スパイスコラム

陸の孤島から、せめて一振りのスパイスを!!

再生

2024-06-25 04:46:50 | 農業
ファーマータナカの気になるワード「廃校Re:Born」。

再生って、夢も浪漫もある魅力的な言葉。
雑誌を流し読みしていて、見つけた記事にそれはあった。
出来得れば何とか自分ももう一度再生できないものか。

過疎化で廃校になった校舎を再利用しようという話は、私自身が新規就農者として大分県に移住した頃(1997年)にも既にあちこちで聞かれた。
しかし用途は社会福祉や教育関係施設、ネットが普及してからは良くてスモールビジネス支援などで、総じて採算が取れて有効利用されているかと言えばそううまくはいっていないケースも散見された。
(天神ビッグバン福岡市の大名小学校跡地利用等は別格だろう)
実際就農先の廃校跡で村がヒラメの養殖にチャレンジしていたことがあり、一緒に移住した娘が一時期その仕事に携わっていたことがあるくらいだ。

この事例は、校舎で水耕栽培でレタスを育てるだけでなく、野菜の残渣で鯉等の水産養殖をするとともに、太陽光自家発電に関する特許技術と合わせてエネルギーも生み出すという。

過疎化と言う社会課題に対して地方創生はもとより、食料、環境、雇用問題の解決と、これが軌道に乗るのなら正しくRe:Bornであろう。

ただ水耕栽培に関して元プロとして一言言わせてもらえば、これだけ技術が進歩し大手もこれまで何度も参入しているにもかかわらず、あまりうまくいっていない(最近ではパナソニックやNKアグリの撤退)のは、理屈は至極真っ当に見えるのだが、栽培できる品目がレタス等に限られていること、設備費光熱費等に莫大な経費がかかることなどの解決すべき根本要因があるためで、その辺がどうクリアされていくのか、注視したい。

株式会社HPRS

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菜々子

2023-06-27 08:50:21 | 農業
ちょっと前になるが、地元久留米のサラダ菜を使った「くるめ菜々子」と言うパスタを、JAくるめと地場企業が共同開発、販売を始めたというニュースを見かけた。

ネーミングも悪くない。
色もいいし、ヘルシーな感じで、体にも良さそうなイメージ。
溢れる郷土愛と農業の過酷さを熟知した元農業人としては、是非ヒットしてほしいとは思う。

サラダ菜はキク科の野菜で、バターヘッド型レタスのこと。
市場的にはレタスの補完的野菜でスーパーには必ずあるが、所謂棚飾り的商品で、多分あまり売れていない。
実は福岡県は何と全国一のサラダ菜の生産地で、遠く関東まで出荷している。

農業というものはなかなか難しいもので、できる事と売れる事は同義ではない。
端的な例が豊作貧乏である。
大量に余った二束三文の廃棄した方が損が少ない生鮮野菜の山を見て、誰でもが考えるのが6次産業というやつなのだが、これが又曲者だ。
勿論需要は作り出すものとの考えもないわけではないし、農産加工品の中にはヒット商品がないわけではないが、現実はそう甘くない。

健闘を祈る。

(文章に悪意を感じられる方がいるかもしれない。実は農業にチャレンジした時、最初に作ったのがこのサラダ菜で、どこの市場に営業に行ってもガリバーのようなこのブランド商品であるサラダ菜が市場を独占していて、全く相手にされなかった怨念がある😠)
久留米産サラダづくしのもっちりパスタ!

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田植え

2023-06-24 07:36:37 | 農業
夏至の候、田植え真っ盛り。

苗って何株ずつをどのくらいの株間で植えるのだろうかって、元百姓の端くれだったせいかふと考えて、1反に何株植えてそれが何粒になるのか気になって朝から計算を始めたが、そんなことをしてる場合ではなかった。
結果が判明したら後日のレポートとしたい。

「一粒万倍日」という言葉がある。

種籾(たねもみ)一粒から一本の稲ができ、この稲から万倍もの数のお米が穫れること、すなわちわずかなものが飛躍的に増えることを意味し、この日に始めたことはやがて大きな成果を上げると言われる。
おおよそ6日に1回、ひと月に5日、1年間だと約60日あり、直近では6月28日だ。

おっと現実は苗を植えるより、休耕田(人生の店じまい)を考える時期だった。

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2023-03-23 08:51:41 | 農業
ファーマータナカの久々新農業講座第?回は「日本人がコメを食べられなくなる」。

スーパーには白米やレトルトご飯が溢れ、お替わり自由の牛丼屋も健在、ほか弁でもてんこ盛りのご飯がついてくる。
しかしだ…(記事から抜粋する)。

・ 米価下落と肥料高騰によってほとんどのコメ農家が赤字に沈んでしまうことが判明。
・ 特に肥料は前年比7割アップ。
・ 肥料の原料は尿素リン安カリだが、そのうち尿素とリン安は中国が最大の生産国、カリはカナダとロシアとベラルーシが主な生産国。

かって農業をやっていた時、原油と肥料価格の暴騰により、死にかけた経験がある。
農業経営に限らないが、経営努力の埒外の何とかなるだろうは、どうにもならないところに来ていることを知らねばならない。

日本人がコメを食べられなくなる日が現実に…個人経営の農家は大赤字で離農加速の深刻

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ナス科

2023-02-24 07:20:32 | 農業
ファーマータナカの今日の地上絵「ナス科🍆の地上絵」。

トマト🍅もジャガイモもナス科🍆の作物です。

因みに、農業(1997〜2013)では、トマト🍅とサラダ菜を作り、酪農(1978〜1983)では、ホルスタイン🐄を飼っていました。





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リービッヒの最小律

2022-12-06 09:53:15 | 農業
ファーマータナカの農業講座基礎編第?回(前回がいつか忘れた)。

「リービッヒの最小律」とは、植物の生長速度や収量は、必要とされる栄養素のうち、与えられた量のもっとも少ないものにのみ影響されるとする説。
それを分かりやすく説明するものとして、ドベネックの桶が知られている。

いわゆるフルーツトマトを作っていた時、俗に「尻ぐされ」といわれる、お尻の部分が黒くなって腐っている様に見え、せっかくの高糖度トマトの商品価値がなくなるという試練と長い間戦っていた。
主な要因はカルシウム欠乏なのだが、ただその要素を投入すればいいという単純な話ではなく完全に克服できたわけではないが、そこにチャレンジするところが農業の難しくもあり反面やりがいともいえる部分でもあった。

今日はついでにそれを人間の世界にいくつかあてはめて考察してみよう。

ひとつは、今当たり前になってきたSDGsについて、17の開発目標のひとつの気候変動への対策が仮に達成されても、たとえば貧困をなくす板を延ばさなければそこから水は駄々漏れになってしまう。
まんべんなくというより、低い部分により注力しなければならないとも言えるだろう。

二つ目は組織、組織の成長は主体的行動の最も少ないものに影響されると仮定できる。
一人一人が主体的な行動を取れているかが、組織力を高めることにつながると言えるだろう。

最後は、ネットで見つけた、ADHD/ASDを併発している書き計算運動が全くできないという方の経験談。
学校の先生に「この図は人間にも言えることで得意なところだけ伸ばしても良いが、苦手なことにも挑戦すると良い桶ができる。」と教えてもらったという話。
その方曰く「私にはできないことがたくさんあり、苦手を克服できたこともないですが、失敗したことに対し良かった点を見つけるようにしてます。物事には良い側面悪い側面とがあると思うので私は苦手なことを克服しようとすることは全て時間のムダというわけでもないと考えます。」という前向きな思考が刺さった。
一般的には長所を延ばせというが例えばサッカー選手になれるのはほん一握りであり、その過程でさらに過酷な挫折を味わうことにもなるだろう。
目の前の苦手なものへの小さなチャレンジに拍手を送りたいし、自分もその姿勢に学びたい。
(最後の例は自己責任に帰すべきという意図ではありません。社会全体で低い板を延ばしたり桶を傾けたりして水位を高めていくのは当然だと思います、私も非難囂々覚悟の上で、真面目で面白くない板を延ばそうとしているのです😌)

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雑草

2022-08-07 07:35:18 | 農業
買物帰りに、久々の筑後川河川敷。

河川敷の草刈りはなんとか進んでいるが、法面は全く追いついていないようだ。

今日は雑草対策についておさらいしておこう。

草刈り、草抜き、除草剤、防草シート等々、雑草対策の方法は様々だが、それぞれ一長一短がある。
作物や植物にとって、ひいては地球にとっての土壌とは何かと考えると、雑草との付き合いもそう単純ではない。

・除草剤を使用すると、土壌のpHが低下し酸性に傾き、微生物を死滅させてしまう。
・草むしり頻度を減らすためには根からの除草か生長点を削るべき。
・根ごと除草すると土が固くなり、根の張りが強い雑草が生えてくる。
・作物にとって最適な土壌づくりのためには根を残して除草した方が良い。
・地下茎で増える雑草は地面の下で繁殖するので根ごと除草しなければいけない。

例えば、根を残すか残さないかという点だけでも見方によってはどちらが絶対正解とはいえないのだ。
雑草も害虫も、「人間にとっての」という枕詞が付くことを忘れてはならない。

草と付き合う武器も様々、右端の牽引式モアコン(モアコンディショナー)が懐かしい。

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肥料

2022-05-15 07:19:54 | 農業
ファーマータナカの新農業講座「肥料編」。

かって施設園芸を営んでいた時、暖房用重油の値上げに耐え切れずに原始的な農業用薪ストーブを導入した挙句失火してしまい、ウン千万円のハウスを灰にした苦い経験がある。

今農業現場の現況は
①肥料価格高騰というより肥料不足
②被覆素材や暖房用として使われる原油価格高騰
③円安によるあらゆる輸入物価押し上げ
と、農業生産者にとっては「三重苦」で、その塗炭の苦しみを思うと身につまされる。
もし今営農を続けていたら確実に憤死しているだろう。

今日は肥料についてみておく。

皆さんも昔学校で習ったのを覚えているだろう。
肥料の3大要素は「窒素・リン酸・カリ」、N・P・K である。

化学肥料で最も多く使われる窒素系肥料の原料尿素 CO(NH₂)₂ は主に石炭と天然ガスから抽出するアンモニアNH₃を用いて作られるが、ロシアは石炭埋蔵量世界2位、天然ガス埋蔵量は世界1位生産量でもアメリカに次ぐ2位。
次にリンの原料であるりん鉱石の主な産出国は、中国・モロッコ・チュニジア・米国・ロシア・ヨルダン等。
又塩化カリウムはロシアとベラルーシの生産量が世界シェアの約4割で、日本は約4分の1をロシアとベラルーシから輸入していたが、ロシアに対する経済制裁で日本が輸入するロシア産の肥料原料は現在ゼロになっている。

経済制裁といえばカッコ良さげに聞こえるが、自分で自分の首を絞めるとはこのことで、このままでは農業者は死にます。
農業者の死は、日本の民のそして世界の民の死を意味します。

※参考URL【 値上げラッシュ報道
解説:ウクライナ侵攻による食料危機、最大の脅威は「肥料不足」

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精米

2022-02-26 08:39:01 | 農業
農業で生計を立てていた時、主食の米は他給自足だった。

それというのも、稲作は自分ではやっていなかったのだが、地区の農家は全てお米を作っていて、所謂お裾分けという奴で、お米を購入する必要は全くなかったのだ。

話は逸れるが、一見貧し気に思える中山間地の小規模な農家は、世界的食糧危機が来ても絶対に死なない。
主食も副食も完全自給できており、山菜もただで取り放題(場所はなかなか教えてくれない)だ。
もちろん、牡丹(猪肉)や紅葉(鹿肉)もふんだんにある。

で、頂くのは全て新米の玄米で、精米の必要があった。
今でこそ家庭用の精米機が売られている時代になったが、田舎暮らしを始めた当初、至る所にコイン精米機があって、こんなもの誰が使うのかなと思ったが、自分だけが使ったことが無いだけで、農家は全員使うのであった。

例えば昭和のモノクロの映像とかで、酒瓶などに玄米を入れて棒で突っつきながらの瓶搗き精米だとか、山間の里を訪ねた時に見た水車小屋のシーソーのような仕掛けとかを漫然と眺めていた記憶があるだけで、籾摺りや精米といった工程をさほど意識しないまま、米=白米と思っていたフシがある。

仕事柄、関わっている子ども達に善意の寄付をたくさんいただくのだが、その中でお米はとてもありがたいもののうちの一つだ。
現在米屋での流通は30kg入り袋での取引が行われていて、30kgx2袋で1俵ということになる。
それでいただくのは、玄米で30kgという形も多く、ここにきて再び精米機のお世話になるようになったという次第である。

ただ都市近郊野菜の産地でもあり、筑後平野という米作の地域でもある割には、特に市街地中心部においては、コイン精米機は意外と少ない。
福岡市内とかはどういう状況になっているのだろうか。
ともあれ、精米したてのお米を食することができる子ども達は、ある意味幸せといえるだろう。

お米は収穫された時は籾、それを籾摺りすることで玄米となり、玄米から米ぬかと胚芽を取り除くことを精米という。
どういう仕組みで白米になるのかというと、通常は羽根の付いた攪拌棒がプロペラのように回転し、玄米同士が摩擦によって擦れ合い、お米の表面を削り取ることによって精米する構造になっているとの事、確かに精米したてのお米は少し熱を持っている。

ただ精米によって甘さと美味しさとの引き換えに、ビタミンE・B1・食物繊維・カルシウム・鉄分などの多くの栄養素が取り除かれるというのも勿体無い話だ。
昔小学校の身体検査の時、ゴム製のハンマーで膝の頭を叩かれ、脚がピクッと反応しないと脚気の疑いがあるとされたのは、白米ばかりを食べることによるビタミンB1の欠乏症だったのだ。

玄米での保管の方が米の老化(酸化)を防ぎ、栄養を抜けにくくしてくれる。
自分のためだけの精米ならちょっと面倒臭い気もするが、子ども達のための1俵分の精米なら、ご老体の足腰にやや負担がかかるとしてもやる意味は大いにある。



順番待ちが必要な時もある。



「米ぼうやくん」いいネーミングだ。
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創作座右の銘

2020-05-30 07:28:56 | 農業
それがしのように人生でここまで艱難辛苦を重ねると、座右の銘とか名言至言の類は、湯水の如く創作できる域に達することができる。
 
今の自分があるのは今自分がここにいるからだ。
選択をしないのも選択肢の一つである、今日は洗濯をしよう。
見る前に眼を背(そむ)ける。
臭いものは臭い。
今日の自分はさておき、明日の自分を信じる。
 
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