釣りに行くが、釣れず。
帰ろうと思ったが、場所を変えて
タナゴを捕りに。
2mほどの細い流れ。とても浅いけれど
水草で覆われている。だから魚がいる。
そこに、びんどうを仕掛けて、あとはすることも
ないので座り込んでじっとしている。
…。
人気もなく、静かな場所で、川べりにいながら
釣り糸も垂れずにじっとしているのは滅多にない事。
5分も経つと人の気配で隠れていたメダカが
川面に浮上し、カエルが水草の上に体を出し、
見えるか見えないかぐらいに沈んでいる
びんどうのエサのにおいにつられて小魚が
キラッキラッとひらを打ち始める。
静かな夕方の、今度はそのたかだか10m四方に
潜んでいる生き物たちの気配に逆に圧倒される。
あそこに何かいる。ここにも何かいる。
スズメバチも水を飲みに来る。大きなコイが動いている。
カエルが地上に上がって来る。体が半分水に入った
状態で、何匹もその形をとっている。
自分もじっとしている。オレも生き物なのであった。
調和しているのだろうか。
深呼吸をしただけでも、その均衡が破られそう。
一回目に沈めた場所ではクチボソしか入らず
2m下流の違う障害物の陰に沈め直すとタナゴが入る。
どうやら水流のスピードが違うらしい。
ヒトに戻る。騙したみたいで済まないが
この時期は赤ちゃんタナゴ。数匹持ち帰る。
今度は、丸腰で行くべきかな…。