筆や絵具やインクで描く、
「絵画」は1点しかこの世に存在しなくて
だからその1点が良ければ良いほどより価値があるだろう。
オリジナルを複製して印刷物にして
多くの人が自分のそばに置いて楽しんだりする気持ちはよく分かる。
「版画」は初めから複製される物として生まれている。
「絵画」にしても「版画」にしても
真っ白なキャンバスの上に作者の手をもって
ゼロから描き出されるから価値がある。
それに比べると「写真」は
別に比べなくても良いのだが
やはり比べられがちで
人の手でもって線に強弱を付けたり
色を重ねたりするのでは無くて
光学機械でコピーして化学反応で印画紙に焼き付ける
だけなのでちょっとありがたみに欠ける気がしなくも無い。
でも、絵よりはるかに本物を映し出すので
その、複写性において絵画とは違う存在価値がある。
自分の部屋の壁に
好きなアイドルや俳優がいつもいる。
スマホの待ち受けに家族の写真がある。
好きな場所、風景、鉄道の写真がある。
それはやはりイラストや版画よりは
実物をコピーした写真の方がいいのだ。