スパイスコラム

陸の孤島から、せめて一振りのスパイスを!!

親鸞聖人

2013-11-30 15:34:10 | 日記


郵便受けに一枚のチラシが入っていた。

えーるピア久留米という市立の公的施設があり、そこでは各種セミナー・教室・サークル・バザー・映画の上映会等が行われており、図書館も併設されている。
映画の上映会については、WEB上や施設内にその上映予定が表示されており、ファーマータナカも時々有り難く鑑賞させてもらっている。
多分、市民に対して評価できる提供すべき映画があり上映が決まったが、、何等かの事情で、急きょチラシの配布によって、上映の告知をされたのではと解したところだ。

「アニメ上映会 世界の光・親鸞聖人」とあり、アニメでは子供だましかとも思ったが、日本の仏教仏界では、総じて葬式仏教に堕落してしまった宗派も多く、宗教上のみならず、歴史や伝記という観点からも興味の割にはさしたる知識も持たず、かといって今更経典や専門書を読んでみるまでの積極性はない。
ここは、肩ひじ張らず、気楽なつもりで鑑賞して、更に興味の糸口にでもなればというつもりで、出かけてみることにした。

到着してみると、通常はホールで上映されるのだが、今回は3Fの2部屋をつないだ形での上映会場となっていた。
鑑賞者は20名前後だろうか、いわゆる高齢者がほとんどのように見受けられた。 
 
が、この上映会の空気が、何か異様な雰囲気を醸し出しているのを感じたのは、ファーマータナカと同行した連れ合いだけだったのか。

入場に簡単な地区名と氏名程度は書くことがあるが、ここでは、きちんと連絡先を書いてくれれば、「よくわかる親鸞聖人」というアニメ上映会のガイドブックをくれるという。
又別に、仏教月刊誌「とどろき」のご案内というチラシもあり、渡された。

ファーマータナカも、60数年の生涯の中で、多少なりとも、世間の表と裏を見てきた。
いわば、表題とその内容が、乖離しているというか、参加者が期待する表向きの企画名と、主催者側が意図とする本当の内容との相違だ。
例えば、社員教育・幹部候補研修と称して、洗脳教育セミナーに会社から参加させられたこともあるし、人生の疑問を解決する集会と称して、マルチ商法の集まりに知人から誘われて参加したこともある。
あるいは、表と裏という意味で、ホントに真面目そうなエホバの証人の布教勧誘の方とお話したこともあるし、店を営んでいた時には、その筋の方が来られたこともある。

休憩時間の合間には司会者(リーダー格)の方が、来場者一人ひとりに優しく語りかけられ、そう思ってみると、ヘルプされている女性のスタッフと思しき方々は、総じて物静かで上品な物腰であった。
お昼休みには、出来れば志(お布施)もお願いしたいというようなことも言われた。

アニメ自体は、構成や色調等、正直言ってそれなりの製作費がかけられたものとは思えなかったが、第1巻から第2巻までの親鸞29歳までの内容は、なかなか感動的で、良い出来栄えであったと思う。

総括してみるに、親鸞聖人の孤高の生き様は、その求道心の実直さ、真面目さは素晴らしく、周囲からの迫害や妬み嫉みと果敢に戦いながら、苦しみぬいて成長していく試練と波乱の連続であった。
しかし、その生き様を鑑賞者自身にダブらせ、多分これから起こるであろう、家族や友人からの無理解な非難や説得を撥ね退けていくようにとのプログラムの入口であり、又出口ではないのかと思えたのは、ファーマータナカが余程のひねくれ者ということになるのだろうか。

帰って少し調べてみると、主体は、浄土真宗親鸞会といい、昭和33(1958)年に設立された単立の宗教法人で、創始者(現在の代表者)は高森顕徹氏という。
本部は当初は富山県高岡市にあったが、現在では富山県射水市にある。
親鸞会は宗教法人とは別に、事業としては、出版(株式会社チューリップ企画…今回のチラシにも書かれていた、1万年堂出版、有限会社高森顕徹事務所)、医療(医療法人真生会)、食品(有限会社祇園)に関する法人をそれぞれ設立させていて、本部がある北陸を中心にして全国各地に支部があり、また、北米、南米、台湾、香港などの海外にも支部があるという。
また、親鸞会の布教師や職員を養成するための教育機関として「顕真学院」というものがあるそうだ。
浄土真宗親鸞会被害家族の会というものもあり、お金や勧誘や脱会について色々と問題がありそうな雰囲気だ。

アニメ自体はこれから1ヶ月に1回のペースで引き続き上映予定という。
又、アニメ「世界の光 親鸞聖人」は全7巻で、10万円程で販売されているという。

この上映会は現在も全国的に、波状的き、行われているようだ。
しかも、上映会場は公的施設も多い。
市民は、そのことでまず安心感というか、油断をもって参加する可能性も高い。
従って、このような公的機関が、例えば(新興)宗教の勧誘のような目的の使用について、事前にきちっとチェックができないのか、対応をぜひお願いしたいところでもある。

親鸞に関して、物語としては、興味もあり、引き続き上映会に参加したいところだが、ここはご遠慮させてもらうのが賢明な選択ということだろうか。
読者諸氏も、お気を付けられるようと此処に筆を取った次第だ。
コメント
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