3月9日(土)は、午後から鳴門地域地場産業振興センターにて「賀川豊彦とその仲間たち」というセミナーに参加をさせていただきました。
時間の関係で、後半の神戸大学名誉教授でコープこうべ協同学苑学苑長の野尻 武敏教授のお話を中心に聞かせていただきました。
野尻教授は、経済学が専門で、賀川豊彦の研究を個人的にしている中で、賀川豊彦の素晴らしい実績を知る事より、賀川豊彦の人格者としての生きる教えに深く感銘を受けて、現在に至っているということでした。
もう少し、歴史的な検証的なお話が中心だと思っていましたが、本当に、高僧や素晴らしい牧師が教えを説かれるような話が、たくさん聞けまして、心が洗われる気持ちがしました。
その話の中で、印象に残りました処を記述させていただきます。
○ ラグビーの世界では、「One for all . All for one」 という言葉を精神で説いているが生協の精神は、「Each for all . All for each」である。柔道は自他共栄という理念があるが、生協には、自他供与を信条にしている。
○ 戦後、アメリカの統治下に置かれて、日本は、地域共同体の切り崩しをさせられた。欧米が、日本の文化の中で最も恐れていた、三族の崩壊をさせることで、日本を弱体化を図った。三族とは、家族、地域共同体、国民共同体である。
日本では、この三族が崩壊をしていく中で、戦前に当たり前の事であった、義務と責任を果たすということが、なおざりにされつつある。
義務と責任がなおざりにされ、権利ばかりを要求するものが台頭してきているのが現代である。
これから、日本が再生をしていく中で、本当に必要なものは「目に見えないものに襟を正す心を持つ」ということである。
良いことは良い、悪いことは悪いと明確に言える心を持つ。良いことは行い、悪いことは行わない。人間の命の重さを腹にすえる事が重要だ。
個人主義から、賀川豊彦が提唱している人格主義になることが重要である。
など、賀川豊彦の思想がふんだんに盛り込まれた素晴らしいセミナーでした。