ファーマータナカのアルコール学び直し講座第2回「日本(の)ワイン」。
これまで、カクテルストーリーや我楽多酒整理編やラム酒世界旅など、珠玉のショートストーリーやエッセイを通して、お酒の話を世間の迷惑顧みず世に垂れ流してきた。
ただ、この歳になって、ただ飲めればいい酔えればいいでは、あまりにも情けない。
かのフランスロマン主義の詩人で小説家ビクトル・ユーゴーは「神は水を作ったが、人はワインを作った。」と言っておる。
僕ら紳士淑女の飲酒行動には、それなりの意味づけと知識武装が必要ではあると思っているのだが、ワインは神が水を作るほど偉大な所作であるし、実のところ当地にはワイン博士と呼ばれるくらいのI氏とか、自然派ワイン販売会社で急成長しているN氏とかの知り合いもいて、お前がワインを語るには100年早いとツッコミが入りそうなので、今回は周辺情報というところで逃げ切ろうと思う。
ドラッグストアなどで、「ポリフェノールたっぷり酸化防止剤無添加」と表示された、紙パックやペットボトルワインが売られている。
メーカーもサントリーやサッポロやメルシャンで(だから信用できる?)、無茶健康に良さそう(量を飲めば良いわけない😌)で、一番の魅力はその価格の安さだ。
おまけにアルコール度数の高いストロングまである(益々健康に良くない😖)。
しかしこれらは、ワインではなかった。
厳密にいうと、「国産ワイン」ではあるが、「ワイン」ではなく国内で製造されているが「日本ワイン」でもないのである。
これらのワインは、原料に「濃縮還元ぶどう果汁(外国産)」の表示があって、輸入した濃縮果汁にアルコールや水や糖分等を添加して造られるワインもどきなのである。
そもそも世界の多くの国でワインとは、原則原料はぶどうのみであり、造る際に加水することは禁止されている(例外有り)。
ところが日本では外国産の原料を使用していても国内で製造していれば「国産ワイン」となる。
日本にはワイン法の様なものがなかったが、最近やっとラベル表示をわかりやすくするための基準が施行され、国産ぶどうのみを原料とし日本国内で製造された果実酒が「日本ワイン」と表示されるようになっている。
「日本ワイン」は昨今注目されのびしろもあるが、気候変動や品質の安定、栽培技術や醸造技術の向上等課題も多い。
ここは、日本ワインを(多)飲することで応援するしかない。