバードで、

桜葬・樹木葬「広がる墓トモ」という内容を放送していました。

関西にできた桜葬・樹木葬の取材です。

第一生命経済研究所が全国の35~79歳の600名対象にアンケートを取ったところ

・近いうちに無縁墓になる4.1%

・いつかは無縁50.3%

・その可能性はほとんどない29.8%

という結果で、なんと過半数は、自分の墓が将来無縁になるだろうと考えていることです。

イエ制度が廃止され、生活スタイルが変わっているのに、お墓は一向に変わらない。

そんな中、お墓のあり方として注目されているのが、樹木葬の一種の桜葬です。

例えると、お墓のマンション型のようなもので、桜の下の限られた敷地に

直接埋骨する集合墓です。

小さな面積ですが、他の人の骨と重なったり混じったりしません。

個が守られています。

価格はというと、25☓25㌢で40万、二人だと60万

年管理費5千円、生きている間は月300円がかかります。

大阪の話ですから、安いか高いかというよりも

石を使わないお墓ですから、その分絶対安価です。

墓石を用いると維持管理が出てきますが、

世間一般の人がで心配しているのは、無縁になるかもしれない

ということ。

墓石を用いず、合同で永代供養すれば無縁になりません。

ですから、これからの時代、今まで石のように硬く変わらなかった

お墓のカタチも、こんなスタイルで変化の兆しが出てきているようです。

最後にコメンテイターがこんなことを言ってました。

生きている間にお寺や坊さんと交流しないとね・・・

そのとおりです。

そして、自分のお墓の隣に誰が眠るかわからないから、

生きている時に墓トモになっておけばいいのです。

生きている時に、お寺と墓トモの縁。

これが新しいスタイルになればいいですね。

今の時代、なんといっても恐ろしいのはお化けや幽霊でなく、

無縁が最大の恐怖ですから。

 

 


◆都会に住む地方出身者のための「樹木葬」

2014年08月16日 | お墓と終活

  

岩手の新聞2社に掲載されました。

日報さんには、お墓のPRと記載されてしまい、少し残念でした。お墓の宣伝やPRではなく

現代のお墓事情、ひとつの社会問題の対応方法として、紹介して欲しかったのですが

真意が伝わらなかったようです。

記事を読む人にとって、「お墓の宣伝か!?」と捉えられる人もいるかと思いますが、

昨今の死後の問題、終活や墓のことは今や社会問題・切実な問題です。・・・

 

実はこの樹木葬墓園、5年前に都会に住む檀家さんの希望を取り入れ、当寺が管理する墓地の片隅につくったのが始まりです。

元となったのは、地元と都会に住む檀家の会「日高見の会」でした。

きっかけは、都会に住む地方出身者が「自分たちが死んだら入る墓などない」という悩みが発端です。

話を聞くと、都会に住んでいる方々は、その頃から樹木葬というお墓をよく知っていたのです。

なんといっても樹木葬は一関の寺院(知勝院)が始めたもので、もう15年にもなります。一関が樹木葬の元祖です。

つまり、都会の人の方が、ふる里の情報をよく耳にしていたということです。

その後、当寺役員とこの問題を話し合った結果、墓地の一画に、都会に住む地方出身者の

「ついのすみか」を作ってみることにしました。

それが桜の木の下に直接埋骨するサクラ樹木葬です。

周辺には散策路にチップを敷いて歩けるようにしたのですが、5年も立ってチップも腐ってきたので

新たに敷直ししました。

年々都会では亡くなる人が増え、お墓の問題が深刻化しています。

都内の倉庫に積み上げられたお骨や

電車の忘れ物、故意の落し物。

行き場のないお骨が激増しています。

都会の檀家さんの希望によって実現した「みちのく花の樹木葬」

どこの寺の檀家にもなっていない方で、次男三男のご夫婦などが対象です。

石を用いない、維持管理不要で、永代供養になるお墓ですので、一度見学してみてください。

もう少しでコスモスが一面咲き出します。