-写真の部屋-

奥野和彦

鉄の箱

2023-04-07 23:21:33 | 写真


鉄の箱撮って何がそんなに面白いのか
と一緒に旅をした息子が言う。
至極一般的な意見であるから
このブログを見ている方にもそう思われる方がいるだろうし
その通りで構わない。

理由なく好きなものは好きで
だから撮っておこうと思う。
私は歴史というものに疎くて
武将の名前もよく知らないし登場した順番も分からない。
鉄の箱に興味が無いのと同じであろう。
が、鉄道の事を思うときには
その線路が敷かれた成り立ちや、そこを走った列車などに
思いが巡る。子供のように列車を擬人化する癖がある。

この電車は1980年代には
東急線を走っていて引退してここに来ている。
だから、乗ったことがあるかも知れないと思うし
東横線にいた年月よりも払い下げられて
ここに来てからの年月の方が長いと聞くと
それこそ歴史を感じるのである。

ねえ、どう?
東京で、忙しいサラリーマンたちに合わせて
賑やかな渋谷の若者たちを乗っけて
本当に秒刻みで緊張の中で走っていたのと
ここは雪国で線路も凍てつくだろうし
でも、ホームで休む時間も長くあって
朴訥とした学生たちを乗っけてゆっくり走るのと。

渋谷駅はずいぶん変わったよ。
中央林間から俺の住んでる埼玉まで直通電車が通ってるんだよ
急行列車だよ。あの頃からは考えられないよね。
でも、ここを走ってる姿は似合ってるね。
元気そうで何より。お客さんも思ったより随分多いじゃん。
頑張って走り続けてね。