化学系エンジニアの独り言

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カーボンマイナス東京10年プロジェクト

2007-10-14 | 環境
今日のサンプロに石原都知事が出ていました。そこで、「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」を昨年12月にはじめたが、なかなか進展させるのは難しいといった話がありました。もちろん、ゴア副大統領(元の)のノーベル平和賞受賞に関連した話題であることは言うまでもありません。大統領や元首を終わってノーベル賞をもらう人はいましたが、大統領になりそこなってもらう人は珍しいといえます。

このことからアメリカの環境に対する姿勢が見えるような気がします。石原知事の言葉を借りれば「アメリカと中国は似ていて、金、金の思想」ということでしょう。日本はどうか、一概には言えませんが、自分の生活に置き換えて考え直してみる必要があります。

東京都が率先してやった環境政策としては、ディーゼル車の締め出しがあります。結局国もこれを追認するしかなかった。今度も同じことになるでしょうか。
蛇足ながら、ディーゼル車は省エネという観点からは優れているので、燃料やフィルター技術の向上で復活させるべきと思います。

ところで先の東京10年プロジェクトの中の主なものは
1)大規模CO2排出事業所に対する削減義務と排出量取引制度の導入
2)家庭からの「白熱球一掃作戦」を展開
3)大規模新築建築物等に対する省エネ性能の義務化
4)ハイブリッド車などの大量普及をめざす「低燃費車利用ルール」の策定
などです。

白熱球の一掃作戦によりどれほどの効果があるのか、疑問はあります。一般家庭で白熱球を使っているのはトイレ、廊下などです。この二つの部分で消費される電力は高が知れているので、省エネ効果は大きくないはずです。しかし、家庭の省エネ意識を高める意義はあると思います。白熱球一掃はむしろ、民生業務の分野、商店やスーパーなどの照明に適用したほうが効果は大きいと思われます。

白熱球一掃やハイブリッド車普及というと、なんだか家電メーカーやトヨタの回し者のような感があります。しかしそれらの会社がいち早く省エネ商品を開発しているのですから、こういうキャンペーンの言い回しになるのは当然でしょう。

東京都のみならずほかの自治体もこういった目標をそれぞれ持っているはずです。しかし、国の目標よりも低い目標を掲げるわけには行かず、さりとてできるかどうかわからない高い目標、国よりも高い目標を掲げて国から目をつけられても損、ということであんまり大々的に公表していません。
たぶん、県庁などの環境関連部署の行動目標くらいにしてあるのでしょう。
東京都だから、国とけんかできるんで、ほかの県は国と喧嘩はできないということだと思います。

以前環境省が炭素税を持ち出しました。これからは炭素税ではなく、CO2排出賦課金を都道府県に課したらどうでしょうか。当然、都会で人口の密集している県、工場が多い県などは賦課金を多く払います。一方、過疎で人口が少ない県は、森林面積が多いので、CO2を吸収しているはずです。こういった県に賦課金を還付すればよいでしょう。

こういった都道府県単位の賦課金、還付金は地方活性化の財源にまわすこともできるはずです。ふるさと納税では、結局役所がどこにお金を多くまわすかをコントロールしてしまいます。CO2賦課金ならばそんな役所の恣意が入らないのでは、と考えるのは単純すぎるかな。