マジンガー通信

多分500万人に1人くらいの割合でしか役に立たないシトロエンC4にまつわるお話など。

不屈の男、ザナルディ

2012年09月06日 | 車以外の話題
爪のあかを煎じて飲みたい気分です。

source by ESPN F1
ロンドン在住の友人(数人)の話によると
日本ではあまり報道されないロンドンパラリンピック、
現地ではプラチナチケットになる程の大盛況だそうです。
マックのハッピーセットのオマケが
あのロウソクのお化けみたいなマスコットが
障害者用自転車(正しく上の写真)に乗っている
人形だったりするそうです。
そんなパラリンピックですが、
レース好きに嬉しいニュースが入ってきました。
写真の彼、アレッサンドロ・ザナルディといって
元F1ドライバーなのですが、
自転車競技に転身して、見事金メダルを取ったそうです。
いやぁ、嬉しいですね。
ん?でもF1走っていたのにパラリンピック?
というのが今回のお題。
どれだけの困難も克服し続ける
彼の素晴らしい生き方の紹介です。

アメリカレース界を席巻していた頃のザナルディ(赤い車)
(ちなみに、今のルールでこういう抜き方をすると、ペナルティを取られます。汗)



ザナルディはイタリア人の元F1ドライバーで、
セナなどが走っていた頃、中~下位辺りを走っていた
F1好きでもないと知らない様な選手でした。
彼はF1で大した成功を収められず、
アメリカへ活躍の場を求めます。
今はもう無いのですが当時はCARTという
F1の様なレースが大人気で、
そのスタードライバーとして大成功を収めたのですが、
2000年に大きなクラッシュを起こしてしまい
膝上から下の両脚を失ってしまいます。
その前年、F1に復帰したものの鳴かず飛ばずで
失意の中アメリカで再スタートを切った矢先の事故、
取り敢えず一命を取り留めただけでも良かった
というのがファンを含む関係者の感想、
つまり、彼のキャリアは終わりと誰もが思ったのでした。
ちなみに30年近くレース好きをしていますが、
このシーンの画像/映像は個人的にも二度と見たくない
と思える程に突出して衝撃的なので
検索はしない事を強くお奨めします。

ところが奇跡の復活を遂げるのでした。


2001年の事故からおおよそ2年後、
誰もが彼の名前を忘れかけていた頃、
ザナルディが特別改造をしたレーシングカーを
ドライブしたという記事が載りました。
正直、彼の未練を断ち切る
儀式の様な物だと思っていたのですが、
BMWの援助を受けてレースにも復帰します。
戦場はぶつけ合いが茶飯事のツーリングカーレース。
ここでも彼は非凡な才能と不屈の精神で
幾つかのレースで勝利。
ハンデなど全く関係無い走りを披露します。

彼は2009年をもってレーシングドライバーを引退、
そして今回金メダルを取った自転車競技へ転身します。
今年で41歳のザナルディ、
障害者競技といってもパラリンピックレベルとなれば
勝負の厳しさは健常者と何も変わらないので
年齢的に厳しいと言われていたそうですが、
見事に金メダル。
個人的に丁度脚を怪我しているので、
脚が不自由である事をほんの少しは共感出来る中、
彼の挑戦の姿勢は学びたいなと思います。
Comment (1)
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