化学系エンジニアの独り言

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高圧水素製造・出荷研究設備

2006-02-17 | 水素
PEC(石油産業活性化センター)のプレスリリースによれば、経産省の委託事業の一環として、出光・愛知製油所内に水素燃料電池車用高純度高圧水素の製造・出荷設備を完成させた。

製油所で製造・副生する水素をPSAにより99.99%以上の純度にし、圧縮機により40MPaまで昇圧する。PSA・コンプレッサーの能力は50Nm3/Hrである。この高圧水素を40MPa鋼製容器および35MPa軽量CFPR容器からなる移動式水素ステーションにより名古屋市北区で燃料電池自動車に供給する。また、豊田市のアポロホームガス中部社内に設置した純水素型燃料電池に水素供給する。

製油所内には脱硫や水素化に使用するための水素を製造する大型装置がある。これの余力を使って、製油所外に販売する水素を製造することが可能である。また、ガソリン基材を製造する接触改質装置(リフォーマーとかパフォーマーと呼ばれる)からは脱水素により水素が副生する。通常はこの副生水素は製油所内の水素として利用されるが、外部に販売することも可能である。

しかし、いずれも製油所で出来るということはその原料は石油成分です。水素ガスの貯蔵・輸送を考えた時、もとの石油成分のまま運搬し利用先で水素製造するほうが効率はよいと考えられる。いわゆるオンサイト利用です。オフサイト水素供給が勝ると考えられるのは、製油所の大型装置で水素を大量に作る方が、経済的には安上がりな点です。

研究開発の一環として、どれくらいの効率になるか、経済性を含めて実証規模で確認するという意義はある。