-写真の部屋-

奥野和彦

雪解けベランダ

2025-03-19 20:16:46 | 風景


出来た。
色々部位で試しながら作ったので
パッチワーク感もあり、文字通り世界に1台しか無い。



フィルムバック側は塗料を油性ニスにこだわって
マホガニーを選択したら思ったより赤かった。
ウォルナットにすれば胴の部分と揃ったかもしれないけれど
一目で自分のカメラだとわかるので
富士五湖畔で富士山マニアに並んで置いても心配無い。



三脚穴はここまでの経緯でご紹介した通り。
塗料は天然漆です。レンズボードも同じ。
ニスよりもしっかりした皮膜が出来るので
たわんだりしては困る場所にはこれを使用。
このコンパクトな箱の中に
ネイビーブルーの蛇腹が畳まれている訳ですが
蛇腹の出来が悪いとうまく収まらない。
とりあえず、今回ちゃんと収まっているので大丈夫。



光線漏れも目視では無いようだし
次はテスト撮影、だけどコストを考えたらもう本番なのだ。
さて、何を撮ろうかな。


繕う人

2025-03-18 22:57:51 | 風景


繕う仕事を取り上げているテレビ番組を見て
自分はこの種類の人なのでは無いかと思った。

今作っているカメラも、時々出てくるギターの話も。
漆も布着せのお椀などゼロから作るようなのは大変過ぎる。
でも金継ぎは好き。
元の形があって、その形が好きだから
直したくなって、直ることが嬉しい上に
もう一味自分の味が加わる。
一粒で2度美味しいってやつだ。

ギターも新品の並ぶギター屋で買う気はしない。
ハードオフとかの、これ直したらカッコいいんじゃない?
そう思うものをつい連れて帰ってしまう。
ほら、歳を取ったらボケ防止には手を動かせと言うでしょう。

繕うことを趣味とする。

革の色

2025-03-18 19:52:06 | 風景


天気が悪かったり仕事の忙しい日は
金属部を磨いたり、レールのあちこちに
5-56を吹いたあと、グリスアップする。


硬くて、回すとノブの方がちぎれてしまいそうだったのが
やっとスムーズに前後するようになった。

作業中の写真は端折ってしまったけれど
難しかった蛇腹作り。
紙で追った蛇腹だけではすぐ破れてしまうので
その上に合皮のシールを貼る。
ネットで極めて薄いものを探してお店に行ったら
黒が品切れだと言う。
そんなの、書いといていてよ、と思って帰ろうとしたけれど
違う色も有りじゃない?と
赤にするか、濃青にするか迷ったけれど
赤は時々見るので青にする。
最近は小学生のランドセルも色々で
うちの子も青と、緑だったからね。
愛機なんてこうして生まれるんじゃないの?



備品もぼちぼち届き始めて
もう少しで組み上がるかな。



蛇腹

2025-03-14 22:06:08 | 風景


木部のパーツは大方出来上がって
塗装をしている。
こだわって、油性ニスで塗装しているものと
漆で塗装しているものとあるので、二度手間である。



その塗装を繰り返しながら、乾燥待ちの間に
最大の難関に取り掛かる。
蛇腹は雪の日にお見せした通り破れてボロボロだったので
それを、なるべくそれ以上壊さないように外して
展開して霧吹きで水をかけて柔らかくし
押し花にしてみた。花では無いから押し花とは言わないが。



これをトレペでトレースして
蛇腹になる黒い紙に載せてボールペンでなぞって…
それが一番だろうと思いきや
ボロボロでちぎれている部分があって正確に形を復元できない事
カメラに長い事畳んで収納されていて、その時のねじれたような
クセが付いていてやはりトレースが上手くできない事
で、違う方法をネットに頼って探してみた。

そうしたら、なんと!
蛇腹のレンズ側、ボディ側の開口寸法と
蛇腹を何山にするのか、など数字を打ち込むと
その展開図を出してくれるという素晴らしいサイトがあった。
それをPDFにして
今作ってる蛇腹はそこそこ大きいものなので
実寸でプリントアウトするとB1になるから
データをキンコーズへ持って行ってプリントしてもらう。



その展開図を
黒ラシャ紙に載せてボールペンでなぞり
その形に沿って折って行く。
多分、うまく作れなくて出来合いのものを買って
加工することになるかと思っていたが
何とかなりそうな感じ。




ネジ

2025-03-11 22:19:21 | 風景


工作ばかりしている訳ではありません。
仕事もちゃんと出ているので。

昔のこの手のカメラは三脚用のネジが付いておらず
それを付けなければならない。
三脚のネジを受ける部分メスネジは
大きな規格の三脚ネジを現在流通している三脚ネジに
変換するものが売っているからそれを買ってきて
カメラの底板に付ける。
色々頭の中でこねくり回してこのような形となる。



板はアルミで、加工がしやすい。
買ってきた三脚用のネジが通る大きさの穴を開け
六角ナットで受けてアルミ板を挟み込む。
変わった規格のピッチの六角ナットだったので少し探したが
まあ普通にコーナンにありました。
それを金属強力接着用の接着剤で固定します。
三脚を付けたり外したりしているうちに六角ナットが
緩んで回り出してしまうからね。



この接着剤はなかなか便利。
何かと使えます。



アルミが傷だらけで磨けばキレイになるけれど
どうせ三脚の雲台に密着して隠れるのだし
磨く時間があったら先に進もう。
塗装はニスを使う予定なのだが
この底板は1枚で作れる大きさの物が売ってなくて
3ピースで作った所、
レンズやフィルムバックを含めた重量に耐えられるだろうか
という不安が出てきて
底板だけ漆を使おうかと考えている。
板に染み込んだ上に皮膜も硬くなるので。