化学系エンジニアの独り言

時の話題や記事の備忘録

OPEC+の減産の内訳

2020-04-18 | 石油
OPEC+が5月から970万BDの減産を開始することで合意したと伝えられています。OPEC+はサウジとロシアが主役ですが、それ以外の国も含めて各原油生産国はどれくらいの減産をするのでしょうか。JOGMECのWebに一覧表が載ってましたので、抜粋してみました。

OPEC 減産量 5/1以降の生産量
サウジ 254万 849万
イラク 107万 359万
UAE  73万  245万
クウェート 65万 217万

非OPEC
ロシア 254万 849万
メキシコ 10万 168万
カザフ 39万  132万
オマーン 20万 68万

減産率はメキシコ以外どこも23%になっています。メキシコは駄々をこねて削減率6%になってます。サウジとロシアの数字はぴったり同じです。そうなるように色々と工夫をしたのでしょう。非オペックですがカザフスタンが意外に多くの原油生産をしているんですね。日本に輸入されないのであんあり意識してませんでした。

970万BDというと世界の原油生産量の1割ほどですが、OPEC+としては23%の減産率になってます。ですから、OPEC+以外の産油国もOPEC+と同程度の減産になれば、2,300万BD程度が減産されるはずです。この減産が足元の需要量減少にほぼ見合うのかどうかは、意見の分かれるところでしょう。

この減産合意は6月末までなので、その後がどうなるかです。
IEAの直近のレポートでは、世界の原油生産は2020年後半に9,000万BDとなっており、需要が9,700万BDまで回復するので、2020年下期は原油在庫が減っていくと予想しています。


今年の下期には原油需要がコロナ前まで回復するという予想には納得感がありませんね。来年3月あるいはもっと先にならないと、経済活動は完全には元に戻らないという予想がありますから。

原子力発電をゼロのまま続けていこう

2020-04-17 | 再生可能E
連日コロナのニュースばかりです。命に係わる事象ですから仕方ないのですが、中にはどうでもいいような内容のものも多く、食傷気味です。

3/11が来るといつも思い出すのが東日本大震災の時のことと、原発事故です。今、「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を読んでいます。以前から思うのですが、原子力発電は廃炉並びに核廃棄物処理の技術が完成していないのだから、やっぱり使っちゃいけないんじゃないかと。原子力発電技術開発は続けるとして、廃炉技術が出来てから商業化するのが正しかったんじゃないかと。

福島第一原発事故以来日本の原発はほとんど稼働していません。電源構成比でいうと、原子力が最大だったのは2000年頃の34%です。当時はほぼ1/3の電気は原発で作られていた。残りは天然ガス26%、石炭18%、石油11%に水力8%です。


ところが2012年以降原子力は1%、0%、1%、2%、となり2017年度は3%でした。要は日本の原発はもう10年近くほとんど発電していません。その代わりになっているのが天然ガス40%(+14%)、石炭32%(+14%)、再生可能エネルギー8%(+7%)です。水力は-2%、石油も-2%です。石炭火力はCO2排出量が相対的に多いので、環境活動家からは目の敵にされますが、原子力が使えないのだからしょうがないでしょう。とは言えいつまでも多めに見てももらえないだろうから、石炭の32%を何かに変えていかなければ。

最有力は再生可能エネルギーですが、例えばさらに20%伸ばして合計28%にすることが可能でしょうか?
2018年のエネルギー基本計画(2030年の目標と思えばよい)では、以下のようになってます。
再生可能エネルギー:22~24%
原子力:20~22%
石炭、石油、天然ガス:56%(2017年度は82%)

化石燃料の内訳がないですね。依然として石炭は諦めないという事です。しかし石炭火力のCO2を減らすCCSの実現はいつくらいになるのでしょうか?
火力発電は発電量調整の意味からも今後とも主力になることは間違いありません。

原子力も諦めない。確かに代替手段はあるのか、と聞かれると困るのです。でも福島の二の舞はご免です。

原子力は使いたくない、石炭も減らしたいとすれば、残るは天然ガス、石油、再生可能エネルギーしかないです。再生可能エネルギーは一体どこまで伸ばすことが可能なのか、付帯設備(例えば蓄電池)を合わせてコストはどこまで下がるのかが知りたいところです。

日本の電力消費のうち、家庭部門と業務部門を合わせた民生部門は33.8%になります。もしこの部分を全て太陽光発電に変えて自分の電気で賄えるようになれば、大きく寄与できるはずです。大型マンションやビジネスビル、ショッピングモールの電気を全て自前の太陽光発電で賄うのは一見無理ですね。そこを何とか考えていけないかな。



コロナ収束カレンダー

2020-04-16 | 社会
トランプ大統領は5月1日から経済活動を再開させると言ってますが、果たしてその通りに進むでしょうか。もちろん世界中の人が一日も早く日常活動を取り戻したいと考えていま。しかしコロナウィルスを十分抑制することの方が優先との思いの方が強いと思います。

先の見通しが立たない中で、モルガンスタンレー証券が今後の見込みを公表しています。参考程度にはなると思います。

・2020年4月:全米で新規感染者数のピーク
全米として今はピークに差し掛かっている辺りでしょうかね。

・2020年初夏:抗体を持っている人、若くて元気な人が仕事に復帰。順次労働者数は増えていって50%になる。残りの50%はワクチンが出来るまで(抗体を持てるまで)は自宅勤務が続くのかな。あるいは二組に分かれて交代で勤務するようになるのか。
やはり一度コロナにかかって抗体を持っている人は安心なので強い。就職活動にも抗体を持っていると有利になるのだろうか。

・2020年秋:全米で学校再開
という事は抗体を持っている人だけじゃなくて、ほとんどの人が職場に復帰できるという事ですかね。

・2020年冬:感染が再び拡大するリスクがある
・2021年春:ワクチンが普及する
ワクチンが入手可能になる時期が早すぎる(2-3年かかると言われていた)かも。それとも通常ワクチン開発は2-3年かかるが、超特急でやれば10か月でできるという事か。
感染が再び拡大し始めたら、また外出禁止に逆戻りだろうか。あるいは地域を限定してとか。
ワクチンが出来て初めてソーシャルディスタンシングを止めるようになる。


この点についてはニューヨーク州のクオモ知事がワクチンが開発される18か月後にかけて、段階的に経済活動を再開していく方針とし、感染防止などの対策は来年まで続ける必要があると言っています。
こちらはモルスタのあと一年よりも長くて一年半とみています。

という事は年配者の職場復帰は早くて9月、状況によっては来年3月あるいは9月という事になります。その間に定年になる人はどうなるのだろうか。自宅勤務のまま定年を迎え、引き続き再雇用となって自宅勤務を続ける? 再雇用されないケースが出てこなければいいな。

低油価と環境問題に直面しているカナダのオイルサンド産業

2020-04-15 | 石油
原油価格は3月末に過去20年間の最低レベルとなってから、少し持ち直しているものの低いままです。あまり注目されてませんが、世界第5位の産油国であるカナダの原油価格下落(WTIとの値差)は止まりません。

原油の価格はまず原油性状によって決まります。硫黄分が低い方が高い原油よりも高い、軽質な原油の方が重質のものよりも高いという具合です。
ところが、2017年以降は、軽質のWTIの方がより重質なドバイ原油よりも安くなっています。当たり前ですが原油価格がその性状だけでなく、需給の状況によっても影響されるからです。WTIの場合、2017年以降アメリカのシェールオイル生産量増加並びにカナダのオイルサンド生産量増加により、北米地域での原油需給が緩んだためと言われています。

カナダのオイルサンド由来の原油には合成原油(Synthetic Crude Oil)と希釈ビチューメン(Western Canada Select)の二種類があります。WCSの方がより重質(API≒20)で高硫黄(3.7%)なので、SCO(API≒40、硫黄0.4%)よりも安値となっています。更にオイルサンド由来の原油はWTIに比べて相当安くなってます。


カナダの原油生産量はざっくり500万BDで、そのうちオイルサンドは300万BDあります。カナダ国内の原油需要は150万BDですから、大部分は輸出されます。カナダの産油地域はアメリカの製油所が集中しているガルフ地区からは遠く、輸出のためにはロッキー山脈を越えてカナダ西海岸まで輸送する必要があります。ところがこれらに使うパイプライン能力が不足していて、鉄道貨車で運ぶ必要があります。つまりカナダの原油は販売地域が限定されていて、地域外の製油所からは安くないと買わない、と言われているわけです。

現在のカナダの原油生産量は90万BD減少しているようですが、原油貯蔵タンクが満杯になるにつれて150万BDまで減少が大きくなるとみられています。最大の理由はCovid-19による石油製品消費の減少です。外出禁止により自動車用ガソリンの消費はなくなり、飛行機が飛ばなくなったことでジェット燃料の消費もなくなっていることから、容易に想像できます。

オイルサンドは生産コストが高いことに加えて、CO2排出量も多いことから地球温暖化の観点からも敬遠されるようになってきています。採掘されたオイルサンドは油分と砂の分離に温水を使っており、このため大量のエネルギーを必要とします。
日立総合計画研究所の試算ではオイルサンド由来の原油生産では、通常の石油生産のおよそ3倍のCO2排出量になるそうです。

オイルサンドはカナダという治安のよい国にある資源で、その量はサウジアラビアの原油量を凌ぐと言われています。低価格とCO2排出量の低減という二つの大きな課題を抱えているオイルサンドを、うまく利用する方法を開発する事が望まれます。


風力発電、太陽光発電は石炭火力発電よりも安上がり

2020-04-13 | 再生可能E
気候変動と金融をテーマにしたイギリスのシンクタンク:Carbon Trackerのレポートです。ヨーロッパの、気候変動を主題にしている会社のレポートですから、ある程度割引いて読む必要はあるでしょうが、石炭火力発電が悪者になってます。世の中にはこういう報告もあるという事です。

(記事とは関係ない火力発電所)

 
要旨は以下のようです。
今現在のコストで計算すると、で風力・太陽光発電を新設する方が石炭火力発電所新設よりも安くつく。
更に運転中の石炭火力発電所の半分は、新設の風力・太陽光発電所よりも発電コストが高い。また2030年までには殆どの国で風力・太陽光発電の方が火力発電よりもコストが安くなる。これによって建設中、計画中の石炭火力発電を止めれば60兆円をセイブすることが出来る

再生可能エネルギーは出力制御ができないという欠点があり、これをレドックスフロー電池やリチウムイオン電池で蓄電することで補おうとしていますが、上記の試算にこの蓄電コストは含まれていません。また、よりコストが安いとされている洋上風力発電もカウントしていないとのこと。

石炭火力のコストには炭素税を含んでいるが、これを2021年で5ドル/トン、2040年で40ドル/トンと仮定している。
尚発電コストの計算は以下の通り。
発電平準化コスト=設備投資+石炭+炭素税+固定(運転・メンテナンス)+変動(運転・メンテナンス)
EUは炭素税が高いので比較的早い時期に風力・太陽光発電の方が安上がりになり、その他の国は風力・太陽光のコスト低下に石炭火力発電よりも安くなる。そして2030年には殆どの国で新設風力・太陽光が既設の石炭火力より安くなるという。

現在世界中で計画中、建設中の石炭火力は499 GWであり、その設備投資額は60兆円を超える。

金融もテーマにしているので、投資機関に向けて以下のような提言をしています。
中国はコロナ後の景気刺激策を実行する際に、石炭火力発電の新設を止めて再生可能エネルギーへの投資に切り替える。ちなみに99GWが建設中で106GWが計画中となっている。
石炭火力発電への投資回収期間は15年から20年もある。将来不確実な石炭火力発電への投資を止め、風力・太陽光発電にした方が良い。

日本はというと、計画中の新設石炭発電所は3GWあり、運転中のものは45GW(4,500万kW)ある。
日本の総発電設備容量はおよそ25,000万kWですから、石炭火力は20%弱となってます。いわゆる電源構成比では石炭は30%以上あります。要は石炭火力発電所の能力は小さいけれども、目いっぱい発電してますという事です。

さて試算では現在のコストで比較して、新設の石炭火力よりも新設風力・太陽光の方が安いし、2028年には運転中の石炭よりも安くなる。
ちなみに2019年の新設風力発電コストは69-90ドル/MWh、太陽光は105~120ドル/MWh
新設の石炭火力発電コストは90ドル/MWhで運転中のそれは49~74ドル/MWh
太陽光発電よりも風力発電の方がまだコストが低いとは知りませんでした。

単位を換算すると、新設風力発電コストは7.6円/kWh~9.9円/kWh、太陽光は11.6~13.2円/kWh。
新設の石炭火力発電コストは9.9円/kWh、運転中のもので5.4~8.1円/kWhとなります。
ちなみに私たち一般家庭が購入している電気は会社によって差はありますが、ざっくり25円/kWhでしょうか。

行動変容の先には何があるのか

2020-04-12 | 社会
なぜCOVID-19はこれほど恐れられているか?〜過度に恐れる必要はないが、決して敵を甘くみてはいけない!
元大阪大学総長の平野先生の文章をネットで見つけました。これまで疑問に思っていたことが分かるようになりました。
https://www.data-max.co.jp/article/35026

一番大きいのはCovid-19への対応の時間軸を教えてくれることです。

以下引用です。(一部要約)
COVID-19との戦いは100メートル競争(水際作戦は100メートル競争です)ではなく、パンデミックになった現時点では、1万メートル競争、あるいはフルマラソンであることを認識する必要性があります。ペース配分を十分に考えて走る(対策を立てる)必要があるといいます。

なぜ新型コロナウイルス感染症は恐れられているのか?季節性インフルエンザ(毎年60万人が死亡)となにが異なるのか?
季節性インフルエンザはワクチンと治療薬がありますが、新型コロナウイルスに対してはワクチンも治療薬もないからといいます。

何もせずに放置すると終息するまでに、日本では最悪、70万人から250万人、世界では1.9億人が死亡する。

ワクチン開発は終息を早めるための要だが、開発に少なくても2−3年あるいはそれ以上かかる(1年で可能というのは気休め)。

治療薬の開発により死亡者の数を減らすことができるが、新しく治療薬を開発するためには5~10年はかかる。既存の治療薬の中に効果があるものがあれば最短数ヶ月以内に治療現場で使用可能になる可能性がある。

今後、終息までに1−2年はかかるので、長期戦(1万メートル競争)と考えて心の準備や日常生活を可能な限り正常に続ける工夫、そして仕事も可能な限り正常な活動ができる個人的な工夫(会社/組織/国としての工夫は当然必要)をしていかなければならない。各地域では流行の波を起こしながら、最終的に国民の30−60%が感染して免疫を獲得するまでは終息はしないと考えられる。

今回のケースでは、ワクチンがないので、60%の人が感染するまで終息しないことを意味します。これを日本に当てはめると1.2億人の60%すなわち7200万人が感染しなければ終息しません。死亡率を仮に1%としても72万人がなくなります。3.5%なら252万人が亡くなる計算になります。

少なくとも言えることはこの先1−2ヶ月で終息するものではないと言うことです。幸いにもはしかのように空気感染ではなく、飛沫感染なので、手洗いを励行して、3条件を厳格に実行すれば感染は防ぐことが可能です。過度に恐れる必要はありません。

以上ですが、どうでしょう。
こんな事を政府が公式に発表すれば国中がパニックになりますね。だから、今の医療体制で対応できるだけに感染者を押さえて時間稼ぎをする。そのゴールはワクチンが開発されるまでとなります。
確かに感染症対策班の尾身先生が時間稼ぎをすると言っていたのは、そういうことかと分かりました。

国民には行動変容をお願いしたいといいます。行動変容という言葉を初めて聞きましたが、要は習慣を変えるということですね。週末の会社帰りに一杯やってく。休みの日は大きなモールにショッピングに行く。家族や友人と飲み会をする。こういった習慣を変えないといけないわけです。1-2ヶ月ならばなんとか我慢することになりますが、1-2年となれば我慢じゃなくて習慣を変えていく必要があります。

休業補償や給付金は必要ですが、1-2年もづっと補償し続けることは無理ですね。補償で今を凌ぐとして、この先1-2年をどうしていくかが大事ですね。

これは飲み屋さんだけの話じゃなくて、自分の身のこととして、個人としてどう対応していくかも考えなければ。自宅勤務が6週間になりますが、この状態が1-2年続くという前提で仕事と自分の生活を根本から変容させる事を考えていこう。でも、一生じゃなくて1-2年という目安はあるので、その時間軸を踏まえてやっていこう。

実印は苗字ではなく名前で作る

2020-04-10 | 社会
日経新聞の北海道Web版で、札幌狸小路の100年続く老舗のはんこ屋さんが廃業する記事を読みました。需要が無くなりつつあるので、三代目の85歳の店主は廃業を決めたと言います。85歳まで現役ではんこ職人をされたことは敬意に値すると同時に羨ましいですね。店には戦前からの貴重なはんこを含めて2万本の在庫があるそうですが、引き取り手はないので廃棄処分しかないと言います。少々残念ですね。

確かにはんこを使う機会は減りました。うちの会社は現在全社員テレワーク中ですが、何故か電子認証を導入していません。きっと不正をする社員が出てくるのを警戒しているのでしょうね。で、はんこは良く使いますが、もちろんシャチハタですね。いわゆるはんこは使ってません。

実印を作ったのは就職してから、何かの必要に迫られてでした。と言っても街のはんこやさんで一番安いもの。確か1,000円くらいだったと思います。
使っているうちに何かにぶつけたのか、端が欠けたんですが気にしないで使ってました。ある時叔母がそれに気づいて、欠けたハンコを使っていると体も欠ける(大病や大けがをする)と言って、新しいはんこを作ってくれました。この叔母には浪人時代から本当にお世話になってます。



生年月日を踏まえてはんこを作るのをその時初めて知りました。後日4本のはんこが届きました。実印、銀行印(妻の実印を兼ねる)、普通印(妻の銀行印を兼ねる)、認印です。とても立派なものです。こんなにたくさんのはんこが要ることも初めて知りました。銀行印、普通印、認印はもちろん苗字なのですが、実印は私の名前です。この印鑑を使うようになったおかげでしょうか、還暦まで大きなけがや大病をすることなく過ごすことが出来ています。

石油の在庫能力はどれくらいあるのか

2020-04-09 | 石油
タンカー市況が急激に好況になっていると言います。新型コロナウィルスの影響で世界中の経済活動がスローダウンしていますが、逆の業界もあるようです。理由は幾つかあります。
原油生産量は4月以降増えていますが、逆に需要は急激に減少しています。そうすると原油在庫量は増えます。陸上タンクだけでは足りずにタンカーを浮かべて在庫する、フローティング在庫の需要が急激に高まりました。
また増産に転じたサウジが原油輸出船積み量を増やしたこと。
原油タンカーがこれまでと異なる新しい航路をとるようになったことや、荷揚げ港での遅延がその理由のようです。

現在4億バレルのフローティング設備のうち、1億バレル分が利用可能だそうです。陸上のタンクの空きにこのフローティング分を含めてあと11億バレルの在庫が可能との試算があり、現在1,800万BDの原油が過剰生産になっているとすれば、あと60日すると在庫が満杯になります。

サウジの輸出量急増(過去800万BDだったものが足元1,000万BDを超える)などによって、原油タンカーの一日のスポット価格は4万ドルから20万ドルに上昇しているようです。石油製品用のタンカーも同様で1.9万ドルが6万ドルに上がていると言います。

フローティングを利用している石油トレーダーによれば、石油価格が将来5ドル上がることは、1日5万ドルを払って6か月在庫しておくこととに見合うのだそうです。

石油の需要減少はどこまで続くのでしょうか。

2020-04-08 | 石油
石油製品の消費量減少の結果、米国のガソリン価格は急落しています。
1.6ドル/ガロンから0.6ドル/ガロンに低下しており、この価格では製油所は逆マージン、すなわち赤字になってしまいます。ガソリン需要の落ち込みは3月末の1週間で880万BDから660万BDといい、当然多くの製油所は減産を実施していて、米国の製油所の稼働は1580万BDから1490万BDに低下しているそうです。



OPEC+は米国が協調するならば生産量削減に応じると言っています。G20の石油相は4/3にバーチャル会議を開催し、交渉を進めることとなってます。しかし、需給ギャップはとても大きく、1,000万BDの削減が決まったとしてもオイル価格を回復させることは無いだろうという意見もあります。

原油生産削減の動きはあります。ExxonMobilは今年の投資額を3300億円から2200億円に削減すると。そのほとんどはPermian Basinのものですが、シェールオイルは生産停止、開始が容易だからです。

米国エネルギー情報局はこのような動きにより、今年3Qには石油輸出国から石油輸入国に再び戻るだろうと推定しています。

イギリスのコンサルタント会社は、需給ギャップは現在話し合われている1,000万BD の2倍のレベルにあると言います。4月の需給ギャップは2,800万BD、5月のギャップは2,100万BDだそうです。

石油関連企業で働く労働者の失業も増えています。Halliburtonは先月Houstonで3,500人の労働者に60日間の出勤停止をしましたが、オクラホマでも350人の削減をすると言います。


緊急事態宣言に対応した行動をとりましょう

2020-04-07 | 社会
ついに緊急事態宣言が出ました。うまく行けば2週間でピークアウトに持っていけるという期待があります。しかし、期間は1ヶ月となってます。専門家会議によれば、感染症対策は人と人との接触を避けることが一番効果的といいます。効果が上がるよう協力しましょう。

医療関係者や社会インフラを担う人はご苦労様ですが、自分の体を守りながら仕事を継続していただきたいと思います。感謝しています。

ニュース聞いてて思ったこと。
立憲民主党:2月から緊急事態宣言を主張してきた。遅きに失している。(そんな主張聞いた記憶がないな〰)
バーやキャバレーへの直接給付が少ない。(国民全員に現金をバラまく事ができるなら誰にでもできる。出来ないから線引で悩むのです。何かいい案を提案してくれ)

東京都知事:家族を守るため、愛する人を守るための行動をして下さい。家にいて下さい。
(そう言って死んでいった特攻隊員だった先輩の事を思い出します。それぐらいの一大事なのだとの認識を新たにしなくては)

3月はじめからずーと自宅勤務を続けており、このままあと一月は続けることになります。それほどの不自由もないので苦にはなりません。朝夕それぞれ20分くらい外に出て散歩してますが、それ以外の外出はしてません。皆が皆出来るわけではありませんが、私は出来る環境にあるのでこのまま続けます。 コロナ対応が終わってもこのまま会社に来なくていいよ、と言われるかもしれません。それはそれでしょうがないですね。先の台風のときに言われた言葉、命を守る行動を思い出しながら過ごしていきます。