-写真の部屋-

奥野和彦

恙無しや友がき

2014-10-20 22:29:51 | 写真


仕事前にちょっと早いので本屋に立ち寄って
ゲージツ的な写真集でも立ち見しようと
思っていたのに
暴走族の写真集2冊を見つけて見入ってしまった。
それでたっぷり時間はつかってしまい
他の写真集は見る事も出来なかった。

私たちの中高生の頃が純粋な暴走族の全盛期だったから
そうならない奴が野球部でソリを入れて
野球部でなくなった奴が暴走族(部)になってソリを入れてる
ようなものだった。

学校の帰りに野球部をクビになった仲間が
ちっとちっと、と呼ぶので近寄ると違う学校の制服を着た
上級生がパー券を配り、何となく手を出して受け取らされたら
1枚3000円な、と言った。
そうやって金を集めるのか、と初めて分かったが
その友達が、「いや、こいつはダメだから」といって
オレの手から券を取ってその上級生につき返した。
上級生は「いいよなぁ」と言ってしつこく押し付けようとしたが
腕っ節の強い友達二人が「その分オレらがどうにかすっから」
といって鷲掴みにし、ポケットに入れた。
上級生は不服そうだったが、年下の二人が怖かったと見えて
それ以上何も言えなかった。

ウチの実家は印刷屋をしているが
そういったパー券の印刷も持ち込まれた。
仕事場に置いてあるのを見たので
「これ、頼まれたの?」と親父に聞くと
「ああ、なんだそれ。名刺みたいなもんだって言ってたけど。」
「どんな人が持って来た?」
「普通の若いあんちゃんだったよ…」
「ふ~ん」
それだけで、後は何も言わなかった。

後日、何故かそのパー券代の回収日にまた自分が居て
先輩は何枚分だからな、と威張っていたが
私の友人たちは「え~?知らねえよ4枚しかもらってないっしょ」
とごまかす。先輩は「んな訳ねえよ、やべえよ金集まんねえと」
と慌てるが自分より強そうな後輩にそれ以上
詰め寄る事も出来ない。
渡した奴の名前ぐらい控えとかないとダメだね。


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