マジンガー通信

多分500万人に1人くらいの割合でしか役に立たないシトロエンC4にまつわるお話など。

今時の軽自動車 ~日産モコ試乗記~

2012年05月22日 | 試乗記
デカいですね。

義母のマーチが壊れて修理になり、
代車でモコがやってきました。
車に幾つかある要件の中でも安全は
どうしても譲れないので
軽自動車を買う事は無いと思いますが、
今時の軽は馬鹿にならないと言われて久しく
興味は当然あるので乗ってみました。

元の車はこれです。

モコは日産が作っている車ではなくて
スズキのMRワゴンという車を
日産風に設えを変えている車です。
軽自動車の巨頭であるスズキ製ですから
今時の軽がどんなものかを知るには
理想的なのではないかと思います。
ちなみにモコは本家のMRワゴンよりも
販売台数が多いんだそうです。

何ともコメントし辛い格好です。

外観は要件をまとめただけといった風.。
軽にはスバルR2であったり三菱eKワゴンであったり
秀逸なデザインの車がありますが、
結局、それらは全く売れていないので
見てくれは重要な要素ではないのでしょう。

もうちょっと真剣に作ってくれればなぁ・・惜しい。

内装はスッキリと整理されていて
高級感すら漂います。
ですがよくよく見てみると
手首に風が直撃するエアコンの吹き出しから始まり
何も入らない様な小物入れは取っ払って
大きなトレーにすればいいのに・・とか。
本当にちゃんと考えたのかと疑ってしまう
レイアウトだったりします。
悪くないトーンなだけに勿体ないなと思います。

無駄に大きくないミラーは良心的

と、ここまでは良い面も悪い面も
想像の範囲だったのですが、
運転しようとドアを閉めた途端、
車の印象が変わります。
薄い鉄板に囲まれている感覚、
ゴムの反発の様な重たさを感じるステアリング、
そういえばウインドウが立っていて
ダッシュがかなり近い感じ等々
免許を取りたての頃、家業の手伝いで
軽バンに乗って配達をしたりしていたのですが、
あの感覚が蘇ります。
このまま荷物も積まずに走るのは
何だか申し訳ない感じがします。
”車なんてこんなもんだよ”と語りかけてくる様な
スズキ特有の無味乾燥感が来るのかと思いきや、
完全に意表を突かれました。
走りは常にバウンドしている様な
抑えが利いていない足回りと、
切り角と車の曲がり具合が連動していない
曖昧なステアリング、
エンジンが轟音を上げた数秒後に車が加速する
ダメCVTの典型の様なギアボックスと
褒められたものではないのですが、
まぁ、そこを言う車ではないと思うので、
こんなもんだと思います。

寧ろ純日産車よりも出来の良い室内。

リアシートも先ず室内高が高いいので
見晴らしが良い事と前席と同じく
分厚いクッションもあって
座り心地はとても良いです。
ただ、座面が立ってしまっているのが残念。
この車の荷室に積まれる物はスーパーの袋でしょうから
もう少し寝かせてしまっても問題無いと思います。

こういうところが日本車らしいなと思います。

今回のテーマ、”今時の軽は馬鹿にならない”という話、
個人的感想ですが、確かに良くなっていると思いますが
身のこなしから思うに
車というよりは近所をあちこち回るための
シティーコミューターとして特化している気がします。
これで高速を走るのはご免だと思う反面、
街中では一般の車よりも気軽です。
ただ、日本車の一番ダメなところだと思いますが、
何でもかんでも詰め込み過ぎているところは
幾つか見受けられました。
装備はあればいいという物ではないので
もっと真剣に考えて作った方がいいと思いますし、
いっその事、好きに使ってくれと場所を空けておく
いい加減さも要るのかなと思いました。
コンセプトに忠実って、日本人が一番苦手な事ですけどね。
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(かなり前に)もののついでにプリウスPHVにも乗ってきました。

2012年05月04日 | 試乗記
プラグインとは充電が出来るという意味です。

86を試乗したついでにプリウスPHVにも試乗しました。
コースは同じくメガウェブのライドワン。
プリウスPHVは外部充電出来る様になっていて
電池がリチウムイオンに替わっているプリウスです。
電池の容量が少ないので純電気自動車に比べて軽く
安く出来るというメリットと、
電池切れでパニックに陥る事がなく済みます。

ちょっと見た目が豪華になった様です。

見た目はプリウスと大体一緒です。
割愛しますが、内装、インパネまわりも殆ど一緒。
ここに100万円以上の差を払う人が
どれだけいるかなという気がしなくもないですが、
燃費はプリウスが38km/Lなのに対してPHVは脅威の60km/L。
カブより燃費が良い車というのが、とうとう出たんですね。
PHVを買ったからには当然ながら充電をしますから
(しないとただのプリウスです。ちなみに)
スタンドへ行く機会は殆ど無くなるかもしれないですね。
ところで少し話が逸れますが、
比較に使っている車はわざと赤を選んでいます。
エコカーには何故か青いアクセントが必ず付きます。
プリウスも確かに歯磨き粉の様な水色の車には
青いバッジが似合うのかもしれませんが、
赤を選ぶとこんな酷い事になるという事を
作っている人はちゃんと考えているんでしょうか。
明らかに合わないボディーカラーを選んだ時は
パーツを差し替えるくらいの配慮は欲しいものです。

色々探しても違いはこのくらいですね。

細かく見れば違いはあるのですが、
大きな違いは荷室の下の小物入れくらい。
荷室自体も床の高さは一緒ですし、
アクアの時に感動したのと同じく
トヨタはハイブリッドのレイアウト方法を
会得しているんだなと思いました。
ちなみにワゴンタイプのプリウスαは
大分室内の雰囲気が違います。

相変わらず見辛い後方視界も一緒。

プリウスはPHVが出たタイミングでマイチェンをしています。
何処が変わったのかは良く分からないのですが、
少なくともマイチェン前のプリウスと比べた時、
乗り心地が劇的に良くなっています。
マイチェン前の車に試乗した時に強く感じた
エコカー特有のペナペナ感と
タイヤがプラスチックで出来ているのかと思う
ゴツゴツ/ツルツル感が全く無くなっています。
試乗したGというグレードでプリウスと比較すると
70kg重たいので印象は大分違うと思いますが、
こんな車を買う人は物の価値が分かっていない
と思っていたプリウス、
PHVを乗る限りですが買いだと思います。
試乗車はバッテリーの残量が半分になっていたので
PHVで強化されたEVモードは試す事が出来ず。
諦めてパワーモードを試したところ、
マイチェン前の車はドカーンとトルクが出た
印象があったのですが
スルスルと加速していく様な印象に変わっていました。
ただ、ホンダのハイブリッドと違って
加速時に明らかにモーターで走っているなと感じる
電動自転車の様な感覚はそのまま残っています。
トヨタハイブリッドの味なんでしょうか。
ライドワンが平坦路なので正確な評価は出来ませんが、
電気回生を積極的にするBモードの時の
ブレーキを引きずる感じは殆ど無くなったと思います。

趣味のエコカーとしては、一番良い選択なのではないかと思います。

この日は86を乗りにやってきた訳ですが、
印象に残ったのは間違いなくこちらでした。
エコカーとよばれる車達は実際環境性能も良いのですが、
一般の車も十分に環境性能が良くなっているので、
エコカーという車趣味のジャンルが増えた
という風に解釈した方が良いと、私は思っています。
例えばEVやPHVは電気を充電して走れる
という遊び要素が追加されたといった感じです。
ただ、実用上の話で考えた時、走行距離が短くて
電池切れをしたら本当に走れなくなるEVを選ぶよりは
何も無理をする事もなく場合によってはEVより性能が上な
プリウスPHVを選んだ方が私は正解だと思います。
問題は下手をすると信号待ちの列の半分を占めている事もある
普通のプリウスと殆ど同じ格好をしている事でしょうか。
何かオーナーが優越感に浸れるものがあればいいんですけどね。
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(かなり前に)トヨタ86に乗ってきました。

2012年05月03日 | 試乗記
予約は簡単

街中でもチラホラみかける様になりましたが、
(何故か近所ではBRZの方が良く見る)
3月頃にメガウェブで86が乗れる
イベントをやっていたので行ってきました。

メガウェブのコースはこんな感じ

メガウェブの試乗コースは制限速度40キロの直線2本を
路地の様に狭いクネクネ道を繋いだ様なコースです。
一番近いのは教習所でしょうか。
86の走りがどうのという話は出来ませんが、
途中には石畳やゼブラなどもあるので
素性が良い車かどうかを知るには
普通に試乗するよりも最適かもしれません。

試乗した車はGグレードのマニュアルです

Gは下から2番目のグレードで、
装備が簡素化されている走り一辺倒モデルだそうです。
走り一辺倒といいながらフォグランプが付いていたり
格好良い黒塗りのアルミが付いていたり
かつてのハチロクとは時代の違いを感じます。
固定式ライトでトランクがある形状をしているので、
レビンのノッチバックタイプの末裔って事になりますね。
マセラティ・グラントゥーリズモを小さくした様な
クーペスタイルの古典の様な格好をしているので、
デザイン的には特に感想は無いのですが、
一目見て小さいと思えるところに好感が持てます。

チープさが好感を持てる車も珍しい

内装は試乗の時間待ちの間に見て回った
他の車のパーツをペタペタ貼った様な感じ。
アクアの部品がかなり使われている様です。
コード丸出しよりはマシだろうという割り切りですね。
その代わり、運転に関係ある物はかなり贅沢に作られています。
先ずは運転時に持つ物は革巻きになっています。
FRなので当たり前といえば当たり前ですが
余計な物が媒介していない感触のシフトが好印象。
あまり引き上げる事なく一発で引けるサイドブレーキ、
ガタつきが無いステアリングにはテレスコピックも付いています。
クラッチは駆動が繋がっている具合が足裏で分かり辛い
ところが難点ですが奥で繋がってくれるので、
エンストの危険は少ないと思います。
(クラッチ蹴りにはちょっと向かないかも)
後はひたすらチープです。

新車な筈なんですがクタクタな感じのシート地が気にはなります

シートはバケットタイプですが少し大きめです。
快適性も考えて日和ってしまったのでしょうか。
雰囲気を出すにはいいですが、
飛ばしたらシートの中で体が暴れてしまうと思います。
バケットは構造上、背もたれにより掛かる様に出来ていますから、
疲れは少ない方だと思います。
路面からの情報は要る物要らない物関係無しに
全部拾ってくる感じです。
後席へ乗り降りする際に使う背もたれを前へ倒すレバーが
座面側に付いているのはどうかと思います。
まぁ、予算との兼ね合いだったんでしょうね。

タコメーターが真ん中にあるやる気なメーターまわり

シートに座ると見切りの良さが嬉しいです。
フェンダーが見えるので走る時は楽だと思います。
後方の見切りもかなり良いと思います。
ポジションを合わせた時の操作もしっくり来ますし、
右ハンドル特有の脚を内側へ向けさせたれる様な
体がよじれる感じもほぼ無いので
素晴らしいと言えると思います。
タコメーターは雰囲気重視で260キロまで目盛ってありますが、
実際に使う100キロ以下が下の方でギュウギュウなので
スピード違反には気をつけた方が良いかもしれません。

トヨタとスバルの混血である事が良く分かる走り

走り始めて先ず驚くのが、
予想以上に威勢が良いエンジン音。
こんな感じの音がします。
理由はスバルの水平対抗が積まれている事と、
サウンドクリエイターという手っ取り早く言うと
意図的に音を室内に導くダクトが付いているからです。
個人的な感想ですがスバル的なエンジン様車な印象で
86のライトウェイト感を損なっている気がします。
普通の直4エンジンの方が良かったかな・・・
ただ、吹け上がりが良くて下の方でもかなり粘る
良いエンジンだとは思います。
ボディやサスペンションはスポーツカーにしては
結構柔らかめに出来ています。
トヨタ自身がこの車は純粋なスポーツカーではなくて
スポーティーカーだと言っているくらいですが、
ガチガチしたところはありません。
更にこれもトヨタ流なんでしょうが、
ハンドルのギア比がかなりスローです。
切ったら切った分だけと思えるレベルから
2拍程度遅い印象があります。
それらの要素が醸し出す86の印象は、
”トヨタ渾身の新型スポーツカー”から連想される
新しい物に乗っている感は全く無く、
中古車屋で試乗をしている様な感覚があります。
ある意味狙い通りなんでしょうね。

後席の居住性も中々

86にとってはオマケみたいな部分ですが
後席の居住性とトランクについて。
それ程大きくないクーペなので、後席は確かに狭いですが、
前でまともなシートポジションを取っても
ちゃんと座る事が出来ます。
スペースは十分にあるけど足のやり場が無い
メガーヌRSよりは全然良い空間です。
ただ、写真の通りで頭上にガラスが来てしまうので、
これからの時期はその点で地獄だと思います。
あるのかどうか分かりませんが、
昔流行ったリアウインドウに貼る
アルミ風のデカールがあったら良いだろうなと思います。

トランクもまともにあります

86は(BRZも)ハッチバックではなくトランクが付いています。
魚とかぬか漬けを買った時は便利ですね。
実用車ではないのでトランク自身大きくないですし、
積み降ろしもあまり良くないですが、
そこに文句を言う人はいないと思うので十分だと思います。
デスクトップのパソコンなどを買うと困るけど、
普通の荷物は十分に載るといった感じでしょうか。
ですがこのトランク、設計ミスだろうと思えるところが1点、
リアシートを倒して荷室を広げられるのですが、
そのレバー、一般にレバーが付いている室内側にあります。
翻って86はトランクが付いている車な訳で、
荷室からシートを倒す事が出来ません。
レバーが室内にある必要は全く無いので
荷室側につけるべきだと思います。

86は乗る人によって評価が分かれる車だと思います。
趣味車なので折角なら新しい物に乗りたいと思うなら
確実に肩すかしを食らうと思います。
そういう人はMINIやCR-Zなどに乗った方が
恐らく幸せだと思います。
トヨタは若者の車離れに対する一石と言っていますが、
FR、デュアルクラッチではなくてマニュアル、
古典的なパッケージの何処を取っても古い車なので、
実際の購買層になるであろう50代前後の方には
最適な車なんだろうなと思いました。
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CX-5が売れると外車乗りは喜ぶ ~後編~

2012年04月03日 | 試乗記
引き続き拾い物で進めて行きます。(概ねwebCGから拝借)

走り出す前は中々の悪印象だったCX-5、
それでも記事化しているという事は、
乗ってみて好印象だった訳です。
好印象どころか、ディーゼルで連想する事を
覆してしまうスーパーカー。
実はこの週末の間に2週間も前に乗った86に乗りました記を
仕上げてしまおうと考えていたところだったのですが、
86なんかよりこっちだと思える程の印象がありました。

私のディーゼルのイメージ・・・

もう少し前置きを。
前編冒頭にも書きましたが欧州車好きの大体の人は、
ディーゼル はガソリンエンジンよりも凄いらしい
という事を知っています。
更にレース好きはディーゼルが走れるレースは
(ルールがディーゼル有利という事もありますが)
片っ端からディーゼルが勝っている事も知っています。
そんな超高性能で更に燃料代も安いディーゼルを
(欧州車は制度の違いで無駄にハイオク仕様なので、本当に辛いんです、、、)
何で日本に持ってこないんだと
不満を持っている人は多いと思います。
運が良い事に、そんな欧州車のディーゼルに
何回か乗らせて貰った事があります。
何故かステーションワゴンばかりなのですが、
ベンツのE320CDIワゴン、アウディA4アバントTDI、
それからC5HDiツアラーです。
それらに乗った感想を踏まえると、
夢のエンジン・・という訳でもありません。
確かに昔のディーゼルみたいにガラガラは言わないですし、
ディーゼルの美点であるトルク感には慧眼しましたが、
回りたがらない性格は昔と一緒ですし、
ガソリンエンジンの調子でアクセルを微調整をしても
無反応だったりします。
例えるとガソリンエンジンが刀だとすると、
ディーゼルは斧の様な印象。
それぞれ所有している方々(父親の車友達)は
流石は車好きに年季が入っている方々ばかり、
おっとりした性格のディーゼルには
ステーションワゴンが合っている事を
知っていらっしゃるんですね。
”今時のディーゼルはガソリンエンジンの比ではない”の
ディーゼルの正体は、そんな感じだと思います。

CX-5のディーゼルは2.2Lなので税金は4万円強。
弱点はそれくらいですかね。


ところがCX-5のSKYACTIV-Dという名前のディーゼル、
(エンジンに名前ついてるんですね・・・)
湧いてくる様なトルクと一緒に嘘みたいに回ります。
営業マンの課長さんは大排気量エンジンの様だと言っていましたが、
大排気量な車は極端な車にしか乗った事が無いので
多分、課長と私のイメージは全然違うと思います。
(課長さんとは最後まで噛み合う事はなく。。
なので、私なりの感覚で表現してみると、
レスポンスはガソリンエンジンの様にはやはり行かないんですが、
素の911よりも大きな途方もないトルクが出ているのに
荒っぽい事は一切なく湧いて出てくる様なトルク感と
それとリニアに抵抗無くエンジンが回ってくれる感じは
皆さん一度乗った方がいいですよと、ふれて回りたいくらいです。
ネットの情報によると、このエンジンは圧縮比が低いので
頑丈に作る必要が無いからエンジンも軽く、それで回るんだそうです。
機械的な事を突っ込んで話されてもサッパリなのですが、
そういう事だそうです。
新しい種類の車に乗っていると感じる、印象的なエンジンです。

やっぱり弱点はシートかな。

車全体の印象も、良い車に乗ってるなと思う類い。
今時の車らしく相当な軽量化をしているからなのか、
軽量化の良し悪しでシャシーは地を這う様なのに
ボディーがフワフワしている感覚のズレが多少するのですが、
今でも結構あるガキンガキンに剛性を感じる剛性感ではなく
コーナリングをたしなむ様にサラっとこなす感じ。
ハンドリングも切ったら切った分だけ曲がるので、
運転に集中したらハンドルを回している事を
意識しなくなるタイプの車だと思います。
ミラーが大き過ぎて格好悪いし邪魔だなと思いましたが、
大きい方が安心するのが普通でしょうから、
個人的な問題という事にしておきます。
今時1800くらいは普通だと言っているのに
7回くらいは幅が広いと課長さんが連呼していた横幅も
視点が高い事と車幅を掴み易い視界なので全く問題無いです。
車自体の身のこなしはハイレベルですし、
故に運転し易い車だと思うのですが、
やはり運転しても気になって仕方ないのは
真っ平らでホールドしてくれないシート。
シートというのは如何に背もたれへ自然に寄りかからせるか
というのが一番大事なポイントだと思うのですが、
お尻がゴロンゴロンするせいでバランスを取るために
どうしても体が立ってしまい、余計に不安定な印象になります。
更には脚を踏ん張らせる場所も無いのと、
前編で書いた通りで足元がスカスカな視覚効果もあるので、
段々と車に乗せてもらっている感覚が出来てしまいます。
この興醒め感は、個人的には中々厳しいものがありました。

欧州車と比べても全く遜色が無い車なので、
国産だから仕方ないか視点は抜きというのが前提ですが、
感動的に良い点と、多分買う事はないだろうなと
思えるに十分な弱点が同居した不思議な車でした。
この感覚は身に覚えがあるなと思って考えたのですが、
レカロシートを筆頭にした一時期のドイツ製品が持っていた
人がどう感じるかは無視に人間工学一点張りの
印象に近い気がしました。
今のドイツ車は全くそんな事はないですが、
ステレオタイプなドイツ車の感覚は私は嫌いです。
(フランス車乗りですからね)
そういう話す言葉が違っていた然な事はあるでしょうし、
逆にああいう感じが好きな人もいますから、
そういう方の琴線には触れまくりでしょうね。
CX-5は他人に奨めても恥をかく事は無い、良い車だと思うのと、
主題に戻りますが、この車が街に溢れる様になって、
インポーターの考えも変わってくれたら
我々酔狂な欧州車乗りも幸せになるのになと思います。
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CX-5が売れると外車乗りは喜ぶ ~前編~

2012年04月01日 | 試乗記
"Better. Stronger. Smarter." ? Mazda CX-5 Commercial, 60-second

ディーゼルで話題のCX-5に乗ってきました。
前情報ですと結構なバカ売れ状態らしく、
今、注文しても納車は7月だとか。
日本にはディーゼルを受け入れる土壌が無い
というのが欧州車乗りの殆どが思っている事に対する
インポーターの回答ですが、
(幾つかの広報室にメールをした事がありますが、同じ回答でした)
全然そんな事はないという事を証明してくれた
有り難い車でもあります。
やる気がないか商才が無いかの2択だなと思ってしまう
ドイツ車以外の日本法人も、これで考え方を変えますかね。

顔は・・・どうかな。

今回も用事の通り道でちょっと見るか
という気で立ち寄ったのですが、
土曜の午前中、嵐の様な天気もあって店も暇だったのか、
いつの間にか試乗をする事に。
興味があって見に来ただけだと言った筈なのですが、
お構いなしなセールストークには少し閉口してしまいましたが、
後で調べたところ試乗するのも結構大変らしいので
運が良かったですね。
そんな訳で写真を撮る準備もしていなかったので
有り物と拾い物写真で進めて行こうと思います。

血縁関係は無いそうです。

CX-5を最初に見た時、フォード・クーガーと
血縁があるのかなと思っていました。
実際のところCX-5は相当珍しいと思いますが
シャシーから何から完全新設計な車なので
(殆どの車は、何からしらの部品は既存の物を使い回します)
全くの別車の様ですが、大きさも含めて似ています。
CX-5もクーガーと同じく小股の切れ上がったという感じの
軽快感のある良いプロポーションだと思います。
横から見た姿は、素直な格好良さがあります。
写真を見て良い印象が無かった顔は、実物も同じでした。
一言で言うと野暮ったいとか洗練されてないんですが、
顔でデザイン上の流れを全部塞き止めている印象です。
先ずグリルの上にあるプラスチックの板が安っぽいのと、
ロアグリルが貧弱だからだと思いますが、
下膨れというか顔の下半分にしまりが無いです。
とどめはランプ。目玉が大きすぎるのと、
車全体のデザインが縦へ縦へ流れているのに
ランプだけデザインが真横に流れているのは違和感です。
CX-7は今でも秀逸なデザインだと思うのですが、
同じSUVでどうしたんでしょうね。

内装は良し悪しの同居といった印象。

写真が左ハンドルしか無かったのですが、
試乗したXDというグレードの車も、大体同じでした。
シフトレバー後のコントローラーが無かったくらいでしょうか。
座ってみて最初に思うのは、シートが平板だった事です。
サイドサポートが付いているシートなんですが、
座面自体が真っ平らな掛け心地なので、座りが悪いです。
走らせた編で書くと思いますが、
走ってもミニバンの様に体のやり場に困りました。
ミニバンといえば、足下がスカスカで
直立してるダッシュボードから離れているのも
適度に包まれている感を感じるタイトさが無いと
居心地が悪いと感じる私には印象が良くないです。
ダッシュボードは内装はあまり期待しない方が良い
マツダ車にしては良く出来ていると思いますが、
何でこうもご本尊の様にナビを置くのかは疑問。
国産車の殆どがこういうインテリアデザインを
破壊する行為を平気でしていますが、
ナビを見るときは凝視する事になるので
こんなに目立つ場所に置く必要は無いと思います。
更にはそのご本尊然と置いているナビが
窪んだ場所に真正面を向いて設置されているので見辛い。
どうせやるなら少し運転席側に振ればいいのにとも思います。
最後にかなり個人的な話になりますが、
サンルーフなりグラスルーフの設定が無いのは、大いにマイナス。
調べたところサンルーフの設定は英国仕様にはある様なので、
受注生産でもいいから付ければいいのにと思いました。
英国仕様を見て更に思ったのですが、
向こうではベージュ内装、MT、ローパワーのディーゼル、
黒塗りの格好良いホイール・・・
どっちが本国仕様なんだというくらいに色々選べます。
これも残念ですね。

ラゲッジはとても使い易そうなんですが・・・

ラゲッジは真四角&真っ平らでとても使い易そうです。
シートを倒した時に段差が出来てしまうのですが、
まぁ、仕方ないかなとは思います。
ただ、決して座り心地が良いシートではないので
トレードオフとは思えない気もします。
一番気になったのは、バンパーの張り出しです。
写真を見ての通りですが、実際に積める最後端から
内装、サイドシル、バンパー、樹脂とあって
人からかなりの距離があります。
これ、重たい物を積む時、必ずバンパーの角を
擦るか乗っけて傷つけるかしますよね。
SUVのオプションで良くあるアルミプレートを
付けた方が良いと思いました。

何だか良くない話ばかりになってしまいましたが、
色々考えて作っている感じは伝わってくるのですが、
逆に普段は無視出来る様な詰めの甘さや居心地の悪さが
悪目立ちする車だなぁと思いました。
乗らずに見ただけで帰っていたら
多分、記事化する事も無かったでしょうね。
という事で走らせた編に続きます。
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e-solex

2011年12月05日 | 試乗記
車好き的にはソレックスといえばキャブレターですが・・

前回のお話の通りで
足に50CCのオートバイを買ったんですが、
色々候補を考えていた中で
e-Solexという面白い電動バイクがあったのでご紹介です。

雰囲気いいですね。

e-Solexは、モペッドとよばれる
ペダル付きスクーター(エンジン付き自転車?)のフランス版、
ヴェロ・ソレックスのリバイバル品です。
フランス製ですと自転車も有名なプジョーも作っていて
イタリアだとベスパを作っているピアッジオ社製のトモス、
ドイツ製ではザッカスというのも有名です。
ちなみにホンダが最初に製品化したのもモペッドです。

エンジンだった部分は物入れになっています。

e-Solex、22万円とちょっとお高いんですが、
買う気満々だったので試乗もしています。
電気自動車は慣性がかかってしまうので
どうしても1拍遅れてモーターが回る感じがする事と
無音に近いので、歩行者が気付いてくれない事以外は
エンジンのスクーターが一気に時代遅れに思える様な
未来感のある乗り物でした。
ペダルも付いているので自転車として乗ってみると
平坦な道では、まぁ、普通に漕げる範疇だなと思います。
ちなみに原付バイク扱いなので
自転車モードにしても歩道を走ると捕まります。

買わなかった事は、今でも結構後悔していたり。

結局、フル充電で30kmくらいしか走れない事が
今の用途を考えると大きな問題だったので
電動バイクの夢は諦めたのですが、
スイッチを入れたらピューっと走れる身軽さは
既存のエンジンバイクの上を行っていて、
電動である意義をとても感じます。
同じ電動ながらリーフに失望した一番のポイントは、
車自体に電気である必然が無いからかもしれません。
辛辣ですが日産の都合で作った車という事ですね。
話戻ってe-Solex、フランス製らしく
色々チャーミング(つまり抜け漏れ)な所があるんですが、
オリジナルのソレックスではエンジンだった
ヘッドランプが付いているタンク状の部分に
充電器が入る様にしれくれたら、買っていたのになと思います。
そう思える程、身近で手軽いな乗り物だと思ったという事ですね。
前途の通り、スクーターと考えるとちょっと高いんですが、
趣味性と旬な感じは十分にあるので、
都内をチョロチョロという方にはとてもお奨めです。
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nouveau Citroen C4(座ってみた編)

2011年08月16日 | 試乗記
印象は思いっきり変わりましたね。

出張先で少し時間が出来たので、
現地のディーラーへ新しいC4を見に行って来ました。

新しいC4は都内を走っていたら
ショールームから出てきたところに出くわしたので、
初めて見た、という訳でもありません。
その時の印象は、恐らく10mくらい離れたところから見ても
一目瞭然で分かる質感の上がり具合と、
何だかDS3みたいだなぁという印象でした。
翻って現物をまじまじと見たところ、
写真で見た印象に戻ってプジョーっぽい印象が強いです。
今の流行りみたいなので仕方ないかもしれないですが、
キャビンを後ろに下げてスポーティーに見せている辺りも
シトロエンらしくないなぁと。
確かに質感はとても上がっているし、
デザインも悪くないとは思いますが、
らしくないという点が大いに引っかかります。
逆に良い点は、先代から大きさを殆ど変えなかったところ
とはいえ元々が大柄な車だったので、
これが最大値、という事なのかもしれないです。

続いて内装。
こちらは良くも悪くもワーゲンかアウディかといった印象。
インパネ辺りはシロッコに似ている気がします。
スポーティーというキーワードを連想させる作りですが、
これもらしくないと思う点なんでしょうか。
質感はとても上がっていますが、
旧型パサードの部品を大量に使っているゴルフには
やはり敵わないので、
まぁ、今時な欧州車並みと考えて良いと思います。
シートの作りなんかは最近のPSA風で
クタクタ感が無い、張りのある座り心地です。
これも求める物が違うのかもしれないですが、
隣りに置いてあったC3の方が、らしさは上だと思います。

最後にリアシートと荷室について。
前途の通りでディメンジョンが殆ど変わっていない、
でも荷室は広くなったと言う事は、
居住空間が狭くなった事を意味します。
座ってみてもそれは良く分かって、
そもそも広くないリアシートが更にいじめられて窮屈さを感じます。
兄弟車の308にも付いてるリアコンソールのベンチレーターが
省かれているのも大きく減点だと思います。
その分といっては何ですが、荷室はとても広くなっています。
C5のセダンくらいはあるでしょうか。
旧型にあった大きな敷居も無くなっているので
荷物を積むには最適だと思います。

まだ運転していないので結論めいた事は早いかもしれませんが、
私がC4を初めて見た時の強い印象、
試乗した動き出しの瞬間で”あ、これだは”と思った感覚は
残念ながら新型には感じられない様です。
洗練と個性は、あるところ相反する要素なので
仕方ないのかもしれません。
ただ、フランス車らしさが全く無くなったかと言われると
そうでもないですし、
エンジン等々を含めて中身も近代化されて(ドイツ/日本製部品が増えて)
壊れるリスクも減っていると思うので、
今度のC4は他人にも勧められる車になった気はします。
実際、C4は売れなければいけない、しかも中国で、
という使命を持って生まれた車だと思うので、
フランス車好き、シトロエン好き、アヴァンギャルド大好き
という人には全く向かない車になりましたが、
こういう事で正解なのかなとは思います。
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出来る事しか出来ない、という事でしょうか。 ~日産リーフ試乗記~

2011年07月19日 | 試乗記
電気自動車がもたらす未来、だそうです。

実は元町F1イベントの日に乗ったんですが、
噂のリーフに乗りました。
過去何度かお話をしている様に
電気自動車には車を変える力があると
大きな期待を持っています。
容易に想像出来るところとして、
レイアウトの自由度が飛躍的に上がりますから
今までと全く違う動きをする車や、
より使い勝手の良いを作る事が可能です。
電気の遣り取りについても、
今はまだ原始的な方法で充電をして
ただ使うだけの為に走っている電気自動車ですが、
それ自体が大きな蓄電池であって
供給方法に自由度が増すのであれば
今懸念されている電力不足なんていう問題に大しても
大きな力を発揮する筈、といわれています。

普通の色の方がリアリティがあって良いです。

とはいえそんな社会要件を
個人が負担しなければならない故は無いですし、
ややこしい話は、また機会があればという事で
先ずは実質量産第1号になるリーフがどんな車なのか。
車としてどの様な魅力を持っているのか興味津々です。
私が住んでいる辺りは、元々日産のお膝元なので
リーフに遭遇する事が結構あります。
1日に10台以上は普通に見る、という感じでしょうか。
モーターショーや広告なんかでは水色に塗られて
まるで茄子の様な風貌のリーフですが、
白や黒いリーフを見ると大作りなハッチバック
という印象です。
どちらにしても外観上の魅力は全く無いですが、
何か異質な物な感じは、上手く出していると思います。
外観で語れるのは、その程度でしょうか。

室内は魅力が無いを通り越して、ゴチャゴチャです。

室内も異質な空気に包まれています。
未来的・・・ではなく余りのゴチャゴチャ具合に。
見切り窓が余計に見辛い視界に
情報過多な上に2段に分かれているのと、
注力点も無いので何処を見て良いのか分からない
人間工学完全無視のメーター類。
最近のガンダムとかエヴァンゲリオンとかの
コックピットの描写なんかを見ると
日本人はSF的な表現に秀でていると思うのですが、
そんな要素は全く無いです。
気を取り直して注意して見ていくと
電池残量に関する情報が多い事が分かります。
日産の航続距離に対する不安が良く現れている
メーターまわりとも言えると思います。

一回押しただけでメインスイッチがオンになる
イグニッションに違和感を感じつつも
ギアをドライブに入れると、車は走り始めます。
日産がやっているツイッターに載っている
一般のつぶやきなんかを見ると
無音で凄い、といった様な事が書いてありますが、
モーターの音が結構します。
同じ機構を使っているので当たり前ですが、
電車の音と全く同じです。
それから、エコタイヤを履いているので
ロードノイズが結構するのと、
タイヤハウスに入ってくる砂利の音が結構するので、
無音を期待すると、肩すかしを食らうと思います。

続いて肝心の動力性能について。
モーターは転がり始めから最大トルクが出るので
加速が凄いなんて事を色んなところで見聞きしますが、
厳密に言うと違います。
リーフが使っている誘導モーターは、
最初速の反応が鈍い特性を持っています。
物理的に無理な訳ではなくて、
加速度ゼロの物を動かす時に必要な
大電流を瞬時に流す制御が難しいので、
急加速が出来ないという訳です。
車は最初の入力に対してどの様な反応をするのかで
走らせて楽しい、楽しくないの殆どが決まりますから
特に手当もされていないので
最初のタイヤの半転がり分くらいの加速が
エンジンの車よりも明らかに鈍いリーフは
走りに対して真摯ではないな、という印象は受けます。
ちなみに、値段が違うので比べるのも酷ですが、
テスラはその制御を
きっちりと対策しているそうです。
ただし、そこからは怒濤の加速。
結構な坂道でフル加速をさせて貰いましたが
まるで見えない紐で引っ張られている様な
体験した事の無い走りをします。
トルクに山が無くて平板ではあるんですが、
ギアシフトの必要が無いEVにあっては
これが味だと言われれば、そうとも言えます。
もう1つ、ブレーキについて。
下り坂で試すと良く分かりますが、
利き自体も甘いですし、回生ブレーキ制御の問題か
後ろを引きずる感覚があります。
これも重量が重くてブレーキに厳しいEV、
回生ブレーキと聞いて連想する感覚
そのままな印象です。

最後に乗り味。
シートは中々良く出来ていて、
長距離で乗っても負担は少ないだろうなと思います。
とはいえ、リーフは長距離走れないんですが。
ステアリング自体は結構な手応えがあって好感が持てるのですが、
車の挙動がどうにもチグハグな印象があります。
電池をフロアに敷いているのでロールをしない、
というのは日産が言い張る通りなんですが、
着座位置が高いので人は遠心力で外に持っていかれますし、
恐らく剛性があまり高くないので
上半身が踏ん張りきれない感覚があります。
ロール特性をどう味付けてあげるのかというのは
メーカーの腕の見せ所だと思うのですが、
それ以前な印象を強く受けます。
連動する話ですが、サスペンションの動きも
綺麗に舗装された道ではバネ下重量が軽い事を利して
中々重厚な走りをしてくれるのですが、
連続的に入力がある様な状況になると
直ぐに処理不能になったかの様にバタバタとします。
乗り味も何だかチグハグな印象です。

荷室の敷居が、この車を雄弁に語っているかな。

料理人の道場六三郎さんがかつて、
”最近の料理は素材を活かすといって、
切って盛っただけが如何に多いか”
なんて事を仰っていましたが、
リーフ正しく食べてみれば材料と調理法が
素人でも分かる様な車でした。
それでも美味しければまだ救われるんですが・・・
個別最適で総論として80点辺り目指す
日本的な企画が最早通用しないのは
明確なコンセプトと社会要件から生まれた技術革新で
一皮むけた印象が強い欧州車を見ると
如実に感じます。
動力を変えたところで作り手の本質が変わらなければ
それなりの物しか出来ないという事を
リーフは証明しているのではないかと思います。
とはいえ例えば矢の様な加速感など、
電気自動車としての可能性は感じましたし、
元々高い技術は持っている日産ですから
今は醜いアヒルの子なリーフを
立派な白鳥に育てて欲しいなと思います。
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異彩を放つルノー

2011年07月10日 | 試乗記
元町のF1イベントで走ってた車かな?

金曜日、タバコを買いに外へ出ると、
会社の下でルノー・ウインドの簡単な展示会を
していたので、座らせて貰いました。
雑誌やネットで見た印象だった
写真で見る限りズングリとした外観は
実物を見ると中々のプロポーションです。
この手の車は最初の1秒印象が勝負だと思いますが、
合格と言えるでしょう。

内装は拍子抜けするほど簡素。だがそこがいい。

ウインドに座って感心したのは、
素っ気ないにも程がある内装の簡素さです。
とはいえステアリングが革巻きだったり
押えるところはおさえていますが、
国産メーカーだったら絶対にやりそうな
高い車だから取り敢えず付けた的な
メッキパーツはありません。
かつてあったビーチカーの様に
名前のウインドの通り羽織る様に
気軽に乗るという事を徹底して
企画した車なんだろうなと思います。
車はあの手この手の広告とは裏腹に
大真面目に作られているものが殆どですから、
こういう企画力は凄いなと思います。

潮流はあるんですね。

ウインドを日本へ入れたのは端的な例ですが、
最近、ルノージャポンの動きが面白いと思います。
既にここ何年か続いているルノースポールだったり
ゴルディーニといった、
特別モデルを選んで日本に導入してくる事、
”流行ってるらしいんで、一応やってます”の域から
一歩踏み込んでいるソーシャルメディアへの参入、
上の6月26日のツイートが端的に表していますが、
”今までこうだったから”ではなくて、最適を考えないと
これからの商売は成り立たないという事を、
売り手の都合を買い手に押し付ける傾向が強い
自動車業界にあって
変革を実行する急先鋒になっていると思います。

とはいえ正直、これでちゃんと採算が合っているのか
心配してしまうところもあるのですが、
外車は敢えて買われる物ですから、
こういう姿勢はきっと世間に届くと思います。
ルノージャポンには成功して欲しいなと思います。
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「基本」は楽しい

2011年05月20日 | 試乗記
夜逃げではありません、ちなみに。

C4の症状は気になりますが、
気を揉んでいても治らないので無駄話を。

最近、引っ越しをしました。(いわゆるマスオさんに・・・)
年度末の佳境と重なっていて
断捨離ままらなずの引っ越しとなったので、
荷解きをすると要らないものの山。
近所のオジさんに軽トラを借りて
粗大ゴミ集積場へ持っていくの図が、
上の写真です。
コミコミ15万で買ったというこの軽トラは伊達ではなく、
(って事は、車代ゼロ円か?)
アクセルを吹かしていないと、
勝手にアイドリングストップします(苦笑)。
でも、車好きの中では定説ではありますが、
軽トラが持つプリミティブな感じは
車好きの本質に触れている様な気になります。
(きっと錯覚です)
先日乗ったメガーヌに比べたら
オモチャ(ガラクタか)みたいなもんですが、
マニュアルになっただけで、
車って4割増くらいに面白くなるよなと
再認識したのでした。
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一目惚れは、大体当る。

2011年05月19日 | 試乗記
やはり現物も格好良かった。

実はタイヤ交換以上に前の話だったりするんですが、
メガーヌRSに乗ってきました。
RS縛りという事は全く無いのですが、
メガーヌは3年程前に本国でデビューした時、
余りの格好良さに目を奪われた車でした。
ところが待てど暮らせど日本への導入はお預け。
満を持しての登場、しかもRSというのは
私にとって興味ありまくりな訳です。

無慈悲なまでの加速で置いていかれるの図

メガーヌは写真を見て一目惚れしたという以外にも
若干の親近感があります。
旧型のRSを同僚が乗っているので、
それなりの距離を運転させて貰った事があるからです。
新旧比較、気になりますね。
旧型は低回転からでもモリモリと加速していく太いエンジンと
剛性の塊の様なボディーと足回りが印象的。
足が吊りそうな浅いポイントでミートするクラッチ
硬派で男の乗り物然としていて、
ルノーというよりは日産っぽいなという印象と、
軟弱な私に飼い馴らせる車ではないな、
という感想でした。

殆ど天井を向いているメーターは、何を意図しているんだろう?

ところが新しいメガーヌRS、
試乗車はオプションの19インチ+コンチの35タイヤ(!)
を履いているにも関わらず
乗り味はノーマル車の様に至ってしなやか。
先代と全く違う印象です。
もちろんボディが緩いなんて事がある訳なく
段差を超えても、軋み音ひとつしません。
最近の欧州車に乗ると良く思うのですが、
硬い印象は全く無いのにボディーはしっかりしていて、
足回りとの調和がしっかりと取れているので
今までは車の癖の様な物が見える状況にあっても
何事もなかった様にこなしてしまう車が
多くなった気がします。
RSも最新のモードで作られた車という訳です。

リアシートも大人が普通に乗れるんですが・・・

RSにはレカロのシートが標準で付いてきます。
何かと人間工学を盾にとって善意の押し売りをしてくる
レカロはあまり好きではないのですが、
RSのものは背中で体を支える、フランス式のシートなので
レカロって書いてあるだけじゃないの?とか思ったり。
至って快適です。
ただ、うろ覚えな記憶との比較でいうと、
旧型のメガーヌRS(ノーマルは乗った事が無い)のシートは
絶品の類いに入るものだったので、
オーナーが乗られたら、退化したと思うのかもしれません。
兎もあれ、高性能なレカロシートではあるんですが、
後に座る人が足先を潜らせる部分を潰してしまっているので、
折角普通に乗れるスペースがある後席の居住性を
台無しになってしまっているのが
この車最大の欠点だと思います。

黄色いステッチは、すっかりルノー・スポールのトレードマークですね。

先代から明らかな改善が、もう1つあります。
クラッチのミートポイントが
ごく常識的なところで繋がる様になった事です。
どうもルノーは踵を上げるくらいに
浅い場所でクラッチミートするのが伝統らしく、
同僚の先代RSに乗せて貰って、一番辛かったのは、
渋滞に巻き込まれた時に左スネが吊るんじゃないかと
ヒヤヒヤした事だったので、正常化は大歓迎です。
エンジンは先代の時点で既に文句無しなんですが、
3速でトロトロ運転していても
少しアクセルを踏めば直ぐに怒濤の加速が始まる
今時の嘘くさいターボエンジン。
箱根あたりで炸裂させたら、○上死しかねないですね。

LEDデイライトが着かないのは、残念。(法規制で付けられないんだとか)

ハンドリングは至ってニュートラル。
大きなタイヤを履いているのに
足回りのドタバタ感も全くなく、
とばさなくても良さは分かる、という類いです。
座った瞬間に徒者ではない感じが伝わってくる、
良い車特有の雰囲気を持っています。
ちなみに日本モデルで標準のカップシャシーは
18インチでセッティングしているそうなので、
見た目以外に19インチのメリットは無いそうです。

正直、ここまで完成度が高いとは思いませんでした。

エアロパーツのやり過ぎ具合は気になるものの、
これだけの完成度を持った車が
400万で買えるというのは中々衝撃的ですね。
ところで私にとっては現実的なノーマル車の情報。
5ドアがそろそろ発売されるそうなんですが、
パワートレインは大雑把に(ミニバンの)セレナと一緒なんだそうです。
直噴の2リッターエンジン+CVT。(アイドリングストップも付くのかな?)
色々乗った結果、CVTは全く性に合わないので、
一気に萎えてしまった感じです。

一目惚れの相手は叶わぬ夢なのかな・・・

私が言うまでもなく車は変革期にあって、
実際に色々な新世代の車が出てきています。
私も興味本位で幾つか乗せて貰ってはいるんですが、
欲しいと思った車は、ホンダのCR-Zだけです。
スポーツカーだからという事ではなくて
車としてしっかりと作られているんですね。
環境性能も大事なんですが、それ以前に車ですから、
メガーヌRSが作れるルノーのエコカーは
信じられる気がするのです。
(あ、でもインサイトは最低だったな・・・)
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混ざったクロスオーバー

2010年06月10日 | 試乗記
コンソールの下には、何が隠されているんだろう・・・

引き続いて試乗したよ編です。
今回、発売された後の土日という事もあって
見るだけと思って行きました。(買えないし)
実際順番待ちだったので人気だったのは確かですが、
スタッフの方がそそくさと試乗の手続きへ・・・
ヘ?と思いながら身を任せていたのですが、
後から思うと中から作っていって
出来上がったらこういう形でした
という作りの車だと思うので
プジョーのお店は比較的"先ずは乗って下さい"
という傾向が強いのも確かですが、
試乗を勧めるというのは正しいと思います。

男子垂涎のトグルスイッチ。

という事でウォークアラウンドの感想をすっ飛ばして
(実際は”じゃあ行きましょうか”と催促されるまで見ていましたが)
乗った感想から入ります。
ドアを開けて驚くのはそびえ立つコンソールです。
下にはフルボトルが入れられる冷蔵庫・・・
はありません。謎です。(4WD化に備えて?)
座った印象はアイポイントの高さも
椅子の様に座る姿勢もピカソに近いと思います。
SUV系のクロスオーバーという事だそうですが、
座った感じはミニバンですね。
コンソールに囲まれるので
窮屈なミニバンといった印象です。
シート自体は最近のPSAらしく
あまりフランスの香りがしない薄い形状ですが、
フトモモにちゃんと加重がかかる疲れない設計なのが
流石は椅子にウルサい国の車ですね。

(試乗記が中々走り出さないのがフランス車乗りの特徴です。ご了承ください。)

椅子状のシートは、座るには正しい姿勢ですが、
車は走るとロールもピッチングもするので
体を支えるには不都合な形状でもあります。
飛ばす気にならなくなる形状という事です。
私がミニバンを嫌う一番の理由はそれです。
ところが3008。そびえ立つコンソールが
脚を支えてくれるので、意外と安定しています。
そして秘密兵器のサードダンパー。
話を聞いてパフォーマンスダンパーを連想しましたが
(何故ならC4への導入を考えているから)
カタログの解説CGを見てみると
”え、今時トーションビームだったの?”
と思ったのはさておき、
この第3のダンパーはバイクでお馴染みの
リザーバータンクの様な働きをしている様ですが
効果は絶大で、それなりのペースでも殆どロールをせず、
人だけおっとっと・・・という事にもならず(当たり前)
したっとコーナリングをしていきます。
(後席は買う気が無かったので未確認)
つまり、3008はこの格好に騙されますが、
始めからミニバンやSUVを作る気はなくて
座る姿勢は最適に、でもそれなりにも走れる
実用ドライバーズカーを作ったらこうなった
という車なのではないかと思います。
「となりのトトロ」に"ねこバス"という
名前の通りな外観の妖怪(?)が出てきますが、
乗り心地はフカフカ、でも林を駆け抜けても
サツキが後ろで転がっている事も無い、
あんな車だと思います。
格好もそんな感じですし、開発者の中に
ジブリファンがいたに違いありません。

更に男子の心をくすぐる、ヘッドアップディスプレイ
(前の車に”LOCK”とか印が付いたら、更に萌えます)

この車というか最近のPSA車のハイライトである
ツインスクロールターボ+6ATですが、良く出来ています。
(うちのC4含め)旧いパワートレインに特有の
”オイルで満たされてますよー”
といった感じの粘度は全く感じなくなりましたが、
これならワーゲンが羨ましくならないと思います。
C5は俄然楽しみですね。

こんなところにもメッキ!

最後に3008のダメだった所も書いておきます。
先ずはブレーキ。
利かなくて危ないという事は全く無い前提で
フィールが良くありません。
止まる寸前で制動が抜ける印象があるのと、
微調整にも反応しない感じでした。
それからプジョー全体に言える事ですが
もう少し乗り味が欲しいなと思います。
意図的に無国籍料理風に仕上げているのかもしれませんが
306や405にあった、筋肉っぽいバネ感
みたいな物がもう少しあったら、
深みが出るのになと思います。

内容を考えてればかなりお買い得な車ですし、
クロスオーバーには"混ぜた"車が多い中、
3008には混ざったといった風な
フランスらしい実利主義を感じるので、
長い友としても良い車ではないかと思います。
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謎の3008

2010年06月09日 | 試乗記
早速乗ってきました。

この週末はAnti Retro Night当選の連絡が来ていたので
そういえばシートに座ってもいないDS3の予習がてら
ディーラーへ行ってみるか思っていたのですが、
私が不勉強なのか突然現れた感がある
プジョー3008がとても気になっていたので
神奈川県でのシトロエンの聖域である港北方面・・・ではなく、
鎌倉街道に乗ってプジョーのディーラーへ行ってきました。

”やる気あんのか?”という言葉もよぎる外観。

私は良く考えて綿密に作られた物よりも
突拍子も無い物の方が好きな傾向があるので、
”突拍子もないプジョー”、3008はかなり興味があります。
SWがあるのに、何で今頃こんなの作ったの?とか、
ミニバンスタイルで5人乗りって、もしかしてアレの再来?とか
(未だに”アレ”には中学生の頃の、クラスのマドンナを思い出す様なセンチメンタリズムを覚えます。)
フランス車メーカーの中で一番の良識派なプジョーが、
(良い意味で)こんなストレンジな車を作ってきたのは
きっとDS(宇宙船でも携帯ゲームでもないよ)よりもっと
面白い事になっているのではないかという勘からです。

308といえば、このメーター。(ホレボレする・・・)

漠然と3008に乗っても得るものは少ない気がしたので
車待ちの時間を使って(アポ無しだったんで)
308の復習をしました。
ちなみに新発売の頃に乗った時の記事を読んでみると
何を言っているのか良く分からない駄文ぶりは兎も角として
高級だという事だけは分かった謎のフランス料理
の様な感想だったなと記憶が蘇ってきます。
値段も含め、プジョーは今までの客を全部捨てて
アウディ辺りに戦いを挑もうとしてるのかな
なんて気もしていたのを思い出します。
翻ってショールームにあった308SW、
マイチェンで装備を簡素化したそうでかなり普通です。
当時のプジョージャポンの、作戦ミスという事ですね。
きっと今くらいの方が、308らしくて良いと思います。

これは乗れないだろう・・・

ところで3008なのですが、
普通に考えるとSWを5人乗りにして
こっちを7人乗りにすればいいじゃないかと思います。
何しろ、SWの3列目はこんな状態ですから。
それでもミニバンスタイルの5人乗りにしたのは何故か、
ハテナとともに期待が湧いてくる3008です。

(つづく)
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朱に染まって紅くなりはじめたか

2009年06月01日 | 試乗記
デ・ニーロの好演が光ります

シロッコを見に行った帰りに、気になっていたレガシィを見てきました。
私のレガシィに対する評価は、どうやらマイナスとプラスを繰り返す様で
前回は珠玉の出来だと感心したので、今回は厳しい番かも知れません。

説明不足である事は間違いありません。

何だか格好悪くなっちゃったなぁという評判の新型レガシィを実際に見てみると
確かに商用車みたいです。日産ADバンと何が違うんだと問われても、
大きさが違うくらいしか即答出来ません。(面の構成なんかは全然違いますけど)
何でこういうデザインにしたのか少し考えたのですが、答えは簡単でした。
今度のレガシィはアメリカで売りたかったんですね。
家に帰ってネットで見てみると、レクサスの新型ハイブリッドセダンや、
フォードやシボレーの現行セダンに良く似ています。
横幅を目一杯使っている(なので真四角に見える)のがアメリカでは流行の様で、
ヨーロピアンデザインが好きな日本人の目から見て格好悪く思えるのも、そこでしょう。
多分、この車のデザインが完成した頃は確かに有望な市場だったんでしょうが
今となっては日本をジリ貧市場だと見捨ててしまった事を後悔しているかもしれません。
それは兎も角、何年かしたら意外とこれがトレンドとして定着する可能性はあります。
デ・ニーロを起用したのもアメリカ臭を漂わせる作戦なんでしょうか。

アメリカ臭とともにトヨタ臭を感じる内装・・・(メーターは格好良い)

レガシィのアメリカ化は中に入ると顕著で、垂直と水平が基調になっています。
微妙に曲線が入っていてアメリカ人になり切れていなかったり、
メーターは青/白基調なのにインパネのボタンは赤く光る所などは
また何も考えないで作っただろうと思わせる、相変わらずの支離滅裂加減ですが、
それよりかつてメガウェブで座ってみたプレミオの香りがとてもするのが
やっぱりトヨタの子会社になったんだなと思わせます。
同じトヨタでも”家電みたいなもんですが、何か?”とでも言っている様に
相当に突き抜けているカムリ程、特徴的でもないし、
アウトバックの木目に象徴される様な、少し古いトヨタを連想するのが少々悲しい。
新型の登場はレガシィ20周年記念でもあるそうですが、
トヨタの中のスバルとしてレガシィをどうして行くのかが、まだ見えていない気がしました。
生粋のレガシィラバーズなら、その歴史を共有する事も悦びかもしれませんが、
一般人がデ・ニーロの様に所有する喜びに浸れるのかというと、
先代から退化してしまった気がするのは、そこかもしれません。
今時排気量を拡大してしまって、イノベーティブからは逆行してる面もあるし。。

またつまらぬものを・・・(嘘です)

車は走らせてみないと実際の所は分からないので、
そういう意味では気付かなかった素晴らしい点もあるのかもしれないですが、
見て座ってみた限りでは、作り手の事情が色濃く見えたのと、
徒者ではないのは見れば分かると思える程の説得力も無かった気がしました。
ともに名の知れた車ではありますが、立ち居値が今ひとつ明確ではないので
買う方も自分はこれを買っていいものなのか、迷うでしょうね。
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高い買い物なんですが・・・

2009年05月31日 | 試乗記
楽天の領収書かと思いました。

ワーゲンのお店から至ってビジネスライクな案内が届きました。
中身はシロッコのデビューフェアのご案内だそうです。
折角のご案内ながら全く興味が無いなぁと思っていたのですが、
今日は奥様の実家へ行っていて、特にやる事も無いので暇潰しで見に行ってきました。

無かった事にされているコラードの心境や如何に

シロッコには特に感慨も思い出も無いのですが、
2代目シロッコの後継であったコラードには友人が乗っていたので思い出があります。
今でも2週間に1回くらいはメールの遣り取りがある友人なのですが、
その彼、大学入学とほぼ同時にコラードVR6を新車で買うという暴挙に出ました。
夜学生で定職があった事と、実家通いだった事もあり、出来ない事ではないのですが
それにしても車代だけで400万、当時は3ナンバー税もあったので相当な額だったと思います。
狭角15°が話題をさらったVR6エンジン、70キロくらいになるとせり上がるリアスポイラー、
用途が良く分からないフォグランプのハイビーム、
何よりこち亀の本田の生き写しの様な、友人のスリルドライブを思い出します。
そのコラード以降、久方ぶりのワーゲン・クーペ、シロッコはどうだったかというと、
やはり慣れない事はやらない方が良いという感想でした。

横からの写真が無い理由が良く分かりました。

店員さんはデザインを重視とか格好良いという言葉をリフレインしていましたが
(そう言うしかないでしょうが)
ディテールは兎も角、プロポーションがどうにもメタメタです。
デザインが事情に負けてしまったんでしょうね。
内装は更に残念な感じでゴルフと比べても緊張感が無いデザイン、
何より地味というのは商品の成り立ち上、致命的ではないかと思います。
屋根を高くするかショルダーラインを下ろして、ホイールベースを10センチ位縮めて
パサードCCのタン革内装にしたら(上級グレードはそうらしい)格好良い車になると
言うのは簡単なのですが、それを最初から出せないというのはちょっと厳しい。
特にクーペという種類の車には伊達が必要だと思うのですが、
雑誌の物真似をすれば格好がつく様な物で語ってはいけないんだと思います。
ワーゲンにしては珍しく、誰に売ろうとしているのか良く分からない車でした。

そんな不器用なワーゲンが微笑ましいですが、シロッコ、車代だけで400万しますからね・・・
(実は後半に続く)
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