アルツハイマーと糖尿病が関係するという情報があったので紹介しておく。
<アルツハイマー病:患者の脳、糖尿病と同じ状態に 九大>
九州大学生体防御医学研究所は、アルツハイマー病患者の脳内で、糖の代謝などに関係する複数の遺伝子の量が少なく、糖尿病と同じ状態になることを見つけ、7日発表した。
中別府雄作教授(脳ゲノム機能学)は「アルツハイマー病の病態変化の一過程が分かった。脳内での健全な糖代謝やエネルギー代謝の維持が予防や治療で大事になる」としている。
中別府教授らは、九大が福岡県久山町で実施している疫学調査「久山町研究」で、糖尿病患者にアルツハイマー病の発症率が高い点に注目した。
08年12月〜11年2月、亡くなったアルツハイマー病患者26人を含む88人の脳を調べ、約40人の遺伝子解析に成功した。
中でも、短期的な記憶をつかさどる「海馬」で、アルツハイマー病患者は健常者に比べ、糖代謝を制御する遺伝子や、血糖値を調節するインスリンを作る遺伝子が減っていることが分かった。
さらに、アルツハイマー病モデルのマウスを作製し調べた結果、ヒト同様にインスリンを作るのに必要な遺伝子が激減していた。
(
毎日新聞 2013年05月07日)
糖尿病だとアルツハイマーになりやすいのか、アルツハイマーだと糖尿病になりやすいのか、素人にはよく理解できないが、要するに踏んだり蹴ったり状態ということのようだ。
糖尿病はインスリンの分泌が不足して起こるのであるが、これに関連して、いわゆる「インスリン抵抗性」と呼ばれるものもある。
肝臓や筋肉、脂肪などでのインスリンの働きが低下する状態があり、そのインスリン抵抗性は、塩分が尿に排せつされにくくして血圧を上昇させたり、脂肪の合成と分解のバランスを崩して脂質異常症(高脂血症)を招いたりするという。
また、動脈硬化を進めることも明らかとなっており、これら生活習慣病のすべてに関係しているらしい。
そして、このことは糖尿病患者にだけ限った話ではなく、お酒の飲みすぎで肝臓に脂肪が蓄積した状態の「脂肪肝」の方、内臓脂肪が蓄積した状態の「メタボリックシンドローム」の方、それらを含めた肥満の方にもインスリン抵抗性と関係があるという。
従ってまた、そのことは、高血圧、高脂血症、動脈硬化を招く原因ともなりえるということで、中年オヤジ族にとっては、アルツハイマーまでのレールがばっちり敷かれているともいえそうだ。
クワバラ、クワバラ。