今日はね、お母さんの部屋の片付けを少し手伝ってたんよ
しばらくさわってなかった棚の整理をしてたらね、棚の奥から、お父さんが病気の時、片手に使ってたギブスが出てきて、「えっ、こんな所にまだあったのか~」って、まさちゃん、お父さんを思い出してた・・・
これも、ホントは処分しなくちゃいけないけど、お母さんにしたらきっと処分出来なくて、ここにしまってあったんだろうな~って思ったよ
お父さんはガンで65歳の若さで、私たちのそばから旅立って行ってしまった・・・とっても優しい人だった。そして、本を読むのが大好きで、分厚い本を椅子に腰掛けてのんびり読むのが、一番の楽しみみたいだった
そんなお父さんが、ガンにおかされた。ガンが腕にまで転移して、ある日、お父さんがお風呂に入ってて、まさちゃんが背中を流したり手伝ってあげてる時、まるで枯れた枝が折れるみたいにポキッって、音をたてて、お父さんの腕の骨が折れてしまった
腕が骨折した後は、とても不自由そうだった。大好きな車の運転も出来なくなったことが何より可愛そうだったな~
骨折して、ずっとこのギブスをはめてたなぁ、、、って、ギブスを見て、せつなく父を思い出してた
お父さんの闘病生活は、長くて辛いものだった
でも、優しくて強い父は、決して弱音をはかなかった・・・
ずっと、一人で病気と闘ってた
だから今日、このギブスを久しぶりに見たとき、「このギブスは子供達にいつか見せよう!おじいちゃんが、病気と闘って頑張っていた証として、いつか子供達に見せよう~」って、まさちゃん、思いながらそうっとギブスをあったところへしまっておいた
お父さんは、まさちゃんと二人っきりの時何度か、こう言った
「まさこや~○彦や○彦がな、この家にいつ来ても、来易いうちにしとってやってくれやなぁ・・・」ってね
この言葉がまさちゃんへの遺言となってしまった
まさちゃんは、お父さんの遺言をしっかり守っていこうと思う
だから、二人の弟とは、自分のホントの弟だと思ってるよ
お父さんとのたった一つの約束は必ず守っていくからね、お父さん!
お父さんの長男の嫁としてでなく、お父さんの娘としてね
大好きなお父さんは、まさちゃんがプレゼントしたネクタイを嬉しそうに仕事に締めて行ってくれては、「まさこや、お前がくれたネクタイ、いいね~って褒めてくれるわ」って、いつも喜ばせてくれたんよ
今日は、きっと、お父さんが片付けてるまさちゃんを見ていてくれたにちがいないわ~
さぁ、あしたも、みんなガンバガンバだよ~