マジンガー通信

多分500万人に1人くらいの割合でしか役に立たないシトロエンC4にまつわるお話など。

シグネット

2009年07月06日 | 車好き話

出張族ですとピンと来るのはANAの待合いラウンジの名前ですが
アストンマーチンが4ドアサルーンのラピードに続いて
シグネットという車を開発しているというニュースが配信されました。
アストンといえばマスプロとクチュールの境界線の様なメーカーですから
本来、自動車界隈か大金持ち界隈で盛り上がるべき話のところ
ヤホーや新聞社が取り上げている理由はベースとなる車がトヨタiQだからです。
アストンが他所の作った車にバッヂを貼るというのは
オークションの類いで何年かごとに出品されて高額で落札されるDB4ザガートや
リアルタイムでは80年代終盤に数年間だけスポーツカーレースへ参戦した時に作った
AMR1(超美麗なレーシングカーでした)くらいしか思い当たりません。


では何で前代未聞な事をしてまでシグネットを作ろうとしているのか、
一番は排ガス規制との絡みでしょう。
昨今、欧州メーカーが蜂の巣を突いたかの様にハイブリッドや
環境技術を発表しているのはプリウスを脅威を感じている訳ではなく
2012年から罰金を伴った厳しい排ガス規制がEUでは施行される予定だからです。
(ちょっと情報が古いですが、詳しくはこちらで)
EUの排ガス規制は車単位ではなくメーカー(やグループ)単位で査定されるので
大抵のスポーツカーメーカーは難を逃れる事が出来るのですが、
(フェラーリはフィアットグループ、ランボルギーニ/ポルシェはVW/アウディグループなど)
フォードグループから外れてしまったアストンは自力で何とかしなければなりません。
ちなみに基幹車種のDB9で計算してみると、5.9L V12を搭載しているMT仕様で389g/km
1012年基準では259g/kmオーバーで5180ユーロ(70万円程度)、
規制が100%施行される2015年になると330万円程度にまではね上がります。
アストンは年産8000台規模の生産設備を持っていて近年はフル稼働状態という事なので、
簡単に算数すると2015年基準で264億円の罰金となってしまいます。
そこで未達分を少しでも相殺させる車としてシグネットが必要となったのでしょう。


そう言えばシグネットのニュースを見る何日か前に、
ヴィトンがUSBメモリーを発売するというニュースが出ていました。
4GBの容量で価格は驚きの5万円超。
大安売りであれば1000円で買える容量、128GBのUSBが買えてしまう値段です。
しかも写真で見る限りプラチックのシルバーメッキにヒモという仕様の様。
でも、私、これはアリだと思います。(買いませんが)
アストンは金さえあれば買って良い物ではなく、相応の身分が必要だという意見に
私も概ね賛成なのですが、例えばシグネットはアストンにとってモノグラム・マルチカラーの様な
アストンを知っている人が洒落で羽織れる様な物と考えたら、面白い存在だと思います。
実際のところ、予想価格ではiQの倍程度、2万ポンドで売られるらしいので、
恐らくミドルハイの層がTTやSLKの代わりに乗るというのが現実的だと思いますが
ファッションアイテムとして、こういう車の作り方というのが
一つの流れになる様な予感もします。
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コピペじゃなくて良かった。

2009年07月03日 | シトロエンの話

C3がモデルチェンジをしたそうです。
そう言えば我が家はそもそもC3を買おうと思って
シトロエンの店へ行ったので、
試乗もしていますし、それなりに知識もあります。
屋根が開く仕様のグラスルーフが羨ましい事と
シートの調節レバーの位置と動きが余りに非常識だった事、
キュートな格好に反して下半身のどっしりとした、骨太な乗り心地と
Cを名乗りながらも品質は前世代並だと思ったのが大雑把な印象です。


その知識をふまえて新型を見てみると大分上等になった様です。
端的に現われているのは、売りでもある尋常ではない大きさのフロントガラス。
(ゼニスウインドウスクリーンというそうです)
ピカソの様に複雑な三次元加工を施した大きなガラスを
このクラスの車に使って来るのは、異例な事。
結構なお金をかけて作られた車だという事が分かります。
冷静にコメントをすると、こんな車に夏場乗ってしまったら
リアルに茹でダコ体験が出来る事必至だと思いますが
意地になって1枚ガラスにした心意気は買いますし、
新型C3のクオリティレベルを語る端的な部分だと思います。
でもやっぱり・・・と思ってしまうのが侍の剃り込み月代サカヤキというそうです)に見えてしまう事。
フィアット500(と書いてチンクェチェントと読む)デュアリス(と書いて恥知らずと読む)
を筆頭に一般的なグラスルーフ車は大抵そうなのですが、
屋根の鉄板が残ったグラスルーフにはSAMURAI spiritsを感じてしまいます。
旧型C3や手前味噌ですがC4、メガーヌCC、911タルガの様に
潔く屋根は全面ガラスでないと、ちょっと格好悪いのではないかと。


内装に目を移すと、どうもC5の様なデザインテイスト。
写真の撮り方が良いのか呆れる程の質感を持っている様です。
ただ、小型車ですし、外からも良く見えるんですから、
もう少し遊んでも良いのではないかとも思いました。
DS3がシック路線であろう事が確実なので、余計に差別化すべきと思います。
センターフィックスドハンドルは予算オーバーだったのか
DS3へ取ってあるのか、ステアリングはコンベンショナルな物が付いています。
見た目硬そうなシートはどんな出来なのか、興味があります。




新型C3で大きく嬉しかったのはDS Insideのコピペではなかったという事。
旧型C3はロングホイルベースである事が
このクラス特有のコロコロ感を絶妙に抑えていたと思いますが、
新型もほぼ同じ路線の様、C4のミニチュア版といった方が近いかもしれません。
どうにも新しいデザインの方向が良いとは思えない私としては
旧型のデザインテーマを踏襲したのは嬉しい事ですし、
これを元にDS3を作る訳ですから、今後出てくる車にも影響があると思います。
更には世界不況の影響を受けず潤沢な資金を投入して作られた車も
そろそろ打ち止めな頃合いという事も考えると、
シトロエンのこれからの量産車を方向付ける1台という意味でも注目です。
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